迷子の歌姫は精神障がい者と惹かれあう 作:アッシュクフォルダー
新田有希のある日曜日。
と言っても、有希にとっては、毎日が日曜日の状態である。
なぜならば、通っている、夜間高校も、週に3回は無断欠席している。
その理由も、クラスメイトと先生が嫌いだからである。
「暇だし、遊ぶか」
有希は妹達よりも、ズボンを履くことが非常に多い。
細長いズボンばかりはいており、短パンの類も履くが、
スカートを履いたことが無いらしい。
私服は、妹達と異なり、フォーマルな格好が多く、
ズボンは常に白系統。
黒髪のポニーテールとお決まりのヘアスタイルである。
何やら、痛いという声が聴こえてくる。
有希は一切のためらいも無く、その場所へ!
そこには、小さくて可愛い女の子が、泣いていた。
有希が好む小学生の女の子だ。
「どうかしたの?お姉さんが助ける!」
「えっと…お姉さん…?実は襲われた」
「そんな人がいるの!私が懲らしめるから、
その人の特徴は?」
「えっと…男の人で、大きな人で、変な男の人に襲われて…」
「格好は?服の色とか!」
「青い服を着ている人と赤い服を着ている人がいて、怖い人だった」
「わかった。私から離れないで。
その男たちを私が倒す!」
「で、でも、お姉さん。相手は…」
「大丈夫。私が貴女を助ける!この命が尽きるまで!」
「そこまでしなくても…」
曰く、小学生の女の子は、その男達にストーカーを受けており、
怖くて、誰にも言わなかったようだ。警察にすら言わない始末である。
どうも、小学生の女の子は、
変なことをされてしまい、精神的な苦痛と嫌がらせを受けていた様だ。
ちなみに有希は、警察を非常に憎んでいる。弁護士も教師もだ。
有希は小学生の女の子と一緒に、その人達を探しに行くことに!
「この人!」
どうやら見つけた様だ。小学生の女の子に対して、
「離れないで」と、言いだす有希。
「貴方達が、この子を襲ったのね!私が懲らしめます!
警察や弁護士が許しても、お天道様が許しても、
この新田有希が、貴方達を成敗して見せます!」
と、加害者であろう、男の人に指を指す。
「何言ってんだ、このお姉さんは…」
有希の戦闘スタイルは、一言で言って、我流である。
ビンタ主体であり、パンチやカウンター技が得意らしいが、
女性ゆえに、力は無い。
砂で目つぶししたり、落ちていた空き缶や空き瓶を、
男の人に投げて命中させるなどだったが、
そして、応戦するが、ボコボコにされてしまい、
小学生の女の子が、救急車とパトカーを呼ぶのだった。
ケガの治療が済んだ。大きなケガは無かったようだ。
「私、守れなかった。小さな女の子」
「大丈夫だから。その人たちは、警察に逮捕されたから」
「でも、すぐ保釈される!」
「で、でも、お姉ちゃん。カッコよかった」
「ホント?」
「うん。有希お姉ちゃんは、正義の味方に思えた!」
「私は正義の味方じゃない。正義そのものだから」
有希は思うのだった。小さな女の子が侵されるなら、
この身を懸けて、一人で立ち向かうと!
治療後、妹に、こっぴどく言われた。
「姉貴、また幼女の味方になって、殴り合っていたの?キモイ」
新田 流歌。
花咲川女子学園高等部の一年生で、下の妹。
ネットアイドルで、リアルにアイドルでもある。
「小さな女の子や幼女を助けて、何が悪い?
幼い女の子が、泣いて襲われたら、加害者を倒して当然です」
「正義の味方のつもりかよ…」
「私は正義そのものです」
有希は、シャワーを浴びた後、一人で部屋で寝るのだった。