学園一の美少女に脅されて付き合うことになりました。   作:赤瀬 涼馬

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7話 盛り上がる文化祭

 十月も第一週が過ぎ、気づけば中旬にさしかかっていた。そしてとうとう学校行事一大イベントの一つである文化祭と体育祭の時期がやってきた。

 

 ユウマのいる一年五組では現在文化祭の出し物を何にするかについての話し合いが行われていた。

 

 文化祭実行委員である胡桃が教壇の上に立ってクラスメイトたちから案を募っている。

 

――――俺たちはお化け屋敷がいい! 私たちはメイド喫茶がいい!とそれぞれのグループが案を出していた。

 

 ユウマたちのクラスは基本的に一団結というよりかはそれぞれが仲の良いグループ同士でつるんでおり良くもなく悪くもないというスタンスだった。だからといってクラスの雰囲気が悪くなったり、一人だけはぶられているといったこともない不思議なクラスだ。

 

 そんなクラスメイトたちをどこか冷めた目で見ている人物がいた。そう言うまでない俺自身である。

 

「おいおい、ユウマ、せっかくのイベント行事なのにどうしてそんな死んだような魚の目をしているんだ?」

 

 俺の後ろに座っている友人でありクラスメイトである透哉が俺の肩を橋場と叩きながらテンション高めでそう言ってくる。

 

「………」

 

 透哉の言葉に無反応を貫いていた俺に真横からどこか呆れたような、心配したような声が飛んできた。

 

「どうしたの? ユウマくんそんなに体育祭嫌いだった? もしかして運動音痴だったり………?」

 

「確かに俺はアウトドア派じゃなくて生粋のインドア派だが人並みには運動はできるぞ!」と隣人である九音に対して抗議の意を唱える。

 

 そんな俺のことをどこか試すような瞳で見てくる九音。

 

「何だその目は………絶対疑っているだろ? 俺が運動音痴だって」

 

 なおもジト目を向けてくる九音にため息を吐くユウマ。

 

 すると教壇の上から呆れたような、からかうような胡桃の声が飛んでくる。

 

「おーい! そこのお二人さん~イチャラブするなら後にしてよね。それから今は文化祭の出し物について話し合っているんだからさ」

 

「―---だってよ、ユウマ」

 

「お前の彼女が勝手に言っているだけだ」

 

 「おいおい! 照れるなって―ーーいずれは付き合うことになるんだろ?」

 

 まるで未来を見透かした占い師のようなことを言い出す透哉に呆れた半分、怒り半分と言った感情を抱くがユウマだったぐっとこらえる。

 

 透哉がおかしなことを言い出すのは今に始まったわけでなく、すでに馴れっ子になっていたからだ。

 

 そんなこんなと言った感じで話し合いは進んでいき、たどり着いた結論としてはユウマたち一年五組はメイド喫茶をやることになった。

 

 まあこの結論に至るまで紆余曲折な出来事があったのだが――――。

 

 それからはなんやかんや準備とかで一気に大忙しになった。

 

 ただ、メイド喫茶をやると言っても必要な衣装や内装の準備などが山のようにあり目が回りそうになった。

 

「今更なんだが、どうして西園寺が俺たちのクラスにいるんだ? 自分のクラスのことはいいのか?」

 

 ユウマが不思議そうに九音に尋ねる。

 

「大丈夫だよ。今は放課後だしクラスの皆もOKって言ってくれたからね」

 

 満面の笑みでそう言う九音にいくつか訊きたいことはあったのが、何となく嫌な予感がしたので訊くのは止めておいた。 

 

 それから何とかして準備を整えてあっという間に文化祭当日になる。

 

 

 

「わぁ―――胡桃のメイド服姿かわいい――――」

 

 ユウマの隣で興奮気味に騒いでいる九音を宥めつつ九音の服装に視線を移すと。

 

 何とそこには―――――。麗しき男装の麗人の姿をした九音がいた。

 

「な、西園寺………!」

 

 驚きのあまり声を失っているユウマを見た九音がゆったりとした仕草で「どうしたの? ユウマくん、もしかして私の男装した格好に見惚れていたの?」と声をかけてくる。

 

「―--別にそんなことない」

 

 そう言って否定するユウマだが仄かに顔が赤くなっているのだった。

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