ドルフロ世界日本と日本がつながったら 作:Japan Defense Force
2025年5月30日
日本国東京都千代田区永田町2丁目3ー1
首相官邸
総理執務室
「以上が、この数日であの装置についてまとめた情報です。総理」
「あぁ・・・ありがとう、下がってくれ」
「失礼します。」
「はぁ・・・全く、何だってんだ。」
スーツを着た男性に資料を渡された総理と呼ばれた彼は、
悩ましいようにこめかみを押さえながらそう言った。
彼は、飛鷹(ひよう)内閣総理大臣
歴代内閣総理大臣最年少と言われる四十代前半に首相に選ばれた者である。
無論、彼もいろいろなことに関わってきた少しグレーな政治家だが、
内部でそれを活かして選出された。
日本の完全な独立や欧米の対アジア人政策への対策・独自の文化圏の保護、
国内の賄賂や汚職・不正撲滅など
日本では、タカ派や右翼改革派と呼ばれていた。
そんな彼が、産業技術の保護などを表明した矢先の事であった。
駐屯地に現れた装置は、何の変化もなく稼働しながら。
周囲で自衛官による監視と警備が行われている。
そんな中、政府による科学調査の結果、
周囲に小さな磁場や重力異常を引き起こしていることが判明した。
即座に、自衛隊駐屯地異常事象対策・調査本部を設置し、国の機関で調査をしていた。
・・・していたのだ・・・
科学者や技術者からの報告がもう来ていたのだ、あまりに早かったのにも理由がある。
・現代科学技術では、製造不可能な精密機器群
・未知の元素
・未知の素材
何をしても分からないことしか書いていない。
この国最高の天才集団を持っても少ししか分からないのだ。
・磁場や重力が何かとつながっていること
・装置に日本語や企業名が書かれていることだ(日本にないものもあり)
これらのことからワームホールのような物であると薄っぺらい報告書に書いてある。
しかし報告書には、自分達より技術力が上である可能性も書かれていた。
「ワームホール……か」
首相官邸の一室、机に肩肘を付いた総理が、そう呟いた。
『自衛隊駐屯地異常事象対策・調査本部』の調査によれば、
あの機械は遠く離れた何処かに繋がっている可能性があるという。
それも宇宙や世界単位でだ。
にわかには信じられないが、そもそも空間と磁場を歪める変な機械が出現した時点で、
ワームホールという空想上の産物も現実的となってきた。
そして、だ。
仮にワームホールだったとして、それをどうするかという問題である。
自然発生ならばどれほどよかったか・・・
相手は、自分達より進んだ技術を持っていることは確実だ。
その対処事項の作成、相手との交渉、諸外国との調整、国内外への発表,etc・・・
実に頭が痛い・・・
これからのことを思い憎みながら私は、仕事に手をつけた・・・はぁ
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2068年5月30日
ドルフロ側
日本国北海道札幌市中央区北3条西6丁目1
首相官邸
旧北海道庁舎を改装し、首相官邸としての機能を備えており、
国会と隣接しているため、政治的なものが集中している。
地下会議室
「さて、全員揃ったな」
「はい、全員揃っております。」
鳥海(ちょうかい)内閣総理大臣
現在、厳しい状況の日本を動かしている者である。(50代前半)
「夕雲防衛大臣、説明を。」
「はい。」
夕雲防衛大臣、
元日本国海上自衛隊特別警備隊隊長(別名:大日本帝国海軍陸戦隊、船舶特殊部隊)
で、軍人から政治家に転身した珍しい者である。
「まず、事故初日から数日経ちましたが皆さん、報告書で多少は把握出来てますね?」
『コクッ』
「では続けます。
此方でも混乱していた情報が整理できたので報告します。
我が防衛軍敷地内で官民共同研究中のコーラップス除染装置の試験中に
実験機第三号が暴走しました。
即座に実験部隊は、手順通り対処し電源を切りましたが、暴走は治らずに
人体へ影響がない程度のコーラップス放射線を出して稼働中です。
なお、暴走初期では、危険な状態だったとのことですが現在は、安定中だそうです。
研究者によると、コーラップスが存在する限り稼働するとの結論が出ております。
そのため現在、スパコンによる並列処理装置を使用し、事態収束を模索中です。
しかし実験機周辺では、磁場や重力値が変動しており、一部の化学者の中には、
ワームホールのように何処かへ繋がっているとの意見も出ています。
実験機は現在、防衛軍陸上自衛隊の監視・指導のもとで調査を実施中ですが、
コーラップス関連である事から、付近の部隊に第三種非常警戒体制を維持させています。
また、防衛軍海上自衛隊も事態把握後に数隻が緊急出航し、警戒監視中です。」
「つまり、ほぼ永遠に稼働し続けるのか・・・ 繋がっている場所の予想は?」
「今のところ海外でその様な動きは、見られません。
最も相手に隠されていては分かりませんが。」
「・・・向こう側への無人機による調査を命令する。」
「しかし、相手の土地へ侵入することになります・・・」
彼は、氷川外務大臣、外務省の元外交官で、アメリカ・イギリス・新ソ連での
外交経験が豊富な人材だ。
「向こう側がコーラップスの広がった土地だったらどうする。」
「う、確かにその通りですが。」
「それに向こう側での人間がいたなら君たちの出番だ。
経産省・財務省からは、あの装置を使った移動による輸送費の削減もなんて声がある。
現実的に難しすぎるから現実を見ない者の戯言かと考えていたが
報告書を見る限りならその考えも浮かぶのも無理はない。
我が国のシーレーンは、北極・太平洋航路がほとんどなのだからそこを抑えられたら
我々はどうしようもない。無論、輸送費の値段も馬鹿にならん。
実用化できたら大きな恩恵が得られるだろう。
最も制御できなければ意味がないがね。」
財務大臣と経済産業大臣は、少し目をそらした。
「では防衛大臣、防衛軍幹部らと協議し、ワームホールの先への無人機調査を頼む。
向こう側の安全が確認でき次第人を使った向こう側への接触を実施してくれ。
発砲なんて事はやめてくれよ。
現場判断に一任するが相手が人間なら話し合いだ・・・いいな?『はい。』
作戦は、防衛省が、我々行政は、見学だが、・・・協力が必要なら言ってくれ。
やれる事は、出来る限りする。」
「わかりました。ありがとうございます。」