ヒロアカの世界に異物を一つ   作:きょうぞうちゃん推し

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第五話「オールマイト」

 AFOとの戦いより数年後。このころになると武者修行を終えて帰国したオールマイトが活躍するようになっていた。たった3日で日本全国を飛び回る彼の活躍は全てのヴィランに恐怖を、善良な市民に安心を与えていた。

 しかし、そんな中でも“ナイトメア”による犠牲者は増える一方だった。というのもオールマイトが飛び回る中で“ナイトメア”は突如として現れ、突如として消える神出鬼没な動きでヒーローを翻弄していた。更に連続衰弱死事件の被害者も10万を超える勢いであり、これ以上の犠牲者を出すわけにはいかなかった。

 

「まぁ、AFOやオールマイトでもない限り無理でしょうけど」

 

 あの戦い以降彼女はAFOを大きく警戒した。元々警戒はしていたがその割に慎重であったかと言われれば微妙なところであった。何しろ、彼女が持つ刻々帝には分身を作り出す能力があったがそれをあまり有効活用していたとは言い難かった。分身体には諜報活動を行わせていたが戦闘では彼女自身が行っていた。というのも戦闘経験が圧倒的に足りない彼女は実戦を重ねる事で力に慣れようとしていたからだ。

 だが、これからはそんなことをする余裕はないだろう。AFOに目を付けられ、オールマイトが日本中を短時間で飛び回るようになった以上悠長に戦闘をしていたら彼らがやってくる可能性が高いだろう。それではまた前回の戦いのように瀕死の重傷を負ってしまう。

 そこで、彼女は余程の事がない限り表に出る事は無くなった。表での活動は全て分身体に任せる事で彼女は自身の安全を得る事にした。戦闘経験は惜しいと考えているものの、命には代えられないと彼女は刻々帝とは違う、時崎狂三のもう一つの能力で陰に潜むこととなった。時喰みの城と呼ばれるこの能力は影を広げ、それを踏んだ者の時間、つまり寿命を奪う能力だ。この影の中は空間が広がっており、そこに本体と待機する分身体が収納されている。この能力は出る場所を自在に選べるため、彼女がここまで神出鬼没でヒーローを翻弄できたのはこの能力のおかげであった。

 

「仕方ありませんわ。戦闘経験は私たちで我慢しましょう」

「そうしてくださいな私」

 

 そして、経験が偏るためにこれまではしてこなかった分身体との戦闘を今後は軸に行っていくこととなった。

 そして、分身体である以上使い捨てを恐れる必要もなくなった彼女の活動はより積極的に、より過激に行われていくことになり、被害者は増加していくことになる。だが、そんな彼女をヒーロー側は全く捉える事が出来ないのだった。

 

 

 

 

 

「くっ! またか……!」

 

 オールマイトは自身の事務所内にて悔し気に呻く。アメリカでの武者修行を終え、帰国してからというもの日本国内を飛び回り、ヴィランの逮捕に尽力を尽くしてきていた。雄英高校在学時に経験したAFOとの戦い、そして師匠にして先代の継承者である志村奈々の死亡。まだ無力だったあのころとは違い今の彼はAFOですら警戒する強者へと成長していた。

 そんな彼だが現在、一人のヴィランについて頭を悩ませていた。“ナイトメア”と呼ばれるそのヴィランは彼が武者修行中に活動を開始した凶悪犯であり、既に何人ものヒーローが彼女によって殺害されていた。そして、当初はヒーローのみだった彼女の犯行も近年では一般人にも向けられるようになり、何百もの犠牲者を生み出していた。

 更にAFOとの接触も確認されており、経緯は不明ながら戦闘も行っていた。そして彼女はAFOから逃げ切っており、魔王から逃れられるだけの実力は持っているとしてヒーローと警察から更に警戒されていた。

 故にオールマイトも彼女の逮捕を目指しているのだがまるで彼女はオールマイトの動向を知っているように彼が直ぐにはたどり着けない位置に現れ、オールマイトが駆け付ける前に姿を消してしまうのである。何度かオールマイトが駆け付けられるようにヒーローが足止めをしたこともあったが失敗。余計な被害を出すだけで終わっていた。

 幸いというべきかAFOとも対立しており、彼女は何度かAFOの部下と戦闘を行っていた。オールマイトの活躍もありAFOの手駒は少しずつだが確実に減ってきている。いずれ最終決戦を挑む日も近いだろう。だが、彼女に関してはオールマイトから逃げるように行動するために対応が難しかった。

 

「仕方ない。ここ最近は私以外のヒーローの実力も高くなってきている。彼らに任せるしかないか……」

 

 実力があり、覚悟もあるオールマイトは他者に任せるという事が苦手だった。でなければ3日間で日本中を飛び回り、ヒーロー活動をしたりはしないだろう。だが、今回ばかりはそうもいっていられない。オールマイトを彼女が避けるのならそれ以外の戦力で対処するしかないのだ。

 

「せめて、私が駆け付けられる程度の時間だけでも……!」

 

 オールマイトは自分では何も出来ないという悔しさを感じつつも()()()がやってくるのを今か今かと待ち続けた。

 そして、彼の願いは今より数年後、叶う事となる。

 




原作の時崎狂三との比較

見た目:一緒
霊力:当然同じ量
戦闘経験:圧倒的に原作が上。そもそも転生者は転生して数年のため経験は圧倒的に劣っている。
能力:こちらも原作が上、というわけではなくほぼ互角。ストックしている時間に関しては原作側が上。流石に蓄えている年数が違うがその割に両者の差はそこまでではない。つまり、転生者は僅か数年で原作に匹敵する程時間を奪っているという事。
分身体:原作が上。転生者が本体で行動する事が多かったために分身体をそこまで作っていなかったことが原因。
総評:現時点では原作の時崎狂三の劣化版のような状態にある。しかし、それを補って余りある転生特典を有しているうえに原作のように元が心優しいというわけでもなく、平気で人を殺める事が出来てしまう人物のため容赦の無さは転生者が圧倒的に上。特典を手に入れた事による慢心もAFOとの戦闘を得てなくなり、慎重な行動を行うようになっている。更に言えばいまだ原作開始前であり、このままでいけば原作が始まるころには原作の時崎狂三以上の実力を得ている可能性が高いと言える。
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