ヒロアカの世界に異物を一つ 作:きょうぞうちゃん推し
「久しぶりの日本、相変わらずですわ」
この日、時崎狂三は十数年ぶりに日本へ帰国した。最早過去の人と化した彼女に気づく者はおらず、更に刻々帝の能力を使用する際に纏う服、霊装ではないために別人とすら言える容姿になっていた。左目は下がった髪に隠れ、ツインテールはおさげに代わり、勝気な表情は消え、はかなげな表情を浮かべている。まさにお嬢様と呼ぶに相応しい様相であり、そこから凶悪ヴィランである“ナイトメア”に関連付ける方がおかしいと思える程だった。
「ですが、どうやらオールマイトは随分と活躍を成されているようで」
空港の画面に映されたニュースにはオールマイトがヴィランを捕えた様子が移されており、平和の象徴と呼ばれている事からも絶大な支持を得て、人々に安心感を与えているのが分かった。その効果故か、彼女が出国した際によりも人々の表情は明るいように感じられた。
「それに他のヒーローもかなり増えているようですわね」
オールマイトという絶対的な存在が活躍しているせいか? ヒーローの殉職率は目に見えて減っており、それに合わせてヒーローの数が増えていた。彼女が転生したばかりの頃と比べれば見違えるようであった。それらが全てオールマイトによってもたらされたものであり、彼の影響力を知らしめている。
「さて、こうして帰国したとはいえまずは何をしましょうか……」
そして、帰国を果たした彼女だが特に何かしたいと思って帰国したわけではない為、さっそく何をすればいいのか分からず、空港の入り口にて立ち尽くしてしまった。そもそも、帰国した理由とてなんとなくであり、何か目的があったわけではない。日本国内でヴィランとして活動するのも暫くしてからと考えており、今すぐにというわけではない。
「……そう言えば」
ふと、彼女は思いだした。自らの
「刻々帝とは違い、詳細を知っているわけでも使った事があるわけでもないので暇つぶしにはちょうどいいのかもしれませんわ」
にやり、と彼女は笑みを浮かべた。目標を決めた彼女の脳内はすさまじい勢いで回転を始める。目標を達成するために必要な事、“ナイトメア”とバレずに堂々と力のコントロールを成すか。そして、
「……まずはやってみましょうか」
目標とそれに至る道筋。最も自分が愉悦を感じると思ったストーリーを作り上げた彼女は早速その一歩を踏み出すべく空港に戻り、多目的トイレに入る。そこで手を広げれば
これまでのゴシックドレスのような服装ではなく、グラマラスな魔女と言える服装になっていた。彼女は自身の姿をくまなく確認すると眉をひそめながらため息をついた。
「どうやら霊装
彼女は不平不満を前面に出した表情のまま天使である自分の身長以上の箒を顕現した。それは何処にでもありそうな普通の箒にしか見えないがそれより発せられる能力は強力だった。
「
天使の名を叫ぶと同時に箒の先端より光が漏れ出し、彼女を包み込む。すると、彼女の姿は変化していき、全く別の姿へと変わった。光に触れた物を変化、変身させる力を持つこの天使により彼女は自らの姿を変えたのだ。そして、それは彼女が時崎狂三の次に好きだった少女の姿であった。当然、時崎狂三でなくなった以上そちらの口調へと変える。
「ククク! これより我が最高のロードを進もうではないか!」
原作におけるオールマイトとAFOの決戦。それは物語開始より5年前の出来事であった。しかし、“ナイトメア”の自殺というトラウマを植え付けられたオールマイトが原作よりも大暴れをした結果、この決戦は更に10年近く前倒しで行われることとなった。
AFOとしてはこれ以上オールマイトを野放しにして部下を失いたくはなく、重い腰を上げてオールマイトとの決着をつけるべく動き出したのだ。AFOは残っている部下全てを動員し、オールマイトにけしかけたがAFOの事を知るヒーローや警察の強力で足止めをくらい、オールマイトはAFOと一対一での決戦に臨んだのである。
「今日で決着をつける! AFO!」
「君に出来るかな? オールマイト!」
8代にわたり、継承されて来たワン・フォー・オールと個性を奪い、自らの物としてしまえるオール・フォー・ワン。二つの個性は激突し、史上類を見ない激戦が繰り広げられた。
AFOは手数でオールマイトを圧倒し、対するオールマイトはOFAをフルに使いAFOをねじ伏せる。互いの一撃一撃が致命傷となりうる猛攻は続き、お互いは深手を負っていく。
「まさか、ワン・フォー・オールがここまで厄介になるとはね。慢心してしまっていたようだね」
「それが貴様を追い詰める結果となった。AFO! 貴様の時代もここまでだ」
「いいや! これからさ! 僕はここから躍進するんだよ!」
互いに吠える。最早残された力は数少ない。両者は次の一撃を最後と決め、自らの全力を拳に込める。オールマイトは継承された力全てを込め、AFOは何十にも及ぶ個性から最適の組み合わせを作り上げ、巨腕を生み出した。そして、激突した。
「UNITED STATES OF SMASH!!!」
「吹き飛べ! 衝撃反転!!!」
互いに持てる全力の一撃。二人を起点に衝撃波が吹き荒れ、周囲のものを全て吹き飛ばしていく。あまりにも強大なそれに抗えるものはおらず、一定の距離を離されることとなった。
「……ぐ! ごほ……!」
そして、立っていたのはAFOであった。オールマイトは血反吐吐きながら蹲り、左わき腹を抑えている。わき腹には見た者全てを絶句させてしまうような大穴が開いており、真っ赤な血を噴き出していた。
「……ま、さか。ここま、で、とは……!」
しかし、立っているはずのAFOも無傷ではなかった。顔の上半分が抉れたように陥没し、空気が抜けるような呼吸を繰り返していた。
互いに瀕死の重傷。引き分けという状況に最初に動いたのはAFOだった。正確にはこの様子を見ていた
その数秒後にヒーロー達も駆け付け、オールマイトを回収し、病院へと急行することとなった。
結果的に両者は一命を取り留めたがオールマイトは原作と同様の傷を負い、活動時間に制限がかかることとなり、AFOも昏倒し、意識を取り戻すまでに時間を要する事になるのだった。
日本の裏を支配した帝王を倒したことは日本により良き未来をもたらすこととなったがその代償として平和の象徴の活動制限を強いられることとなった。
そして、この決戦のごたごたが
現在は原作から15年程前です。主人公たちがちょうど生まれたくらいですね。それ以外だと相澤先生の同級生だった朧君が死ぬ直前くらい?
オールマイトはまだソロで活動しており、サー・ナイトアイがサイドキックに来ていませんが今作だと弱体化した事もあってサポートがあった方が良いと考えるに至り、原作よりも早くサイドキックになったりします。
因みに転生者は特典として第三期までに登場した精霊の力を特典としてもらっています(三期までなのは単純に作者がそこまでしか視聴していないからです)。
ですが時崎狂三と刻々帝以外には興味があまりなかったせいであまり知っていないという感じです。以下が転生者の天使への理解度です。
鏖殺公
でかい剣出せる。
氷結傀儡
氷と兎が出せる。
刻々帝
時間に関係する多種多様な能力が付与された弾丸を生み出す。副次として時喰みの城とかある。
灼爛殲鬼
炎と斧が凄い。回復能力がチート過ぎる。でも暴走してたしあまり使いたくない。
颶風騎士
耶倶矢カッコ可愛いよね。好き。天使? 双子でくっついて弓矢撃つんだっけ?
破軍歌姫
歌でみんなを操る能力。多数との戦闘に使えそう。
贋造魔女
様々な物を変化、変身させる。姿を変えられるのが強みだし、多分めっちゃ強い。
絶滅天使
……?
因みにこれほど酷くはないですが作者の認識も似た感じです。なので少し違和感あると思いまずが温かい目で見てくれると嬉しいです。