魔法少女観測部、通称「魔観」 作:初投稿
私、
でも私にとって最たる幸福はこんな普通のことではなくて。
私が心から楽しんでいるのはこんな一般的な日常ではなくて。
私の幸福とは、人類の敵である
「ん、今日も派手にやってる……
「ちょっと近くナイ?ココまで揺れてるんだけど崩れナイ?もう少し離れようヨ!」
「静かにして。気づかれたらどうするの」
「エェ、なんて理不尽…ウワッ!」
「おぉー、粉々」
「帰ろうヨーーー!」
――毎日遠くから他の魔法少女の活躍を観察するという、退屈とは無縁の生活を送ることに他ならない。
『第一話:魔法少女的イントロダクション』
私の朝は基本的に早くない。部活動にも委員会にも所属しているけど、朝練なんてものはないし委員会の朝当番は週に1回しかないからだ。それに母さんはあまり私の生活態度にあれこれ言ってこない。自己責任、親なんかあてにしちゃだめ、というのが口癖。おかげでこんな時間まで惰眠を貪ることが出来る。
とはいえもう7時半。これ以上は遅刻へのカウントダウンになってしまうからと、のそのそ起床。顔を洗い歯を磨き、軽くシャワーしてから制服に着替えて髪型を調整。自分の髪を三つ編みにするのも、もう慣れたものだ。そして愛用の黒縁伊達眼鏡を掛けたら、古の超ステレオタイプ地味眼鏡少女の完成。上機嫌で居間に降りる。いつも通り両親はもう仕事に行ったみたい。食卓に置いてある私の分の朝食をそこそこ急いで食べる。もうこの時点で8時15分。食後の歯磨きも忘れずに。ようやく
「……おはようルビィ」
勉強机に置いてあるルービックキューブに声をかけた。いや、どうか誤解しないでほしい。別にカラフルな6面体を
「おはようシイナ!魔法があるからって遅すぎナイ?もう20分過ぎてる、遅刻しちゃうヨ」
魔法少女一人につき一体憑くと言われている、お助けキャラ、相棒またはマスコット。
少女達が魔法少女になる時にどこからともなく現れて、魔法少女についての説明をしてくれる謎の知的生命体。
魔法少女活動において様々な補助をしてくれる
一応補足をしておくと、
それは例えばウサギやネコに似た動物のような何かであったり、まさに妖精!というような翅の生えた小人であったり。本、鍵、ぬいぐるみ、武器といった無機物になることだって例がないわけじゃない。
だから私のパートナーがカラフル6面体になったことだって特別あり得ないとも言えないのだけれども、まあ正直事故みたいなものだ。とはいえ一度形が定まったらもう変えられないのだから仕方ないし、長年の付き合いから愛着もそれなりに湧いている。何なら暇なときの時間潰しにもなるから一石二鳥かもしれない。
さて、こんなこと考えてないでそろそろ行かないと本当に遅刻してしまう。
「わかってる。でもどうせ私なら一瞬で行けるから……そんなに気にする必要はない」
適当に返事をしながら、ルビィを学生鞄に放り込む。何やら丁重に扱え的な文句が聞こえるけど無視無視。さっさと出発しよう。
玄関で靴を履き、息を整える。
そして一歩、前に踏み込む。
一瞬、眩しさに顔を顰め数秒。目の前には真っ白な校舎が広がっていた。ここが
校舎を見上げて時刻を確認。8時25分、いつも通り。
「ほら……間に合った」
鞄からはもごもごと不明瞭な返事が、どこか不満げに聞こえてきたのだった。
小説ってこういう感じでいいのか…?