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「喰らいやがれ!衝撃のファースト・ブリットォォォ!!!!」
掛け声とともに振り抜かれた拳は部隊の中心にいる巨大な歩兵もといゴリアテに向かって放たれる。凄まじい勢いで空中から真っ直ぐ進むその姿は一発の弾丸を想像させる。
頭上から渾身の一撃を叩き込まれたゴリアテは装甲が異音を立てながら陥没し、その巨体は地面にめり込んでいく。さらにゴリアテを貫いたエネルギーはそのまま地面へと衝突し、コンクリートの破片や衝撃波となって周囲の兵士達に襲いかかる。
「「「ぐあ──っ!」」」
彼らはみな避ける間もなく破片の雨を浴びながら吹き飛ばされ、地面に埋まったゴリアテは警告音を発し続けて最終的には沈黙した。
さっきまでゴリアテだったものから飛び降りて辺りを見てみると兵士たちは地面倒れ伏し苦しそうにうめき声を上げている者ばかりで、その殆どが気絶、または戦闘不能になっていた。
「この様子じゃ何も聞けそうにないか・・・」
何故自分を襲ってきたのか問い詰めたかったが、仕方ないと諦める。
ため息をつきながら下を向くと装甲を纏った右腕が目に入る。
「あの時は無我夢中でやったけどまさかホントにできるなんてな」
俺が能力を行使した際にイメージしたカズマの姿から再現されたシェルブリット第一形態は本物と寸分違わぬものであり、その威力は俺の想像を遥かに上回っていた。
空想の産物であったものが俺の腕で再現され、あまつさえその力振るうことができたという事実は俺の心を高揚感で支配した。
能力を解除することすら忘れその余韻に浸っていると、パチパチと称賛するかのようなに手を叩く音が聞こえてくる。瞬間、意識が切り替わりその音の元凶へとを顔を向ける。
そこにいたのは黒いスーツに身を包んだ異形の男だった。
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「いやはや、先程の一撃とても素晴らしいものを見せていただきました」
拍手を止めそいつは興奮気味に話しかけてきた。
「何モンだテメェ・・・」
すぐさま右の拳を構えて眼前の男を威嚇する。もしこいつがさっきの連中に指示を出していたとしたら他にも手下が隠れているかもしれない。
「私としたことが失礼しました。私は神秘を探求する者達の集団『ゲマトリア』の構成員。私のことは『黒服』とお呼び下さい」
何だよ神秘の探求って!絶対碌な組織じゃないぞ。
「そのゲマトリアの黒服さんが俺に何の用だってんだ」
「私は無名の司祭に関係する遺物、その起動を確認し調査に部隊を派遣しました。そして発見した遺物が貴女であったというわけです」
無名の司祭って・・・俺が目覚めたときに見たあの白頭巾か!そんなことまで知ってるなんて只者じゃないぞ。そう思い俺は警戒を一層強める。
「さっきの奴らを差し向けたのはお前って訳か。自分の部隊がやられたってのに何とも思ってねぇのかよ」
「ええ、彼らが貴女を確保出来なかったのは残念に思っています。ですが先程貴女が見せた力・・・アレを見ることが出来ただけでもここに足を運んだ甲斐がありました」
「私が知る限りあのように周囲の物質を分解、再構成する事ができる力は『プロトコルATRAHASIS』のみであり、それを行使する貴女は『名もなき神々の王女』ではないのでしょうか?」
コイツ!推理だけでほとんど正解まで辿り着いてるじゃねぇか。ここから誤魔化すのも難しそうだしここで話しておいたほうがいいな。
「あぁ・・・多分俺がその『名もなき神々の王女』ってヤツらしい」
「らしいとは・・・どういうことでしょうか?」
「寝て起きたら俺はこの身体になってたってだけで、本来のコイツが持ってた情報によると俺は廃棄されたプロトタイプなんだと」
俺がそう言うと黒服は少し考えるような仕草をしてから言葉を投げかけてきた。
「貴女自身はここでは無い別の場所で生活していて気がついたらその身体で目覚めたというわけですか。」
「そうだ。それに俺は元々男だったんだぞ」
「クックック・・・そうだったのですか。それにしても意識だけがキヴォトスの外から流れ着きその機械の身体で目覚めるとは。なんとも興味深い・・・」
「提案なのですが、同じくキヴォトスの外から来た人間として私の元に来る気はありませんか。私は貴方の力について研究ができる、貴方は居場所を手に入れることができるwin-winだとは思いませんか?」
黒服はそう言って手を差し伸べてくる。
「絶対にノーだね」
「即答ですか・・・」
「人のことを研究対象としか見てないような奴に着いていけるかよ。それに俺は決めたんだ、この世界で自分を貫き通して生きるってな!」
「クックック・・・それは貴方なりの信念ということですか。では私に話に付き合っていただいたお礼と言ってはなんですが、このキヴォトスについてお教えしましょう」
「いいのか?俺はお前の誘いを断ったんだぞ」
人のことを研究対象としか見てないと思ったら急に親切な態度を取ってくる・・・掴み所もないやつだ。
「私としてはこのまま貴方と良い関係を築いていきたいと考えているので。これは私からのちょっとしたサービスとでも思ってもらえば」
そこから黒服はキヴォトスという都市について語り始めた。
そろそろ主人公の名前出さなきゃ・・・