これ実質アルター能力だ!   作:ロッカー先輩

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ミレニアム郊外にて

 

 

 ■

 

 

 

 黒服の案内に従いながら歩き続けて数十分、荒廃した建物ばかりの景色も終わりを告げ、俺達は市街地に辿り着いた。

 人っ子一人いなかった廃墟とは違いスーツ姿のロボットや服を着た犬、学生がちらほら見える。

 

 「ここから先がミレニアムの自治区です」

 

 ミレニアムって・・・ミレニアムサイエンススクールのことか!たしか千年難題を解くために集まった集団の前身が中心となって立ち上げた学校で、学園の中でも飛び抜けて科学技術が発展してるんだっけか。

 

 廃墟で黒服から聞いた学園の中にそんな名前があったことを思い出す。

 

 話で聞いていただけでは分からなかったが、実際にこの目で見ると、眼前に広がる建物は素人の俺から見ても、どれもが最先端の技術で造られたことがわかる。

 

 「ここって自治区の端だよな?それなのにここまで栄えてるなんて自治区の中心はさぞ凄いんだろうな・・・」

 

 郊外ですらこれなのだから、中心部は俺が元いた場所よりもどれだけ発展しているのか気になって仕方がない。

 

 「それは貴方の目で確かめてみてください。それまず何か食べられる場所を探しましょう。奢ると言っても、場所を見つけられなければそれすらできませんからね」

 

 「そうだな」

 

 黒服の言葉に同意して、意識を飲食店を探すことに切り替える。

 

 

 探し続けること数分後、俺達はようやく飲食店らしき看板を見つけることができたのだった。

 

 「あれって多分ファミレスじゃないか?」

 

 「どうやらそのようですね。あの店で問題ないですか?」

 

 「俺はキヴォトスじゃどんな料理があるかわからないからな。取り敢えずエネルギーの補給が出来ればそれでいいさ」

 

 「では行きましょう」

 

 こうして黒いスーツの異形の男と黒い布で身体を覆った裸足の少女という何とも奇妙な二人組はファミレスの中へと足を運ぶのだった。

 

 

 

 ■

 

 

 そんな二人組がファミレスに入店してから暫くして、彼らが座ったテーブルには料理が載っていたであろう皿が何枚も積み重なっていた。

 

 「お〜来た来た」

 

 料理を運びに来た店員は注文された料理をテーブルに配膳し、俺はそれを自分の方に寄せる。

 

 「クックック・・・これで十品目。随分食べますね・・・」

 

 「起きたときで既にエネルギーがカツカツだった上にそこから数回の能力行使。減った分取り返すにはこのぐらい食べなきゃいけないみたいだ。安心しろ、これで最後にする」

 

 俺の心配は杞憂だったようで食文化はキヴォトスも外もあまり大差がないようだった。もう食べれないと思っていた料理を食べれるというのは存外嬉しく、食事を口に運ぶ手が止まらない。

 

 さっき黒服にああ言ったが5品目ぐらいで既にエネルギーの補給は終わっているのだ。そこからはほぼ俺が満足するための食事だ、悪いな黒服。

 

 十皿目を完食し、黒服は会計を済ませてファミレスを出た。黒服が黒いクレジットカードを出したときに店員が驚きながら会計をしていたのを思い出す。黒服は研究とか言ってたしゲマトリアってのは金持ちなんだなと思う。

 

 「これで私のやるべきことは終わりました。貴方のこれからの生き方を楽しみにしていますよ。さようならカズハさん」

 

 そう言って黒服は何処かへ向かって歩いていく。

 

 「アイツもいなくなったしまずは金が必要だな。どっかで日雇いのバイトでも探すか・・・」

 

 今まで忘れていたが今の自分は家無し金無し身分無しのあるものを探すほうが難しい状況である。

 幸いなことに睡眠でもエネルギーを回復出来るから死ぬ心配は無いが、現代社会に生きていた者としては何も食べず寝て起きるだけの極限生活はなんとしても回避したい。

 

 「考えても何も始まらねぇ!よし、行くぞ!」

 

 などと言ったはいいものの、現時点で目的地など何も無いので取り敢えず街道を歩いていくことにした。

 

 

 

 ■

 

 

 

 街を歩いてると周りの通行人から奇妙な視線を感じる。視線の元に目を向けると顔を逸らされる。この繰り返しが何度も続いた。

 原因はきっと今の黒布一枚に裸足という変な格好のせいだろう。

 

 周りの人が視線を向けてくるせいで、やけに注目を集めてしまう。その結果、俺はヘルメットを被った連中に絡まれてしまった。

 

 「おい、そこのアンタ。銃も持たずに歩き回ってるなんて随分不用心なんだな。アタシらは金が欲しいんだよ。痛い目に遭いたくなかったら・・・分かるよな?」

 

 ヘルメットの一人近づいてきて銃を突きつけながら脅すように声をかけてくる。漫画に出てくる不良のお手本みたいな脅し方で思わず笑ってしまった。

 

 「ッハハハ!今俺が金を持ってるように見えるのか?だとしたら相当金に困ってんだろうな、おたくら」

 

 「なんだと!」

 

 「テメェ!アタシらグルグルヘルメット団を敵に回したことを後悔させてやる!行くぞお前ら!」

 

 リーダーらしき人物が仲間に指示を出す。それと同時に仲間たちは俺を取り囲むように動き出す。

 

 

 「させねぇよ」

 

 

 まずは近くにいた一人の腹部を殴りつける。俺は軽く殴ったつもりだったが、その身体は吹き飛んで数人の不良達を巻き込んでいく。

 

 「よ、よくも!」

 

 「怯むな!全員でやれば問題ない!」

 

 仲間がやられたことによる動揺から全員の動きが鈍くなる。その隙を見逃さずに他の不良を殴りに行く。

 

 「この程度ならシェルブリットを出すまでもねぇぜ!」

 

 飛んでくる銃弾が身体に当たるがそんなことは気に留めず、ただひたすらに一人また一人とぶん殴り気絶させていく。

 

 気づいた頃にはリーダーと呼ばれていた不良一人だけになっていた。

 

 「なんなんだよお前・・・なんであんなに銃で撃たれてるのに全然怯まないんだ!痛くないのか!?」

 

 仲間が全員やられ、最後の一人になった不良は化物を見るような目でこちらを見てくる。

 

 「シェルブリットのカズハだ!歯ぁ食いしばれ!」

 

 リーダー格の不良に拳を叩き込む。拳を受けたその身は吹き飛び先程の不良たちと同じ末路を辿る。こうしてあまりにも一方的な戦いが終わりを告げたのであった。

 

 

 「まぁこんなもんか・・・って、布ボロボロじゃん!殴るのに夢中で弾避けるの忘れてたぁ!」

 

 

 俺が身体を隠すために使っていた布は銃弾により穴だらけになっており、もう捨てたほうがマシな状態になっていた。

 

 もう能力で服作るか?でも作ったところで耐久性がな・・・ってそうだ!こんなにも引き金が軽い奴らがいる街の服が防弾仕様じゃないワケないよな!あいつらの服を解析して作ればイケるんじゃないか・・・?

 

 俺は希望を抱きながら倒れ込んでいる不良の一人に近づいて、その服を触る。服のデザインを心の中でイメージして暫くすると地面が虹色の光とともに抉りとられ、代わりに服が出現する。

 

 ダメ元でやったが上手く出来たようだ。俺の中でこの力は便利な3Dプリンターみたいな感じになりつつある。

 

 地面に落ちた服を回収して着替えるために人目のつかない路地裏に移動する。

 

 生成した下着を着てから服を着る。灰色と黒を足して割った色のズボン、赤いインナー、左腕にのみ袖のあるジャケット、最後に右腕に指ぬきグローブを装着する。鏡は無いから本人には見えないがその格好はカズマそのものであった。

 

 「これで服の問題も解決だな」

 

 路地裏から出てきた俺は倒れ伏す不良たちの横を通り過ぎ再び歩き始める。

 

 

 その姿を一体のドローンが上空から観察していた。

 

 





 早く原作キャラと絡ませられるよう頑張ります。
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