いよいよブルアカ4周年ですね
結構期間が空いちゃったけど、どうか今年もよろしくお願いします
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ミレニアム某所にて、一人の少女が画面に映るデータを見ながら黙々と手を動かしている。
「これで3回目の反応・・・最後に力を観測した場所は廃墟ではなく自治区内から。付近の監視カメラからの映像を見るに彼女が力の発生源で間違いなさそうね」
力の発生源を見失う前にAMASを現場へ一機送り、動向を監視させることにする。
観測結果から手に入れたデータを計器に打ち込み、暫くして表示された結果に少女・・・調月リオは表情を歪める。
「観測した力はどれも名もなき神の力に酷似している・・・でも、わざわざ街中の、人目につく場所で力を使ったのは何故?貴女は一体何がしたいの?」
だが、これではっきり分かったことがある。この力の主に対する認識を改めて、警戒レベルを数段引き上げる必要があるということだ。
さっきの映像を再び再生する。彼女は数名の不良と交戦した後に全員を拳で叩きのめした。そして不良の服に触れて光ったと思えば一瞬でその場に衣類を生成した。
数分にも満たない映像ではあったが、計器のデータと照らし合わせてもその時行使された力こそ、名もなき神に関係する物と見て間違いないだろう。
もしもこの力でドローンやオートマタを作り出すことが可能ならば、私達は無尽蔵な軍隊を相手にすることになる。
名もなき神の力を振るい、物体を生み出す力を持つ存在。たとえ今は無害だったとしても、そんな危険因子を見過ごすわけにはいかない。
ましてや、ミレニアム自治区を抜けて他の自治区で暴れられたらこちらも手が出せなくなってしまう。だからこそ、早急に決着を着けなければならない。
彼女の目的がわからない以上、自ら出て確かめるべきである。拘束もしくは殲滅を前提として彼女に接触を図り、真意を明らかにする。そのためにはアビ・エシュフの使用も想定するべきだろう。
通信機を使ってトキに連絡を入れる。
「トキ、聞こえてるかしら?いつでも出れるように準備をお願い」
少しの間を挟んでからすぐさま返事が返ってくる。
「わかりました、リオ様。直ぐに準備いたします」
「わかったわ」
通信機の電源を切り、こちらもドローンの用意を始める。
「どんな手を使ってでも、私はキヴォトスを破滅させる原因を取り除いてみせる」
私はそのために今まで準備をしてきたのだから。
端末を操作する彼女の瞳には揺るぎない決意が宿っていた。
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「どうすんだ。今のところ八方塞がりだぞ」
グルグルヘルメット団を撃退し、ミレニアムの街中を再び歩き出した俺は悩んでいた。今の自分の格好は布一枚のときに比べたらまともになったのだが、それ以外の問題は何一つ解決していないのである。
廃墟から出てきたアンドロイドに戸籍なんてあるはずは無いし当然金もない。かといって金を稼ごうにもこんな怪しい奴を雇おうとするような奴はよっぽどのお人好しか変わり者だろうな。
自分の状況を考えるたびに足取りが重くなっていくのを感じる。
「今日は野宿を覚悟しないとな」
一旦仕事探しは諦めて、寝床探しを始めることにした。当然ホテルに泊まる金なんて持ってはいない。ただ、野宿するにしても雨風を凌げる場所が望ましい。流石に雨が降る中、野宿するなんてのは御免被る。
だが、この街のことをよく知らない俺が無闇矢鱈に探してもそんな場所を簡単に見つけられるわけがない。ただただ時間を無駄に浪費するだけだ。
幸いなことに、今自分が歩いてる大通りには学生やスーツ姿のロボット、服を着た獣人などの通行人がちらほら見える。元いた場所ではあり得ない光景に、驚きが隠せないがこの街ではきっと普通のことなのだろう。
とにかく、話しかければ何かしら情報を得られるだろう。そんな淡い期待を抱きながら手当たり次第に声を掛けることにした。
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「時間取らせて悪かった。ありがとな!」
話しかけた学生に対して感謝を伝えて離れる。
「これで何人目だっけか・・・」
あれから俺は、道行く人に何度も声をかけ、話を聞いてみたのだが、返答はすべて「わからない」や「知らない」といったものであった。
こちらにも変な質問をしてる自覚はあったが、それでも親切に答えてくれた彼らには感謝しかない。先程のヘルメット団のような対応をされなかったのは幸運だった。
拠点になりそうな場所の情報は無かったが、それ以外なら収穫があった。拠点にできそうな場所探しのついでにいい仕事が無いか聞いてみたら、「傭兵はどうか」なんて提案された。
物騒ではあるが敵を殴るだけで金が手に入るなんて今の自分にとって天職ではなかろうか。おまけに身分がなくても大丈夫ときた。
「とりあえず傭兵になることが今の第一目標かね・・・」
ひとまず、詰みの状況を打開できそうな話を聞けただけでも良しとする。
「てか、無理にここで拠点になる場所を探さなくてもいいのでは?」
よくよく考えてみれば、あの廃墟に行けば使われてない建物なんてそこら中にあるはずである。ミレニアムから多少離れていることに目を瞑れば、あちらで探したほうがここで拠点探しに時間を使うよりもはるかに効率的に思える。
「よしっ!仕事の方はまだだけど住居の問題はこれで解決だな。いまから戻って拠点探しでもするか」
仕事探しは一旦後回しにして、俺はこれから拠点とする場所を探すために廃墟へと戻ることにするのだった。
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ミレニアムの市街から歩いて暫くして、俺はまたここに戻ってきた。
「案外、早い帰りだったな・・・」
戻ってきて思ったが人の気配がまったく無い放棄された場所があんなに栄えてるミレニアムのすぐ近くにあるとはまったく想像がつかない。
「時間もあるし、ゆっくり探すとしますか」
そう言って歩き出した俺は突如現れたドローンらしき物に包囲された。空中に浮かぶドローンに続いて、地面を走りながら移動してくるドローンが何台もやってくる。目で見えるだけでも20機以上確認できる。
「コイツらどっから湧いてきやがった!?」
「動かないで」
どこからともなく女性の声が響く。反射的に俺は声の主の方を向く。
そこには長い黒髪に黒い服と白のタートルネックに身を包み、こちらを鋭い視線でみつめる少女が一人いた。
「市街地での貴女の行動をずっと見ていたわ。言い訳は無駄よ。名もなき神に似た力を振るう貴女は何者?そして何が目的なの?」
名もなき神というものは分からないが、名もなき神々の王女と繋がりがあることは確かだ。それに記録曰くこの身体はキヴォトスに攻め込むための尖兵として設計された存在だ。
そんな俺に接触してきたってことは、黒服のように俺を実験対象として確保したいかあるいは排除したいってとこが妥当だろう。
しかもこんなに敵意全開で囲まれてるんだ。どうあがいても戦闘は避けられないだろう。だったら正面からブチ破るだけだ。
「俺は反坂カズハ!シェルブリットのカズハだ!」
「生憎と目的なんて大層なモン無ぇよ!目覚めたらここにいたんだ。俺は俺の好きに生きる、ただそれだけだ。そういうアンタこそ誰なんだ!」
「私はミレニアムサイエンススクール、セミナーの生徒会長、調月リオよ」
ミレニアムの生徒会長だぁ?そんな大物がわざわざ出張ってくるってことは、やっぱり俺の存在は相当な厄ネタみたいだな。
自分についてあれこれ考えているとリオが再び口を開く。
「貴女が持つその力はキヴォトスにとって危険なものよ。例え今は何とも無かったとしても、キヴォトスを滅ぼす可能性を見過ごすことは出来ない。故に反坂カズハ、貴女を拘束するわ」
「キヴォトスを滅ぼすかもしれないっていうアンタの予想は間違ってないさ。現に俺は『名もなき神々の王女』その失敗作らしいんでな」
その言葉を聞いてリオの表情が目に見えて強張る。
「そう・・・なら私の持てる手札の全て使ってでも、ここで貴女を排除するわ」
「実験対象の次は抹殺対象ねぇ・・・ならこっちもとことん抗ってやるよ」
「さぁ始めようぜ!喧嘩だ喧嘩ぁ!」
そう言って俺は拳を握り右腕を天に突き上げた。