WHITE ALBUM2〜幻想は雪に覆われて〜   作:ソナ刹那

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今日はへたくそなギター弾かないの?
---隣のサボリ魔---



3 ピアニストの正体

そして翌日、

 

 

♫Dear Friends

 

 

「・・・・・・」

「おぉ」

「小木曽雪菜です。今日から、軽音楽同好会に入部させていただくことになりました。よろしくお願いします」

 

春希が連れてきたのは、紛れも無い小木曽雪菜だった。

 

「?あの、えと・・・」

「・・・・・・」

「なに唖然としてんだ、武也」

「こいつは、飯塚武也。一応ここの会長。そしてこっちがドラム候補の南条桜太」

「あぁ、あなたが噂の飯塚くん?それで、あなたが昨日ドラムを叩いてた・・・南条くん?」

「あぁ。よろしくな、小木曽」

「ちょっ、春希!こっち来い!」

 

そう言って、春希は武也に連れて行かれた。

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

あぁ・・・リアルヨネさんボイスだ・・・。めっちゃ可愛い声。生小木曽雪菜の破壊力は抜群です。

 

「あ、あの・・・」

「あぁ、ごめん。それにしても、よく参加する気になったな?」

「うん、ちょっと恥ずかしいけど、やっぱり歌うの好きだから。それに北原くん、一生懸命だし」

「そりゃあな」

 

あいつにはあいつなりの目標があるだろうし、春希の性格上、簡単に投げ出したりってことは出来ないだろうし。

 

「それに、あんな上手い歌聞いたら、俺だってどうにかして入れようて思うもん」

「上手いだなんて、そんな・・・」

「謙遜しなさんなよ、歌姫さん。あんたは上手いよ」

「南条くん・・・」

「つっても、あくまで素人の中でだけどな。プロとどうこうていう話じゃあない」

 

と言っても、相手は素人なわけで、要はこっちがどれだけ楽しませられるかってこと。単純に上手いだけじゃなくてもいいということ。それが、学園祭の学生のライブなんだから。

 

「けど、ホント参加してくれて助かるよ。小木曽ほどの美女が参加してくれるってだけでも話題になるのに、プラスアルファ、美声の持ち主だなんてな。ちょっとは前向きになるってもんだよ」

「もう南条くん、褒め過ぎだよ〜」

「ん?別に俺は過大評価しているつもりはないぞ?小木曽は確かに可愛いし、声も綺麗だ」

「〜〜〜〜っ!!」

 

なんか悶えているが・・・少し言い過ぎたかな・・・?

 

「ごめんお待たせ」

 

武也と春希が戻ってきた。

 

「俺が噂の飯塚武也。春希と同じギター担当。歓迎するよ、雪菜ちゃん・・・で、いいよな?」

「あ、よろしくお願いします・・・」

「良くない。小木曽さんと呼べ」

「まぁまぁ、そんな硬いこと言うなよ、春希。こんな女の子のことしか頭にないような、煩悩のみで構築されているような、救いようのないz「もういい!自覚してるけど、それ以上言うと流石に立ち直れないから!」・・・そっか。じゃあそろそろ武也イジメも切り上げるとして・・・」

「今、ハッキリ『イジメ』って言ったな、桜太!」

「・・・揃ったことだし、改めて入部ありがとう」

 

スルーかよ!?とか言っている部長がいるが、置いといて・・・というか、お前が仕切れよ。

 

「一カ月くらい、正直どこまでやれるか分かんないけど、とりあえず頑張ってこうな?」

「はい、よろしくお願いします!」

 

春希、お前も俺よりも適してるだろ?そもそも、俺部外者だし。いや、勝手に仕切ってんのは俺だけど。

 

「それと・・・」

「はい?」

「春希、いいやつだから捨てないでやってくれな?」

「ばっ・・・!!?」

 

面白い顔するな〜春希。

 

「えぇ、いい人ですよね、北原くんって。本気でそう思います」

「ばっ・・・!!?」

 

ま〜た面白い顔してる〜。

 

「ええと!じゃ練習始めるから!小木曽は・・・今日は見学ということで」

「あれ?そういえば」

「なに?」

「今日はピアノの人、休み?」

「へ?」

「・・・あぁ〜」

「ピアノ・・・っ!?」

 

そういえばいなかったな、ピアノ。軽音楽同好会(ここ)には。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♫穏やかに過ぎゆく時

 

 

例のごとく春希は見栄を張った。

 

「正直に言えば良かったんだって」

「最初からピアノはいません、ってな」

「ベースもいないし、ドラムもまだ入ってくれるかわからないってか!?」

「だからって見栄張り続けても、戻れなくなるだけだって」

「・・・・・・」

 

そう。いつかの小木曽のように。

 

「というか、春希って案外単純だよなぁ。いやまぁ、理にかなっているけど」

 

辿り着いた先は、音楽科の教室。「お隣さん」のいた音楽室は音楽科専用だからそう考えるのは妥当だけど・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁ・・・」

 

当然の如く、追い返させられました。

 

「だから言ったのに、連中は謎にプライド高いんだよ。見下してくるって、そりゃ」

「けどな・・・」

「・・・まぁ、元気出せ。温かいココアでも買ってきてやるから」

 

そう言って、春希一人を置いて、俺は教室を出た。・・・正確には春希ともう一人、を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸一日後、春希はなんか決心している。

 

「なんかあったときは、よろしく頼むな」

「あぁ・・・」

「そりゃあいいんだけどさ・・・」

 

例の「お隣さん」が練習を再開した時だった。

 

「じゃ」

「春希、一度自分の格好を見直さないか?」

「俺から見れば、春希の身には既になんかあったぞ」

「お前ら・・・そういうこと言うなよ」

 

 

♫SLAPSTICK STREET

 

 

何をしようとしているか簡単に説明すると、普通に待ってても相手してくれないだろうから、体にロープを巻きつけて窓からアプローチしようとしている、見た目おかしい春希くんが窓に足をかけている現状。

 

「お前の頭になんかあったな、間違いなく」

「桜太に関しては多いんだよ!そういう発言が!俺の決心が鈍くなるだろ!?」

「こんな程度で鈍くなるような豆腐ハートなら、最初からするなっての」

 

正直、マジで危ない。こんなことで怪我って、呆れて笑うことも出来やしない。

 

 

 

 

 

 

 

「下から見たら、どんなだろうな〜」

「・・・呑気だなお前」

「そういう武也こそ、やっぱり親友の身は心配ってか?」

 

今、春希くん頑張っています。

 

 

♫綺麗で儚いもの

 

 

「そりゃ、俺も心配だけどさ。あいつ、意地でもバンドやるんだろ?何としても、ピアノのやつを巻き込むんだろ?あいつがやるって言ったんだ。それだけ信じてればいいんだよ」

「・・・お前も大概だよ」

「かもな」

 

というかここで怪我してバンド出来ませんてなったら、死ななくても俺がやるぞ?いや、マジで。

 

「こらぁそこ!何をやっている!」

 

教師の怒声であろうものが聞こえる。

 

「あっ・・・」

 

そして当の本人は、

 

「春希!?」

「おい!!」

「あ、あ、あっ、ああああぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!?」

 

俺がいいこと言ったそばからそれかよ!?俺のせいでフラグ立ったってか!?

下で教師が騒いでる。多少なりとも生徒も。

 

「・・・・・・ろ?」

 

春希が何か言っている。

 

「・・・ったのか・・・」

「おい春希、なんだって?」

 

俺たちの呼びかけが聞こえないのか、春希はずっと音楽室の中をずっと見ている。

 

「あのピアノ、お前だったのかぁ!?」

 

その言葉の先には、

 

「冬馬・・・」

 

「お隣さん」は「クラスのお隣さん」だった。

 

「北原・・・何やってんだよこの馬鹿・・・」

 

 




連休だったから割と早く投稿。
♫マークは推奨BGM。と言っても、ゲームのとほとんど同じですが。やっぱりホワルバに音楽は欠かせないですからね。
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