WHITE ALBUM2〜幻想は雪に覆われて〜   作:ソナ刹那

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だってあなた、隣の教室でギター弾いてるのが北原くんだって、知ってたから、一緒に弾いてたんだよね?
---新たに増えた頑張ってる人---



4 彼女を巻き込むために

♫いつか見た景色

 

 

「・・・で、冬馬に蹴られて嬉しかったと?」

「誰がマゾだ!?誰が!!」

 

教師連中から、怒られた・・・というより、注意を受けた春希と冬馬。その後遭遇した小木曽に、冬馬をキーボード担当と偽ったわけで。

 

「キレてるぐらいなら、同じく怒ってるだろうあの人についていけるようにしろって」

「・・・っ、分かってるって」

 

本気の冬馬かずさの演奏に、見事に置いてけぼりだ。

 

「というか、やっぱり音楽科だったんだ」

「道理で見かけなかったわけだ」

 

元々音楽科だった彼女は、音楽科内でいろいろ問題を起こした。問題といっても、ケンカとかそういうジャンルではなく、人付き合いだ。

優秀だった彼女は、母親がかの有名な冬馬曜子なのもあってか、教師からは贔屓され、そのおかげでクラスの連中からは総スカン。しかも、あの性格。どんどん関係は悪くなっていった。そんな性格になった理由も理由で、少し可哀想だけど。

 

「で?入れるの?」

「・・・入れる。何としても参加してもらう」

 

あんな音を聞いたら、そんな気になるのも無理はない。それだけじゃないんだろうけど。

 

「小木曽は?ちゃんと説明するんだろうな?」

「もちろん。説明して、謝って、そしてやっぱり参加してもらう。どうしても、2人とも必要なんだ。どっちも大切なんだよ」

「それって明らかに・・・」

「第三者が聞いたら、絶対二股宣言に聞こえるだろうな」

「うるさいな、お前ら」

「けど、これで俺の参加も目星がついたわけだ」

「いや、そのもう一歩が果てしなく辛いんだけど・・・」

 

冬馬を誘うのは、確かに根気がいるだろう。でも、入るよ、あの人は。

 

「頑張ってくれよ、春希」

「任せとけ。お前も絶対巻き込んでやるからな!」

 

あぁ、楽しみにしてるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい春希!さっき俺↑の方で頑張れって言ったばっかだろうが!何さっそくやらかしてんだよ!」

「俺だって分かんねえよ!」

 

冬馬の逆鱗に触れたらしく、追い返された春希くん。先が思いやられる、ホント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たまたま近くを通っただけ、なんて理由もきっとこの場合無理があるのだろう。家とは方向が違うのだから。

 

「すみません・・・」

「はい、なんでしょう・・・あっ」

「・・・やっぱり小木曽か」

 

小木曽がバイトしているスーパーに通ってみた。

 

 

♫Dear Friends

 

 

「どうして分かったの?」

「前、たまたま通ったときに、なんか歌姫に似てる子がいるなぁって。で、今回声かけたらビンゴってわけだ」

 

スーパーの近くの公園。少し抜けてもらってこうやって話してる。

 

「南条くんといい北原くんといい、なんで分かっちゃうかなぁ・・・」

 

俺的には、なんで分かんないのだろう?

 

「やっぱり春希もか。というか、春希から聞いた?キーボードの件」

「あ、うん。冬馬さん・・・だっけ?どうしてもあの人にやってもらうって」

「あぁ。それで、小木曽は?結果的に騙してたわけだけど」

「騙してたなんて・・・。私が勝手に同好会のメンバーだって、勘違いしてただけだよ」

「勘違いしてたのを分かってて、言わなかったんだから俺たちも悪いって。・・・これ以上は言い合いになるだろうから、ここでストップ」

 

いつかの春希と小木曽のように、中々に我が強い。

 

「で、小木曽はどう思った?」

「何が?」

「ぶっちゃけ、ムカついたろ?」

「え・・・?」

「やたらと冬馬のことを嬉しそうに語るだろ、あいつ。まるで自分のことのように」

「・・・確かに。北原くん、本当に冬馬さんとやりたいんだって思った」

「・・・妬いてる?」

「・・・妬いてない」

 

あからさまだなぁ、おい。そんな顔しながら言われても説得力ないんだけど。

なんとなく、小木曽の頭を撫でる。

 

「え、ちょ、南条くん?え?」

「そう、拗ねてんなって。あいつ自身、単純に参加して欲しいんだろうけど、そんな感情だけじゃないよな、明らかに」

「・・・やっぱり?」

「やっぱり、てことは小木曽もそう思ってるんだよな。いや、絶対そうだろう。ま、あのヘタレがどうこうできるとは思わないけど」

 

そう言って、小木曽の方を見る。

 

 

♫言葉にできない想い

 

 

「自分の前で、自分以外の女の子の話されるのが嫌なの?」

「もう、そんなんじゃないって・・・」

「そうやって不貞腐れてる顔も可愛いなぁ、ホント。それ、わざとやってる?」

「そんなこと・・・」

「なぁ、小木曽」

「・・・なに?」

「今の小木曽が、ホントの小木曽?」

「え?どういうこと?」

「俺が知ってる小木曽ってこんな性格じゃないからさ。誰にも礼儀正しくて、いかにもお嬢様みたいで」

「・・・・・・」

 

実際そうじゃないことは知っている。けど、あくまで今の俺が知ってるのは、仮面を被った小木曽雪菜。

 

「言い換えればそれって、誰にも一定の距離を取ってるということだろ?だとしたら、今俺にそんな表情を晒しながら喋ってくれるっていうのは、少しは心許してくれてるって解釈していいのかな?」

「南条くん・・・」

 

立ち上がって、小木曽に手を差し出す。

 

「合ってるなら、少しはやりやすいな。出会ってばっかの俺に、それなりに友好な感情を示してくれると」

「うん。南条くんもいい人だと思う。なんだかんだ北原くんのことも心配しているし」

 

まぁ、主人公だしな。

 

 

♫いつか見た景色

 

 

「そういえば、南条くんって正式メンバーじゃないの?」

「あぁ・・・それか。おう、その通り。俺が入る条件として、俺以外に2人以上の参加。ボーカル含めてで」

 

そういえばそのことも黙ってたな。察するに、春希が言ったのだろうけど。

 

「それはどうして?」

「う〜ん・・・理由は言えない。つっても単純に、中途半端がヤなんだよ。俺が入ったって、ボーカルいなきゃ意味ないだろう?そんな程度だよ」

「ふ〜ん、本当に?」

「・・・ホントに」

 

妙にするどいな。WHITEALBUM2を再現したいから、なんて理由で納得してもらえるわけもないし。

 

「けど、小木曽が入ってくれた。冬馬も春希が絶対に参加させるって言った。だとしたら、俺の正式参加ももうすぐだな」

「・・・南条くん」

「ん?」

「なんでそんなに嬉しそうなのに、快く参加してあげないの?」

 

理由はさっき言った・・・ていう言い訳は通じないんだろうな。そういうことじゃない。

確かに、今となっては何を頑固になっているのだろうって思うけど、当時のことを考えるとあの頃、俺が入るのはいけない。もし俺が入って、冬馬が入らないとなると話が進まない。小木曽はまだ確率が冬馬よりは高いだろうが、それでも危険なことに変わりはない。

 

「確かにな・・・。正直、自分でも過度になりすぎてるかもとは思う。けど、俺も今じゃ小木曽とやりたいし、冬馬ともやりたい。・・・こんなことになるってわかってたんかなぁ」

 

当然、未来予知など出来るわけもなく、ただの言い訳だと分かっているだろうに、小木曽は、

 

「・・・そっか。うん、私も南条くんや冬馬さんと一緒にやりたい!」

「おう。まぁ、どちらにしろ春希次第ということで」

「うん、期待して待とっか?」

 

そこは原作通りに頼むぜ、春希。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

春希は説得に失敗した。

 

「やっぱりそうだよねぇ」

「やっぱりそうだよな」

「・・・2人してなんなんだよ・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♫Dear Friends

 

 

「・・・面白い?・・・可愛い?」

「あぁ〜ちょっと分かるかも」

「向こうにはちょっと印象悪く写っちゃったかもしれないけどね。ははは・・・」

「・・・悪い。俺の言ってる冬馬かずさって、うちのクラスの冬馬かずさなんだけど」

「そんなこと分かってるって。なに?他のクラスに他の冬馬かずさがいるの?」

「北原くんが紹介してくれたんじゃない」

 

どうやら昨日、小木曽は冬馬と話したらしい。・・・あの、小木曽が一方的なシーンだ。

 

「俺ってそんなに「あぁ、持ち上げてたぞ」・・・マジ?」

「マジ」

「・・・やっと気づいた?」

 

自分でも、気づかないところで惹かれてるんだろうな〜。

 

「けど『可愛い』は言ってないよな?それは間違いないよな?」

「見苦しい言い訳はみっともないよ?」

「女々しいなぁ、春希は。今更言い逃れなんて」

「いや、だから・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「全面的に俺が悪いですから許してください!」

 

春希が先に折れました。

 

「・・・北原くんと話していると、自分の性格が歪んでいくのがよく分かるよ」

「俺も歪みすぎて、えらいこっちゃだ」

「そんな馬鹿・・・って桜太、お前に関しては全く俺は無関係だ」

 

そして必死になって弁解しようとして、結果的にまた冬馬を持ち上げてる春希。ホントにお前は・・・。

 

「もう、どうしてくれようかなぁ」

「いっそルール作るとか?『冬馬のこと喋ったら、一言につき1万円』とか?」

「ケタがおかしいだろ!?俺、何にも喋れなくなるぞ!?」

 

それならそれでいい。

 

「・・・じゃあ、どうにかしてもらおうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♫冬の街路樹

 

 

「どこか行きたいところでもあるのか?」

「・・・まぁ、いちよ、ね?」

 

『明日、四人でどこか出かけない?』という提案を小木曽がした。少々強引な話だが、それくらいした方がいいのかもしれない。まだ冬馬はメンバーじゃないのに。『まだ』。

 

 

「ふ〜ん、というかやっぱり積極的だな、小木曽って。春希に伝えた伝言って、あれほとんど脅迫じゃねえか」

「ははは・・・」

「昨日何を話したんだよ・・・」

 

実際は知っているが、結構気になる。

 

「というか、俺も参加していいの?」

「何を言ってるの!当たり前じゃない!南条くんがいなきゃ始まらないじゃない」

「その台詞、軽音楽同好会会長の武也くんに聞かせたら、あいつ泣くかな・・・」

 

で、その後。春希くんが、見れば一瞬で取り引きが成功したのだろうと分かる、ニコニコな顔で戻ってきた。

それを見た小木曽が、少し不機嫌になったのは言うまでもない。

 




桜太くんのキャラがわけわからないことに。
なんか乙女ゲーのキャラみたい。
悪く言えば、ナルシみたいな?
今回は、いろいろな事情で書いてることに統一感がないですが、今後ともよろしくお願いします。
とりあえずは、桜太くんを制御しないとな。
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