転生した現代人に異世界は辛すぎた   作:抹茶好きの紅茶

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設定開示パートです。
次回から物語ベースに戻ります。
適当に流し読みして、はえーそんなんだー(^o^)<脳死
ぐらいに流してもらっても構いません。


魔法……つまいチェストにごわす!

「つーわけで、魔法教えてくれ」

『待て待て、なにがどういう訳だよ……』

 

 どうもこうも、一昨日孤児院を抜け出して大目玉を食らったエイリル・アタデアです。

 今日はしっかりとマザーを言いくるめ……もといO HA NA SHI をして、夕暮れ時には帰ってくる事を条件に、悪魔のいる洞窟へと足を運んでいた。

 昨日はタエフさんの下で農作業に従事していたせいでお預けを食らってしまったのだが、幸いなことに今日は休日!つまりフリー!

 

『お、おう。そりゃあ何よr「魔法教えて!」人が話してる途中でしょうが!』

「お前悪魔だから人じゃないだろ、さっさと魔法教えて」

『ひっでぇ!それが人様に教えを乞う態度かよ』

「そういう契約だろ、魔法教えて」

『いやまあ、それはそうなんだが……こう、会話をだ「魔法教えて」オイ!BOTじゃねぇんだから』

「魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えてちくわ大明神魔法教えて魔法教えて誰だ今の魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて魔法教えて」

 

『こっえぇ!ホラーかよ!?一旦落ち着けやァ!』

 

 テンションゲージが1440度ぐらい回転してそうな程ハイテンションなエイリルに嫌気がさし、表情豊かな蝙蝠──フェーレスは、翼を広げ『キーーー!』と一鳴きする。すると、その声が洞窟内に響き渡ると共に、エイリルの様子が変化した。

 コメント欄を荒らすが如き勢いで、同じ言葉を連呼するエイリルはピタリと口を閉じ、腕を力無く垂らす。

 只でさえガラス玉の様な目は、更に生気の無い虚ろなものへと変わり、閉じた口の隙間からは涎が垂れていた。

 

『ふぅ……ったく、この状態だと魔法ポンポン使えねぇっつーのによぉ』

 

 少しげっそりとしたフェーレスは、呆れた様子で両翼の第一指をペチペチと叩き合わせる。その行動に伴い、エイリルの目にハイライトが戻ってきた。

 

「ハッ……私は何を」

『オイコラ、何知らぬ存ぜぬで流そうとしてんだ。記憶バッチリ残ってんだろうがよォ』

「……てへっ☆」

『てへっ☆っじゃねぇーよ!』

 

 ふぅ、スッとしたぜぇ……んー、やっぱ転生してから精神が幼くなってる気がする、身体に引っ張られるとかあるのかね?

 

『そりゃ魂が入れ物に引っ張られるからだろ……良い機会だ、魔法を教える前に魂やマナについて諸々説明しておくか』

 

 フェーレスは何処からともなく伊達眼鏡と博士帽を取り出し身に付ける。おい待てどっから出したんだそれ

 

『そりゃあ魔法で』

「そうポンポン使えねぇって話どこいったよ」

『……はなく、そう!不思議パワーだ!』

「魔法自体が不思議パワーだろうが」

『まーまー、こういうのは形から入った方が分かりやすいだろ?教えてフェーレス先生~ってな感じで』

「んなノベルゲームじゃねぇんだから……」

 

 本当に先程の話はなんだったのか、ついには自身の見た目を変えるだけでなくホワイトボードまで取り出したぞコイツ

 

『ま、それっぽいだけで別物だがな。あとコレに関しては昔作った奴を取り出しただけだから、そこまでマナ使わんしセーフよセーフ。……マジックは書けるし消えるな、ヨシッ!さっすが異次元収納魔法先輩、1000年以上たっても変わらぬ品質!

 さて、ほんじゃま始めるぞー。教えてフェーレス先生~』

「結局それで通すのね……」

 

 フェーレスは器用に翼を使ってホワイトボードに絵を描きつつ、ペラペラと分厚い本のページを捲りながら半ば棒読みで語り始める。

 

『まずは魔法や魂について語る上で欠かせないマナについて話すぞ。

 マナってぇのは簡単に言えば不思議パワーの源だな。大なり小なり物体に一定量溜め込まれる性質がある上、空気中にも漂っているから、特例を除き、至るところに存在すると言えるな。えーっと……そして、全ての生物の頭の中にはマナを生成する器官が存在する。(以後マナ生成炉と仮称)

 生物は体内で生成されたマナを一定量まで保管し、一定量を越えた場合は体外へと放出される。保管できるマナの総量を増やすこと、生成速度を上げることは、どちらとも身体のマナを大量に減らすことで可能となる。これは身体に必要なマナの量が少ないと判断した……あー、理論部分ややこしいから飛ばすわ。

 なになに?生物は、意識的に身体のマナを消費することで、魔法の使用や身体の強化が可能である。生物は常時、無意識の内に身体にマナを循環させており、身体機能の強化や補助を行っている。そのため身体のマナが枯渇すると、一時的に疲労や吐き気、めまいなどの不調が引き起こされる他、身体機能が低下する。また、マナ生成炉を破壊された生物はその時点で生体機能の全て停止させ、蘇生も不可能となる……らしいぜ!……っぜぇ、ぜぇ、はっ、はぁー……ふぅ

 

 フェーレスは息を切らしつつ、持っていたペンをホワイトボードの粉受けに置いて、マナについての長々とした説明を終えた。

 SAN値が減りそうな黒いグルグルが描かれたホワイトボードの前に立つフェーレスの顔にはどこか達成感があるようだが、この後に魔法と魂云々の説明があることを忘れてはいないだろうか、この蝙蝠……

 

「そんな堂々とカンペ見ながら説明されるといっそ清々しいな…………OK。咀嚼するのに時間がかかったけど、マナについては大体分かった」

 

 フェーレスが画伯であることもな……いや、本当になんなんだろねアレ、ダークマターかブラックホール?

 

『よぉし、それじゃあ次は魂についてだな』

「……それも長い?」

『まあまあだな、大体300文字ぐらい』

 

 うげぇ………

 

『んな嫌そうな顔すんなって。まー詳細省いて簡単に言えば、魂ってのはソイツの生涯全てが詰まった情報の塊だ。

 もっと言えば、魂ってのは情報が込められたマナの塊でな、さっき話したマナ生成炉を持ったモノ全てに存在する。時には、魂が霧散しきれず空気中を漂ったり、マナが密集して生まれる場合もあるがな。イメージはあれだ、容器に入れる水みたいなもんだと思えば良い。容器に関しては、マナ生成炉があるのなら何でも良い。生物に限らず、水でも石でも骨でもなんでもだ。

 容器に入った水は、当たり前だが容器を満たしてその形になるだろ?魂も同じようなもんでな、容器に適した形へと変形する。お前さんの精神が幼くなっているのも多分それが原因……いや、単純に素って場合もあるが。

 ……話が逸れたな。つってもほぼ話したんだが……ああそうそう。魂を持った容器が死ねば、魂は空気中に霧散して消える。マナの塊だからな。ま、魂云々に関してはこんなもんか』

「………………グゥ」

 

 フェーレスはホワイトボードから目を離し、エイリルの方に振り返る。まあ、なんということでしょう。そこには口からは涎を垂らし、鼻ちょうちんをこさえた少年の姿が……

 

 フェーレスはわなわなと全身を震わせ、エイリルの耳元へと移動する。そして異次元からメガホンを取り出し、スイッチを入れ、己の口元へと運ぶ。

 

すぅーーー寝るなァー!!!!!

 

 キィーーーーンという音と共に、洞窟内を轟音が支配する。

 その音は洞窟の外まで届き、森の中からはバサバサと音を立てて、鳥達が飛び去っていく程である。

 

 そんな音を超近距離で聞かされたエイリルは

 

「……ぁ……が…………っか…………し、ぬ……」

 

 泡を吹いて気絶仕掛けていた

 

 因みに、フェーレスが取り出したのは、1189年前に転生者が作り出した寝起きドッキリ用メガホンだ。

 メガホンはとてつもない技術が込められたオーパーツ(悪ノリの産物)であり、どれだけ大きな音を立てたとしても、聞いた者の命に別状はなく、決して後遺症は残らず、絶対に傷をつけないといった優れものである。

 

「つぅ、冗談じゃん!一応聞いてたって!……七割ぐらいは」

 

 あー、頭ぐわんぐわんする……全く、年寄りは話が長いというが三千年も生きていればここまで長くなるものなのか……

 

『誰が年寄りだ誰が!……ったく、おら、お待ちかね魔法についての話に移るぞ』

「おお!」

『コイツ……はぁ、良いわ諦めた。つーかお前やっぱり今日テンション可笑しいだろ、どんだけ魔法気になってたんだよ』

「908日ほどお預けくらってたもんで」

『きっしょ、なんで日数単位で覚えてんだよ……』

 

 良いだろう別に、マザーに魔法の存在を教えてもらってから瞑想などをしてみたものの効果は無し。半ば諦めていた所に教えてやるなんて話が来ればそりゃあ可笑しくもなる。いや可笑しくならないことはありえない!※そんなことはないです

 

『おーし、テンション可笑しくなり始めたな、もーいっかいアレ食らいたいかァそうかァ』

「やーマジ勘弁してください」

『恐ろしく速い土下座……!』

 

 両翼を肩を回すがごとく振るうフェーレスの姿を確認し、ゼロコンマ四秒の時点で正座の姿勢へと移行。そのまま両手を前に突き出し頭を下げた。いやホントアレくらったら全身の感覚失くなってSAN値1d6削れるぐらい気持ち悪いんで止めてください。

 

『お、おう……って、まーた話が脱線してら。話戻すぞ~

 魔法についてだが、端的に言えば"想像を現実にする力"だな。その力を使うためには、使用者の身体に存在するマナと、空気中に漂うマナを消費すれば魔法を使えるようになるぞ。まー空気中のマナは大して消費しねぇがな。なんでも、昔使われてた魔法の名残でそういう風になってるらしいぜ』

 

 ふむ、成る程。わりとイメージ通りのTHE魔法的な感じか。

 

「あ、そういえば属性ってのは?」

『ん?ああ、さっきマナ生成炉の話はしたろ?生成炉から出るマナには"色"があってな……そう、分かりやすく伝えるとアレだ。果実水』

 

 果実水?果実水と言えばアレか?水にフルーツ沈めてうっすら味をつける──

 

『そう、それだ。マナ生成炉は水が延々と出てくる蛇口で、身体──容器の中には、特定のフルーツが沈めてある。

 そして、沈めてあるフルーツは、人によって量や質、種類が異なってる訳だ。そのフルーツの種類が属性ってなイメージでどうよ』

「いや、どうよと言われましても……まあ、なんとなくは分かったけどさ」

 

 これもまあ、ゲームやファンタジー作品でよくある設定なのである程度は伝わるが……

 

『ほんで属性が魔法にどう関わってくるか、すっげぇザックリ言うとな?己が持つ属性に合った魔法を使う場合。マナを百消費して、千の威力が出るとする。もし、その属性以外の魔法を使う場合、マナを百消費して十の威力が出る。ってな感じだ。要は自身の属性に合った魔法を使う場合は低燃費高出力で、属性外の魔法を使う場合は高燃費低出力になるって訳よ』

 

 ほーん、成る程。三割方理解できた。

 

「……で、結局私はどうすりゃ使えんの?」

『まずはマナを理解するところからだな。ほれちょっと腕だしてみ』

 

 ……少し嫌な予感がしつつも、ちょいちょいと翼を動かすフェーレスに腕を差し出す

 

 フェーレスは差し出された腕に両翼を巻き付け──

 

 バチィッと、全身に雷が落ちたかのような痛みが走る。やっぱりねぇー!!!嫌な予感がしたんだよなァー!!!

 

『待て、集中しろ。イメージだ。全身を駆け巡る液体みたいなのを見つけて捕まえろ』

 

 んなこといったって、アイタタタタ!‼

 

「ストップ!一旦ストーップ!」

 

 痛みに耐えきれず、腕に引っ付いているフェーレスを引き剥がし、引っ付かれていた腕を擦る。

 ……と、同時に気がつく。言語化しづらいが、確かにナニカが流れているのだ。

 

 集中、目を閉じて、流れているナニカを知覚しようとする……が、そうそう上手くはいかない。流れている。確かに流れてはいるのだが、そのナニカが掴めないのだ。

 うーむ、もどかしい、針に糸を通す時ぐらいもどかしい

 ……Hey ジョニー、スレダー(糸通し器)持ってない?

 

『残念ながらそんな物は無いんだボブ!恨むなら才能のない自分を恨め』

「コイツ使えないですわ~」

『使えないのは才の無いお前ですわ~前世の行いを悔い改めましてよ』

「別に悪行積んでないんだけどー」

『善行も同じように積んでねぇからだろ』

「HAHAHA!……中々痛いとこ突くねぇ!」

 

 脳を溶かして会話をしつつ、どうにかこうにか掴もうとするが……ンンンンンンンン!無理!

 

『……ま、残念だが、その感覚を掴むまで魔法はもう一回お預けだな』

「マジっすか……」

『大マジ』

 

 f××k!

『止めとけ、そういうとこだぞ』

「悪魔に正論言われてらァ」

『お前さんどういう感情でいってんだそれ……』

 

 何はともあれ、使えないのならしょうがない。地道に見つけてゆくしか無いのだろう。

 

『ま、進展があれば来てくれ。勿論遊びに来るだけでも大歓迎だが……どーせお前さん、何も用がなければここまで来ねぇだろ』

「よくお分かりで。んまー、了解。また来るぅ……あーあ、早く俺TUEEEしたい……ちやほやされたい……」

『なんて俗すぎる願いだ……』

「別に良いでしょうがー!」

 

 とはいえ、そこまで成長するまでは中々一筋縄ではいかなそうなのが不満にござる。ええい!仕方がないので今日は帰る!

 

「今に見てろ……!一週間と経たずに習得してきてやる!」

『なんで喧嘩腰なんだよ』

「え、ノリ。んじゃまた進展あったら。今日はお世話になった上、御迷惑かけまして」

『いやホントにね。まあ俺様も俺様で良ーい暇潰しが出来たぜ』

 

 軽口を言い合いつつ一緒に洞窟の入り口まで歩く。どうやらフェーレスは律儀に見送ってくれるようだ。

 丁度、日の光が入ってくる辺りまで進むと、突然フェーレスが口を開いた。

 

『あ、そうそう。伝え忘れてたが……俺様がお前にマナ流した時、運が悪ければお前さん爆発して死んでたから。絶対真似すんなよ~!んじゃ!

 

 急に捲し立てるように話だし、言い終わると共にボフンと音を立てて、蝙蝠は嗤いながら消えた

 ……私がその言葉を理解するまでに三秒。息を吸うまで二秒。そして大きな声を出すまで──

 

 

「…………ハァーーーーーーー!!??」

 

 一秒と掛からないのであった。

 







多分出ることのない裏設定的な何か

魔法
 この世界では、使用者の身体に存在するマナと、空気中に漂うマナ(魔力やらMP)を消費し使用される。
 必要なマナの量は、使用者の願いを世界が読み取り、その願いを叶える為に必要なマナを決定、足りなければ発動しないか劣化して発動される。
 作中においての魔法とは元来、空気中に漂うマナを主として使い、どんな願いでも叶える事が出来る術であった。しかし、過去において■■■以外の者に魔法の使用権が移ったことで濫用された結果、空気中のマナが減少、以後大量のマナを使用する魔法は使えなくなってしまった。
 生活基盤において、あらゆる場面で使われてきた魔法が使えなくなり、次第に生物達は退化、ないし進化していった。

属性
 空気中のマナが減少した為、それに生物が適応すべく進化するにあたり■■■■■■■■■■■発生した。
 適正外の属性を使う場合は、マナを大量に消費しなければならない上、威力もショボい。
 しかし適正があれば、マナを少量消費することで中々の威力を出すことが出来る。
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