地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「とりあえず、ゾンビを狩ることをメインで狙って行こう。先立つものが必要になると思うし」
地獄宿のロビーで、地獄ガイドを開きつつ打ち合わせ。
「そうですね。まずは装備を整えないと駄目ですし」
水畑さんもそれは異論無い。
現在の所持マッカの差から考えれば当然だよね。
とりあえず、1万マッカくらい稼いでから、それからだな。
そんなことを考えて、ロビーのソファに背を預けて頭の中でプランを組み立てる。
……できれば今日中に1万マッカを稼ぎたいな。
悠長にやってる時間は無いかもしれないし。
そのときだ。
「いらっしゃいませ」
この宿の主人の黒髪ショートの赤い眼のメイドさん。
彼女が挨拶の言葉を言ったんだよね。
……誰かに。
そんなの、決まってる。
俺は振り返り、その人物に目をやった。
それは……
ムキムキの、筋肉男だった。
髪はちょっと長め。ウェーブが掛かってて、もじゃもじゃしてて。
太い眉、鷲鼻。四角い顎に長い顔。
背も高い。
上は白いTシャツで、下はジャージ。
え? 体育教師?
イケメンでは無いが、男臭い容姿だった。
……彼は一瞬こっちに視線を向けて
「宿を貸してくれ」
そう一言。
「こちらをどうぞ」
そしてメイドさんの料金表を受け取って。
それきり、こっちに視線を送って来なかった。
あの男性、8人のうちの1人か……
彼はどういう理由でこの地獄に堕ちて来たのか不明だけど。
戦わないといけないんだよな。
水畑さんは奇跡的にそうじゃなくなったけど……
彼はまず、そうはならない。
たった1つの椅子を巡って、椅子取りゲームに挑まなきゃいけないんだ。
願わくば……
地獄に来るに相応しい人間でありますように……
俺はそう、祈ってしまった。
「お金持ちのボディコンゾンビがそっちに行きましたよ!」
街の外の荒れ地で。
俺たちはゾンビ狙いで狩りを繰り返していた。
ゾンビの中には血色が良くてまるで生きているような姿をしたのがいる。
そいつは、昔の若い女性が好んで着ていた……ボディコン? それを着ていて。
俺たちはボディコンゾンビと呼んでいた。
このボディコンゾンビ。
こいつが特にたくさんマッカを持ってて。
1体で600マッカも入るんだ。
……まぁこいつは麻痺毒を持ってるから、そこは気をつけなければいけないけど。
水畑さんのケイローンがあるから、万一喰らっても特に問題は無いんよな。
治してもらえる。
「ゲンサイ! 一刀両断で頼む!」
『おお!』
俺のペルソナの黒装束の仮面剣士は、ボディコンゾンビの討ち洩らしに突撃し。
袈裟懸けの斬撃を浴びせて斬り捨てる。
そのボディコンを着た女ゾンビは
「ヒアアアアアア!」
悲鳴を上げて、塵になり、消えていく。
……俺は亡者の腕輪の表示を見た。
1万2247マッカ……
十分、貯まったな……!
メダリスト。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。