地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

16 / 101
第16話 その男、鴨志田

「アンタ誰だよ!?」

 

 俺は右手首を握り、ペルソナを出す構えを取る。

 この場に現れた1人の逞しい中年男……

 

 そのガタイに見合う武器……戦斧を両手で握り、その頭上にペルソナを発現させている。

 

 青い学者か神官服のようなものを身に纏った、白い仮面の男性。

 頭に冠のようなものを被っている。

 

 突然の出現に対応に迷い、動けなくなっている俺たちに。

 中年男は名乗った。

 

 自信満々に

 

「俺様の名は鴨志田卓だ! 聞いたことあるだろう!?」

 

 鴨志田卓……?

 

 誰だそれ?

 

「知らないよ!」

 

 俺は正直に答えた。

 すると

 

「何だとキサマ!?」

 

 そんな俺の正直な言葉に、この……鴨志田とかいうオッサンはブチ切れる。

 

「この金メダリストの鴨志田を知らんだと!?」

 

「金メダリストはすごいけど、この世に一体何人金メダリストが居ると思ってんだ!?」

 

 4年に1回、大量に出現するのに、日本人全員が把握していると思う方がどうかしてるだろ!

 俺の考え、間違ってんのかね!?

 

 だけど鴨志田は明らかにイラついた表情を浮かべ

 

「まぁいい! 男は殺す!」

 

 俺に向けて戦斧を向けて

 

「行け! チュウオウ!」

 

 ペルソナに攻撃を命じた。

 

 ……チュウオウ?

 

 ひょっとして紂王(チュウオウ)か?

 

 そっちは俺は知っていた。

 あれだろ?

 

 超古代の中華王朝・(イン)の最後の王様だろ……?

 暴君って話で。

 

 酒池肉林って言葉の語源になったことを実際に行ったとか。

 ものすごい処刑方法を沢山考案したとか……

 

 まぁ、王朝最後の王様は、悪く書かれるのが歴史の常なので、盛られてる可能性は大いにあると思うけど……

 

 とにかく、この男の本質が、紂王を象徴に出来るってことなのか。

 メインペルソナがそうであるってのは、そういうことだ。

 

 鴨志田の命令を受け、チュウオウは俺に向かって右手を向ける。

 

 そしてそこから火炎を放射した。

 

 ……炮烙(ほうらく)酒池蠆盆(しゅちたいぼん)……

 

 火刑の一種である炮烙由来かな。

 火炎攻撃は。

 

 だったら後は、敵を酩酊させるとか、毒蛇の毒を与える技もありそうだ。

 

 そんなことを考えつつ、俺は火炎を避ける。

 俺のメインペルソナのゲンサイは火炎に弱い。

 

 ……絶対に貰うわけにはいかない。

 

 で……

 

 チュウオウの弱点って何だ?

 火炎を使うから氷結か?

 

 正解が読めない……

 

 火炎使いに突っ込む決断に悩み、相手の弱点の予想に苦しみ。

 俺は相手の出方を伺う。

 

 そのときだった

 

「おい! 俺様の方につかないか!?」

 

 鴨志田が……

 

「大丈夫だ! 俺様はお前を殺さない!」

 

 水畑さんに目を向けて、ニヤつきながらそんなことを言い始めたんだ。




次回、鴨志田の真意を語る。

本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。