地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「嘘を吐くな!」
俺は反射的に叫んでいた。
あり得んだろ!
この戦いはバトルロイヤル。
勝ち残れるのはたった1人のはずだ!
俺のそんな叫びに、鴨志田はウザそうな視線を向けて
「お前には言ってない。俺様に意見するなガキ」
言い捨てて、水畑さんに表面上は優し気な声で
「俺様はな、この戦いに勝ち残って復活しようとは特に思って無いのよ。……俺は別にあっちの世界に未練は無いんだ」
何故って、こっちの方が素晴らしいだろどう考えても!
住居はホテル、食事は食堂! 映画館、本屋もある!
そしてそのための費用は、外のエリアで悪魔を殺せば稼げる!
ここは地獄じゃない!
天国だ!
不満は人間の若い女が居ないことと、邪魔な男が居ることだ!
だから俺様と一緒に来い!
俺様たち以外を皆殺しにして、この天国で2人で楽しく暮らそうぜ!
鴨志田は
……そんな、自分の願いを並べ立てた。
これにはきっと、嘘はないな。
本心を言っている。
……地獄ガイドには、バトルロイヤルの期限は一切書いてなかった。
ということは……
ここで永久に生きていくという選択肢も取れると思う。
現世に復活する気が全くないならね。
「……あんたには、現世に残して来た大切な人は居ないんだな……?」
確認?
それとも判断だろうか?
自分以外の大切なものが無い人間は価値が無い。
俺はそう思ってる。
そんな俺の言葉に鴨志田は
「あんな奴らどうでもいいわぁぁぁ!」
激昂したんだ。
そして
「あいつらは、俺様が大変なことになっているときに俺様を突き放した! 手を差し伸べなかった! どうなろうと知ったことか!」
怒りの表情のまま、身の上をがなり立てる。
やれ、自分の指導がセクハラだと女子生徒が騒ぎ始めたとき、誰もその女子生徒たちを糾弾しなかったとか。
女子生徒が警察に駆け込んだとき、警察は女子生徒ばかり証言を取り上げ、自分の言い分は取り上げなかったとか。
逮捕されて学校をクビになったとき、誰も励ましてくれなかったとか。
こいつ、元教師なのか。
まぁ、それはどうでもいい。
コイツの言ったことだけど……
……コイツの今までの態度から考えて。
全部不当じゃ無いんだろうな。
特にセクハラ。
水畑さんへの態度を見る限り、とても冤罪だとは思えない。
「だから俺様はここにずっといるんだ! そのためにはお前は邪魔なんだよ!」
自分が地獄に永住することを決意するに至った理由を言うだけ言い終えたのか。
鴨志田は
「死ねえ!」
……自分のペルソナに命じて、俺に毒蛇を
チュウオウの十指が全て、赤紫色の蛇に変じて、伸びて来る。
毒蛇だと思ったのは、コイツのペルソナの名前がチュウオウだからだ。
噛まれるわけにはいかない。
どんな毒を喰らうか分かったもんじゃない!
身構える。
だけどそのとき。
1本の矢が、鴨志田を襲った。
その一矢は、チュウオウの毒蛇の指の数本によって弾かれる。
矢の狙いは頭だったので、鴨志田は青褪めた。
……水畑さんのケイローンの弓が、狙っていたんだ。
無言の水畑さん。
次は当てます、とは言わない水畑さん。
だからさっきのは警告じゃ無くて、本気の矢。
水畑さんの鋭い視線とその態度は。
彼女の本気を示していた。
ヒロインは殺る気だ!
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