地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「オイ、勘違いするなよ? 俺様は敵じゃないぞ?」
鴨志田は焦っていた。
……このバトルロイヤルなら、自分が水畑さんへの害意の無さをアピールすれば、水畑さんはあっさり俺を切るとでも思ったのかね。
……馬鹿な考えでは無いかな。
多分……
水畑さんにしてみれば、2人の男が殺し合う。
勝った方が自分の新しいパートナー。
……俺が危ないなら、放置した方が利益になるものな。
どうせなら、より強い男をパートナーにした方がいい。
人としては最低だけど、自分の利益最優先ならそうすべきだ。
勝ち残るのが最優先なのだし。
だけど
「敵ですよ。私はサイト―さんと組んでるんです」
……水畑さんの迷いのない一言。
俺は……
感じ入って、震えてしまった。
本当に俺を仲間と認めて、相棒になってくれたんだ……
1人より2人の方が有利だから、策を立てて俺をたらし込んで丸め込んだんじゃないんだ……!
心の底で、少しだけ持っていたそんな疑念。
それが消え去って行く。
「水畑さん……!」
悪かった、と続けようと思った。
けれど
「……畜生!」
鴨志田は舌打ちをし、大きく後ろに飛んで逃げ出していく。
巨樹の影に隠れて、ケイローンの矢から身を守りつつ。
……あいつ、きっとまた来るな。
あいつ自身はこの地獄のバトルロイヤルを優勝しようとは思っていないって言ったけど。
……ここで、水畑さんをちらりと見る。
人間の女の子は欲しいだろうし。
俺も男だからそれが少しだけ分かった。
一応、サキュバスの館っていうそういう店はあるけどさ……
悪魔相手じゃ、多分人間の女の子の代わりにはならないと思うから。
「とりあえずさ、探そう」
あの後、速攻で街エリアにまで戻って来て。
今、俺たちはベルベットルームという場所を探していた。
地獄ガイドでは、街エリアの隅にドアがあるって話だったけど……
「敵対的な亡者に出会ってしまった以上、強化が最優先事項……」
もうちょっとだけペルソナカードを集めたかったですけど、しょうがないですよね。
そう、水畑さんも同意してくれたんだ。
とりあえず、この手に入った6枚のペルソナカードを合体させて、俺たち2人分のサブペルソナを作ろうって。
まずは強化しないと、鴨志田に出会ってしまった以上、サブペルソナ無しは危ないから。
なので、地獄ガイドに記載されている場所にやって来たんだけど……
それらしい建物が無い。
ええと……
周囲を見回す。
……どこにあるんだ?
「サイト―さん」
そのとき。
水畑さんが俺の肩を指先でトントンと叩く。
ん、とそちらを向くと
「あれ……」
指差す。
そこには……
青い蝶が舞っていて
そして、ドアがあった。
建物も何もなく、ただ1枚のドアが……
宙に、浮いていた。
青い蝶と宙に浮くドア。
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