地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第22話 危機一髪

 ガウガウ砲はゴーストQの叫び声が必殺技になったものだから。

 

 当然だけど、前にしか出ない。

 発射前に息を吸う必要がある。

 

 だからまあ、起こりは分かりやすいし、回避は難しく無いけど。

 

 威力がシャレにならないな。

 

 当たったら死ぬかもしれない。

 ゾクゾクするけど……

 

 なんだか、楽しいと感じた。

 

 ……こういうの、先天的なものかもしれないな。

 何かの本で、人を斬るときの手ごたえを、心地よいと感じるか嫌悪と感じるか。

 それは慣れの問題じゃない、って。

 

 自分の中にそういう一面があるのは、少しショックを受けるけどさ……

 

 この状況ではプラスだな。

 

 ゴーストQが他所を向く。

 その先には水畑さんが居て

 

 彼女はケイローンの弓でゴーストQを狙ってる。

 

 その矢が放たれるも、ゴーストQはそれを避ける。

 

「当たらないよぉ。そんなの」

 

 気づかれてれば当たらない。

 そういうことかな。

 

 まぁ……

 

 俺はその隙に間合いを詰めた。

 ゴーストQはうざったい飛び道具を先に黙らせようと思ったのか。

 

 彼女に向かって飛び跳ねるように突き進んでいくけど。

 俺がその前に追いついて。

 

 その背中に斬撃を浴びせた。

 

「ギャアアアア!」

 

 悲鳴を上げるゴーストQ。

 俺は追撃を緩めない。

 

「ベルフェゴール!」

 

 俺のコールに反応し、仮面の暗殺剣士の姿をした俺のペルソナ「ゲンサイ」が変化する。

 紫色の肌を持つ、角を生やした巨大な全裸の老人の悪魔に。

 

 オオオオオオ!

 

 大きく雄叫びを上げて。

 その巨大な老人は、ゴーストQに凄まじい吹雪の魔法を浴びせた。

 

「アアアアアアア!」

 

 ゲンサイは魔法攻撃は得意じゃ無いけど、ベルフェゴールは別だ!

 悲鳴を上げるゴーストQ。

 

 どうだ……!?

 

 魔法の吹雪に巻き込まれ、ゴーストQは凍り付くけど。

 

 ゴーストQはこちらを振り向き、息を吸い込み、大口を開けた。

 

 ……どうやら、氷結に耐性があったみたいだ。

 ノーダメージじゃ無いけど、死んでない。

 

 まずい……!

 

 至近距離で食らうと、さすがに避けるのは……!

 

 だけどそのとき。

 後ろから。

 

 ケイローンの矢がゴーストQの頭を貫いたんだ。

 

 

 

「……ありがとう」

 

 死亡し、消滅するゴーストQ。

 後に1本の杖を残して。

 

 黄色い杖だ。

 てっぺんに丸い球がくっついていて。

 そこに口がついてる。

 

 ……コレが旺気(おうき)の杖。

 

 俺は絶体絶命のピンチを救われたので。

 安心でへたり込みそうになった。

 

 ガウガウ砲の最初の1発を避けたとき、俺は度胸ある戦士向きの人間なのかと、実はちょっとだけ嬉しくなったけど。

 いざ、まず死ぬなと思ったら……

 

 全然、キモが座ってないな。

 危険な攻撃を回避できた興奮で、錯覚しただけだったのかもしれない。

 

「……危なかったですね」

 

 水畑さんはシリアスな面持ちでフゥーッと長く息を吐く。

 ……相当緊張したみたいだ。

 

 外したら俺が死ぬから。

 

 ……本当に、感謝。

 

 そして焦らせてゴメンナサイ……

 

 ま、それはそれとして

 

 俺は目の前の杖に目を向けた。

 これがあれば、他の魔人の居場所を教えて貰える。

 

 つまり、現実的に他の魔人と戦うことが可能になる……

 ドキドキする。

 

 手を伸ばし、拾う。

 

 ……かなり重く感じた。

 別に大きな杖では無いんだけど……

 

 次の狙いは魔人マタドール。

 ゴーストQがここまで強かったんだ。

 

 準備はして臨みたいよね……

 

 俺は

 

「なぁ、マタドールはいつ挑戦……」

 

 しようか、と目を上げて彼女に訊こうとしたんだ。

 

 その声が止まった。

 

 彼女が……

 捕まっていた。

 

 あの男に。

 鴨志田に。

 

 彼女は口を押えられ、羽交い絞めにされて。

 暴れていたけど。

 

 鴨志田が召喚しているペルソナ・チュウオウが彼女に触れると。

 動きが止まった。

 

 ぐでん、ってなったんだ。

 その表情が何か、トロンとしてて……

 

 酒を……飲まされてる?

 

 そして

 鴨志田はそのまま走り去っていく。

 

 かなりの速さだ。

 女子高生を1人、肩に抱えてると思えない……!

 

「待て!」

 

 俺は立ち上がり、あとを追うけど。

 タイミングが遅かった。

 

 間に合わなかったんだ。

 

 ……つまり、見失ってしまったんだ。




ヒロインが鴨志田に攫われた!

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