地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第25話 人殺し

 ゲンサイの横薙ぎの斬撃を受けて。

 鴨志田の首が綺麗に切断され。

 胴体から離れた瞬間。

 

 その切断面から血が噴き出す前に。

 

 鴨志田の全身が黒く染まって、塵になって消滅した。

 

 ……なんか、悪魔を倒したときと似てる。

 

 でも……

 実感があった。

 

 俺……今、人を殺したんだ、って。

 俺はゲンサイを引っ込め、右手で鴨志田の斧で破壊された左手を押さえ。

 そう、考えていた。

 

 左手の痛みは、俺の殺人の実感を誤魔化す役には立たなくて。

 

 ただ、荒く呼吸を繰り返す。

 

「ケイローン、サイト―さんを治して」

 

 そして水畑さんのその言葉に我に返るまで、ずっと考えていた。

 

 鴨志田という男を殺したことについて。

 

 ……驚くほど、ざまあみろという気持ちが湧かなかった。

 この戦いに臨むとき、他の参加者を全員倒して優勝するなんて思っていたのに。

 

 これが、人を殺すってことなのか……

 

 左手がケイローンの放った回復魔法の光で治っていく。

 激痛が弱まり、消えていく。

 

 まじまじとは見て無かったので元の酷さが分からないけど。

 

 元のように、綺麗に治ったようだ。

 治療が済んだと思ったので、左手を確認をして完治を確かめる。

 

 ……少しだけホッとする。

 

「……ありがとう」

 

 お礼を言う。

 水畑さんは

 

「いえ。助けに来てくれてありがとうございます」

 

 ニコリと。

 微笑んでくれた。

 

 下着姿のままで。

 十分なバストラインと、すっきりと贅肉が無いおなか。そしておしりから太腿のライン。

 

 正直、綺麗なプロポーションだと思ったけど。

 心境が心境で。

 

 ドキドキはしなかった。

 

 まぁ、それでも

 

「……脱がされただけ?」

 

 それを訊く余裕はあったけど。

 

 彼女は

 

「はい。なんとか」

 

 笑顔でそう言ってくれた。

 

 ……強姦されそうになったのに。

 余裕あるな、彼女……

 下着姿であるって以外は、全く普通の対応だ。

 

 まるで、何も無かったみたいに。

 

 ……聞いた話でしか無いけどさ。

 婦女暴行って、女性に精神障害を起こさせるほど、酷い犯罪のはずだろ……?

 

 何で彼女、ここまで余裕なんだろうか……?

 

 少しだけ、そんなことを考えたけど。

 さすがにそれを訊ねるほど、俺も非常識では無かったので。

 

 彼女が散らばってるセーラー服を着用する様を視界の端に収めて。

 俺は周囲を警戒した。

 

 ……悪魔や、他の亡者が襲ってくるかもしれないし。

 安心はできないよ。

 

 そこでふと、気になったので確認した。

 自分の亡者の腕輪を。

 

 ……生き残り亡者の人数が、8から7に減っていた。

 

 そこで完全に理解して、受け入れた。

 

 鴨志田を俺が倒してしまったんだということを。




これで第2章が終了です。
次回から第3章。

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