地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第27話 映画館に行ってみた

「デート……?」

 

 俺は彼女の言葉を復唱した。

 彼女は頷く。

 

「ええ。デートしましょう。気分転換は必要ですし」

 

 彼女は変わらず笑顔だ。

 彼女はいつも笑顔だな……

 

 そんなことを頭の片隅で考えつつ

 

 ……気分転換。

 

 確かに、それは必要かもしれない。

 こんな状態で外に出たら、まともに動けない可能性大だ。

 

 それは危ないだろ……。

 

 悪魔相手ならなんとかなるかもしれないけど。

 亡者との戦闘になったら、絶対危ない。

 

 どうしても鴨志田を引き摺って、それが隙になるかもしれない。

 

 だから……

 

「うん。そうかもね」

 

 俺は頷き。

 ソファから立ち上がる。

 

「どこに行く? 映画? 喫茶店? 本屋?」

 

 この地獄の娯楽施設はそのくらいしかないからね。

 女の子と一緒に行ける場所は。

 

 それに対して彼女は、水畑さんは

 

「映画に行きましょう」

 

 そう、言ったんだ。

 

 

 

 地獄の映画館「シネマラビリンス」

 

 オシャレな内装の立派な映画館。

 東京の一等地に建っててもおかしくなさそうな、そのレベル。

 

 ただ、映画館スタッフは1人しか居なくて。

 

 売店に居る、純白の歌劇スターみたいな恰好をした、黒髪の長身長髪の美人だけ。

 

 ……まぁ、訊いてみるしか無いよね。

 

「すいません」

 

 売店の店員にしては少しばかり派手な衣装。

 服装や背丈的に歌劇では男役の雰囲気があった。

 でも

 

「何でしょうか?」

 

 話す感じはお淑やかで、淑女って感じだったわ。

 まぁ服装は男役だけど、頭についている花の飾りだけは淑女っぽいと思ってたけど。

 

「僕ら、映画を観に来たんですけど」

 

 どうすればいいですか?

 そう続けようとしたら

 

「現在この映画館ではこれら作品が上映されております」

 

 訊く前に、タブレットを渡される。

 そこに表示されてたよ。

 

「どの映画も鑑賞代金150マッカでございます」

 

 店員さんは流れるように説明してくれる。

 

「お支払いは決断していただくこと。決断と同時にマッカが自動的に腕輪より引き落とされ、対応する劇場への入場が可能になります」

 

 ああ、チケットは存在しないのね。

 決断なのか。

 

 ……宿屋の有料番組みたいだな。

 

「お支払いが無い作品については、結界により入場できない仕様です」

 

 ……なるほどねぇ。

 

 現在やってる映画は……

 

『タンクトップ・ミリオネア』

 

『社会の底辺で、愛を叫ぶ』

 

『ダークバイト・ハイジング』

 

『ローン・オブ・ザ・リング』

 

『ローマの有休』

 

 ……ちょっと古いな。

 確か数年前の映画じゃ無かったっけ?

 

 まぁ、現世で封切ったばかりの最新作をこんな地獄で観れる方が変な気はするけどさ。

 

 俺は

 

「どれにする? 水畑さん?」

 

 彼女にタブレットを手渡す。

 

 俺としては別にどれでもいいし。

 どれも見たことが無いからね。

 

 なので、彼女に決断を委ねたんだ。

 

 すると彼女は、少し迷って。

 こう答えてくれた。

 

「社会の底辺で、愛を叫ぶが良いです」

 

 ……分かった。

 それにしようか。




映画のネタはペルソナ4と5からチョイスしました。

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