地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
何が起こった……?
一瞬、訳が分からなかったけど。
段々、分かって来た。
暴力禁止のルールに触れて、強制転移させられたんだ。
アイツ、今は街の外に裸で放り出されてんだな……
なるほど……
これがこの街のルール……
俺はそのことを噛み締めつつ
「水畑さん、立てる?」
水畑さんはへたり込んでいた。
いきなり刺されそうになったから驚いたのか。
……ただ、怯えた様子は無かったな。
「あ、ありがとうございます」
最初は呆然とした感じだったけど。
俺が手を差し伸べると、笑顔に戻ってその手を取った。
彼女に手を貸し、立ち上がらせる。
……しかし。
何故、この街で刃物を持ち出したんだ?
地獄ガイドを読んでなかったのか?
全く意味が分からない。
そしてさすがに。
未遂とはいえ、刃傷沙汰になったのにデートどころじゃない。
店を出て、地獄宿に帰ろうかと話し合い。
その通り、店を出たときだ。
「やぁ、はじめまして」
……すっげぇイケメンに話し掛けられたんだ。
6人目の亡者……!
それは王子様みたいな男子で。
年齢は多分俺と同じくらいだ。
着ている服も、ブレザーの制服っぽい。
身長はかなり高くて。スラリとした体形。
髪型は耳が隠れる程度、伸ばしてて。
キッチリ整えててカッコイイ。
彼は爽やかな笑みを浮かべて
「僕は明智吾郎。店の外からだけど、さっきの災難は見ていたよ。大変だったね?」
……明智吾郎。
えっと……
珍しい名字だな。
明智か……
こう言っちゃなんだけど……
裏切りそう。
この明智という男子。
なんだか、妙に魅力があるというか……
気が付いたら、地獄宿のロビーで会話をしていた。
俺と水畑さん。
2人で明智さんとローテーブルを挟んで話し合っていたんだ。
「さっきのあれは、あの女の差し金だよ」
「あの女……?」
「君がいきなり勧誘された中年女性さ」
ああ……
あの、おかしなオバサンか。
納得する。
明智さんは続けた。
「あの女……
憎々し気に。
その表情に、本気の嫌悪感を感じた。
「放火殺人?」
水畑さんが訊き返す。
明智さんは頷き
「……婚期を逃した女性でね。まぁ、選り好みが酷過ぎた結果なんだけど、自分の理想とする男性が現れたのが40才を過ぎたときで……」
そして明智さんは教えてくれた。
開田良水が40才過ぎて理想の男性に出会った。
その後のことを。
あのオバサンは、すぐに求婚したらしい。
だけど
開田さん、すみませんが俺には大学時代から付き合ってる婚約者がいて、来月結婚するんです。
就職したらすぐ結婚しようって彼女と約束してて。
そう言われ、拒絶された。
当然あり得ることだ。
そう言われたら、諦めないといけない。
それぐらい、俺だって分かる。
だけど。
「あの女は、その返事を……だったら彼の婚約者を消せば自分と結婚するはずだ……そう、考えたんだ」
……俺はその話を聞いて……
あのオバサン、狂ってる。
そうとしか思えなかった。
あのオバサン……開田良水は。
狙いの男の婚約者を消すために、男の婚約者を家族ともども、家にガソリンを撒いて焼殺したんだ。
……クソ外道だ。
クズババァ……!
絶対に、許せない……!
原作の明智の名字って、あとの展開由来なのかしら?
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。