地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第35話 時間切れ

 魔人・時の翁が徘徊しているのは森エリア。

 

 以前、最初に鴨志田に襲撃を受けた場所だ。

 

「どこらへんで見かけたんですか?」

 

 森を歩きつつ、明智さんに訊ねる。

 明智さんは

 

「もう少し先に、世界樹みたいにデカい樹がある。その周辺だね」

 

 そう言いつつ、明智さんは歩きながらさっき遭遇した悪魔たちを斬り捨てたサーベルを血振るいし、納刀する。

 さっき、その剣捌きを見せて貰ったけど、すごかった。

 

 多分俺は、ペルソナ抜きでまともに戦ったら勝てないと思う。

 

 実際、さっき遭遇した悪魔……奪ったペルソナカード曰く「悪魔アンドラス」

 それを、ペルソナを一切出さないで圧倒したんだ。

 

 なので俺は、まだ明智さんのペルソナを見ていない。

 

「あの、明智さん」

 

 教えて貰えるだろうか……?

 共闘するわけだし。

 

「何だい?」

 

 俺に視線を向けてくれる。

 俺は

 

「明智さんのペルソナって何ですか?」

 

 無論、秘密を訊ねるわけだから

 

「俺のペルソナはゲンサイ。剣技と氷結魔法を使用できます」

 

 自分の方の秘密を開示する。

 限定的だけどね。

 

 すると

 

「あぁ、僕のペルソナは」

 

 言って、明智さんは

 

 スッと自分の亡者の腕輪に触れ

 

「来い……!」

 

 ペルソナを召喚した。

 

 明智さんから放射されたエネルギーが形を成して、俺の目の前にペルソナとして出現する。

 

 それは……

 

 2本の角を頭に生やし、白と黒のストライプで全身を覆った戦士。

 その右手には、真っ赤な色の刀身のロングソードが握られている。

 

「……これが僕のペルソナ『ロキ』だ。得意なのは剣撃。一応、大技で射撃技もある。……至高の魔弾って名付けているけど」

 

 ロキ……

 北欧神話の厄介な神様だよな。

 他人の命に関わる悪戯を繰り返し、良い事もするけど悪事はそれ以上に行って。

 で、確か最後は酷い目に遭うんだっけ……?

 

 10股の結果、命を落とすことになった明智さんのペルソナとしては相応しい気がする。

 

 しかし……得意なのは剣か……

 

「俺とよく似てますね」

 

「そうだね」

 

 言いつつ、明智さんは自分のペルソナを引っ込める。

 

「私のペルソナはケイローンで、弓による射撃能力と回復能力が……」

 

 そこで水畑さんが自己紹介……いや、自己ペルソナ紹介をはじめようとした。

 

 だけど

 

「ああ、水畑さん。キミはいいよ」

 

 微笑みながら明智さん。

 自分の能力開示を拒絶されて、戸惑う水畑さん。

 

 彼は

 

「もう、時間切れだから」

 

 ……時間切れ?

 

 そのとき

 

 奥の巨木の影から

 

 2人の人影が現れたんだ。

 

 それは……

 

「明智クン、よくやってくれたわね」

 

 満面の笑みを浮かべた、狂ったオバサン……

 開田(かいだ)良水(よしみ)

 

 そしてもう1人は、その付き人。

 水畑さんに襲撃を掛けて来た男子。

 確か、久保……

 

 開田は上機嫌で、親し気に明智さんにそう労う言葉を掛ける。

 

「ヨシミ様。お安い御用ですよ」

 

 そして明智さんは。

 

 そんな開田に笑顔でそう返したんだ……。




明智、やっぱり君はそういう奴だったのかァァ!!!!!!

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