地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第39話 何なんだ、アイツ

「だ……だましたの……? クソが……この●●〇やろう……」

 

 倒れた開田が苦しみながら汚らしい言葉を吐く。

 明智はそれを微笑みながら受け止める。

 

 そしてこう返した

 

「騙される方が悪いんですよ」

 

 歩き出しながら。

 開田に向かって。

 

「あなたみたいな、品が無くて、傲慢で、残虐で、特に美しくもなく、若くもない女に、男が惚れこむって本当に信じたんですか?」

 

 明智は自分のペルソナを伴って、近づいていく。

 開田に。

 

「ねぇ、どうなんですか? お猿さん?」

 

 ……それは、恐ろしく冷たい声だった。

 

 それに対して

 開田は獣のような声をあげた。

 

「ウ……ウガアアアア!」

 

 倒れた開田の傍に控えていたリョチが、両手の鉈を振り上げて襲い掛かって来る。

 ……本体同様、腹部に大穴が開いていたけれど。

 

「その鉈の一撃を受け止めると、目と耳と声を封じられる。その解除にはあなたの許し、あとはおそらく……」

 

 だけど。

 腹に大穴がある状態で、まともな近接戦闘はできないのか。

 ロキは受けや受け流しを全く使用しないで鉈を回避し。

 

 手にしたロングソードで、躱しざまにリョチの右腕、左腕を斬り落とした。

 

「あぎゃあああああああ!!」

 

 ……当然、本体の開田の両腕も同じようになった。

 

「……おそらく、あなたを殺せば良いんでしょうね」

 

 明智は涼しい顔のまま。

 その両腕を失って、血を吐きながら泣き喚いて半狂乱になっている開田を見下ろし。

 

 その胸にサーベルの刃を突きさす

 

「おぎゃお」

 

 ……その瞬間。

 変な断末魔の言葉を残して。

 

 開田は消滅した。

 鴨志田と同じく、黒く染まった後に塵になって。

 

「これで残り6人……」

 

 開田を脱落させた明智は、右腕の亡者の腕輪を確認していた。

 数字が減ってるかどうかを目で確認したんだろう。

 

「あああああああっ!」

 

 ……久保が逃げ出していた。

 開田がやられるとは思ってなかったんだな。

 

 開田がやられたら次は自分がやられる。

 

 正しい想像だよ。

 全く……

 

 その観点で言えば、俺も逃げるべきなんだろうけど……

 

 俺は、水畑さんに視線を向ける。

 ふくらはぎに矢を受けて、まともに動けなくなってる水畑さん。

 

 逃げるにはあの傷を治療しなきゃいけないけど……

 

 その時間は、与えて貰えないんだろうな……

 

 明智は、逃げていく久保は追わなかった。

 多分、あいつには簡単に勝てるから、優先順位が低いんだ。

 

 ……先に俺たちか。

 

 俺は、左手に刀を握り、水畑さんの前に立つ。

 彼女だけは、1秒でも長く守らないと……

 

 そんなことを思いながら。

 

 だけど

 

「……ビシャモンテン」

 

 俺の目の前で。

 ロキの姿が、仏像に似た造形の鎧を纏った漢に変わる。

 

 明智のサブペルソナか。

 

 鎧の漢は俺に右掌を向けた。

 

 すると俺の右手の親指が再生していく……

 

 えっと……?

 

「これでいいね。それじゃ」

 

 混乱する俺を見つめ

 明智はニコリと微笑み。

 

「斎藤君。上っ面で全部分かったと早合点するのは今後は止めるんだね。守るものがあるのなら」

 

 そう言い残して。

 そのまま何もしないで立ち去って行った……

 

 こうして俺たちは。

 絶体絶命の状況で、何故か命を拾うことが出来たんだ。

 

 何で……?

 何なんだ、アイツ……?




ここで第3章は終了です。
次回から第4章。

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