地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
第40話 命を拾って
腕輪の生き残り人数表示が6人になっていた。
だからまぁ、あのオバサンは脱落したんだ。
正直、ホッとした面がある。
鴨志田以上に意味不明だったから。
消えてくれて嬉しい。
悲しいとか、哀れだってのは全く無かったな。
化け物が1体消滅した。そうとしか感じられなかった。
「親指大丈夫ですか?」
街エリアの地獄食堂で。
取り敢えず食事をして落ち着こうという話になり。
入店し、注文し。
テーブルを挟んで向かい合って席に着き。
注文の品を待っていると、水畑さんが俺に。
俺は
「問題ないよ。水畑さんは大丈夫?」
水畑さんは水畑さんで、あのオバサンに矢で射られてたし。
ふくらはぎを。
大きな傷はそこだけど、小さい傷はもっと負ってたはずだしな。
「ええ。大丈夫です。……ありがとうございました」
向かいの席で、ペコリと頭を下げる水畑さん。
その様子に俺は
何が?
と思ったけど
「鴨志田のときも、開田のときも。守ろうとしてくださって嬉しかったです」
笑顔でそんなことを言って来た。
「これだけでも、サイト―さんを勝ち残らせるヒトに選んで良かったと思いました」
……水畑さんは嘘を言ってないと思う。
でもなんで、そう思うんだろうか?
自分以外の誰かを勝ち残らせよう、って。
「あのさ」
とても大きな戦いがあったから。
そのときの勢いで
「どうして、自分以外の誰かを、俺を勝たせようと思っているの?」
……俺には水畑さんは善良な人間にしか見えないのに。
蟲山だとか、開田だとか、鴨志田とは絶対に違う。
この地獄に居るのが不自然な女の子だ。
そう、思ったから
「俺には水畑さんに生き残る価値が無いっていう風には見えないのに」
正直に伝えたんだ。
すると
「生き残っていいわけがないですよ!」
いきなり、水畑さんが大声で言い返して来た。
驚き、ちょっと引いてしまう。
何なんだ? いきなり?
俺のそんな表情に気づいたのか
「……ごめんなさい。取り乱しました」
済まなさそうな表情になり、彼女は頭を下げる。
そして
「私が生き残ると、犯した罪を償う機会を無くしてしまうので、嫌なんです」
そう、答えたんだ。
……彼女が何をやったのか分からないけど。
自分の行いを真摯に振り返り、罪に対する罰を求める……
俺は彼女に誠実さを感じて。
……なんだか、彼女が輝いて見えた。
だけど
「な、なぁ」
……そこにだ。
邪魔が入った。
あいつだ。
あの、久保とかいう、覇気の無い男子。
服装は青ジャージ。
森エリアで遭遇したときと同じだ。
そいつが、俺たちのテーブルの傍に来ていた。
久保。ペルソナ4のひとくぎりボス。
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