地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
いきなり何?
こいつ?
まぁ、この街エリアでは暴力禁止だから、警戒は要らないんだけどさ。
だから
「アンタ、開田と一緒に居た奴だよな?」
そう、やや高圧的に言った。
立場はこっちが上なのだから、相手にペースを握らせるわけにはいかない。
すると
「え、えっと……」
なんか、オタついている。
……正直、散れって言いたいところだけどさ。
感情は抑えないと
「俺たちに話しかけたいなら、まず名乗れよ。あと、何をして欲しいのか先に言ったら?」
促す。
情報が取れないと会話の意味が無いしな。
俺の言葉に
「ぼ、僕は
久保美津雄か。
聞いたこと無いな。
で、要求は?
「僕も仲間に入れて!」
……はぁ?
良く言えたな?
水畑さんを襲ったくせに。
じゃあ何で、最初に謝罪がない?
……どうせ、開田に脅されたから自分は許されると思ってるか
他人の痛みに無頓着なんだろうな。
……反吐が出るほど嫌いなタイプだ。
だけど
俺は水畑さんの方をちらりと見て。
彼女が何も言わないのを確認し
「……どうしてその決断をしたんだ?」
打ち切らず、会話を続けたんだ。
俺の問いに
「僕は死にたく無いんだ!」
久保は訴えた。
自分はこの地獄で2度目の死を迎えるのは嫌だと。
なんとか生き残りたいんだと。
で……
「じゃあ、1人でも頑張ればいいだろ」
街エリアでは暴力禁止。
襲われたりしない。
お金を稼ぐときにゾンビが良く出て来る荒れ地エリアの一区画に出向いて、サッと稼いで逃げ帰る。
それの繰り返しでいけば、完全安全とまではいかないまでも生きてはいける。
幸い、ゾンビ多発地帯は街エリアから結構近い位置にあるしな。
だけど
「1人だったら不安じゃないか! 当たり前だろ!」
俺の言葉に。
久保はイラついた大声で返して来る。
……態度がデカいな。
「あのさ」
だから俺は意識して穏やかに
「アンタ、誰かを仲間にするってことの意味、分かって無いだろ?」
そう指摘する。
……久保は俺の言葉の意味が分かってない。
何を言わんとしているか予想できないんだろうな。
だから
「アンタは信用できない」
ハッキリ言ってやった。
「……当たり前だよね。アンタに俺たち、襲撃を受けたんだから」
すると
「それは開田に逆らえなかったから!」
俺の言葉に脊髄反射で、ヒステリックに返して来る。
ハァ
「……それはアンタの都合だよね? 俺たちは知ったこっちゃないな」
「……酷過ぎるだろ」
ボソッと久保。
……カチンときた。
自分に奉仕しないのは嫌がらせであると考える。
いるよなそんな奴。
大嫌いだよ。
俺は
「俺は彼女と組んでて、彼女に信じて貰えるように気を遣ってるし」
怒りを抑えながら
「彼女の方も、俺の手助けをして、俺の信頼を勝ち取れるように振舞ってる」
久保に
「……アンタみたいなやつが仲間外れを口にするとき、大概がそういう基本的なことを全くやってないんだよね」
そう、言ってやったんだ。
その瞬間
「ウルサイダマレダマレダマレェェェェェェェ!!」
……発狂。
頭の片隅で、ならば信頼して貰えるようにと、知ってる情報を渡してくれたりはしないかなと思ってたんだけど。
そうはならなかった。
……クズが。
人間、完璧である必要は無いけど。
至らないところを指摘されたら、直す努力をしろ。
『よくも俺の黒歴史をバラしやがったな! 中学でやり直そうと思っていたのに!』
……そのとき蟲山の言葉が何故か蘇る。
俺はそれを即座に打ち消した。
「アホが! クズがッ! オマエラ、殺し屋と組んでたくせにぃ!」
口から唾を飛ばしながら俺たちを罵りまくり、逃げていく久保。
普通なら、すぐさま記憶から追い出す不愉快な出来事だけど。
(殺し屋と組んでた……?)
その言葉が引っかかる。
それって……
明智は殺し屋だったってことなのか……?
トモダチゲームでも出て来る話なんだよね。
皆が俺を仲間外れにすると嘆く奴は大体、信頼されるための努力を怠っている、というのは。
まぁ、それを言うのは詐欺の常習犯なんですけど。
本作を読んでいただき感謝です。
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