地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
稼ぎエリアには廃墟を選択した。
廃墟エリアは隠れるところが多いから、不意打ちが恐ろしいけど、逃げるときにはその環境がプラスに働くから。
そう言う理由で、選択した。
「お願いやぁ! 命だけは助けてくれやあ!」
蛾に似た悪魔が、俺たちに土下座している。
蛾には似てるだけ。
蛾の怪人とは言いにくい。
……身体に節や外骨格が無いからね。
俺は
「だったらペルソナカード出して。こっちは追い込まれてるんだ。カードをくれないなら手段は選ばない、というか選ぶ余裕が無い」
そう、淡々と告げた。
そこに感情は無い。
追い込まれてるのは本当だからな。
俺たち以外の亡者は、恐ろしい相手ばかりだ。
余裕なんてあるわけが無いんだ。
「わ、分かったわ。……差し出す。いや、差し出します」
そしておずおずと、ペルソナカードを差し出して来る蛾に似た悪魔。
それによると……
隠者モスマン
モスマンか……
蛾に似てるわけだよ……
どっかの都市伝説に出て来るバケモンの名前だわな。
モスマン。
で、これで8枚目……
隠者ディスマン
隠者カシマレイコ
隠者首なしライダー
隠者クヴァンダ
愚者オールドワン
戦車シキオウジ
恋愛リャナンシー
……隠者が多いな。
そんな感じで近場のコンクリートの上にカードを並べて、確認していたら
「隠者ばっかりですね」
水畑さんも同じリアクション。
ペルソナ合体は、アルカナがバラバラの方が良いんだ。
同じアルカナだと、変化の幅が狭くなる。
……あの鼻の長い老人・イゴールさんの受け売りだけどさ。
「何でこんなに隠者が多いんでしょうか?」
そんな水畑さんの言葉に、俺は
「廃墟って、暗いイメージがあるから、暗い悪魔が良く出てくるのかもしれない」
そう、自分の思ったことを口にした。
……内心、結構自信がありはしたけど
「他のエリアは……」
水畑さんのその呟きで、他のエリアを思い起こす。
……この地獄には、戦闘エリアが5つある。
廃墟、森、荒野、沼地、砂漠の5つだ。
この内、荒野と沼地と砂漠のエリアは見通しが良過ぎて逃げるときにおそらく都合が悪い。
なので、廃墟と森で稼ぐのが理想になるけど……
森エリアは、開田の件で1回死にかけたからあまり行きたくない気分。
それをいうと廃墟も水畑さんが酷い目に遭ったエリアだからイメージは良くは無いけど……
水畑さんが「廃墟で稼ぎましょう」って言ってくれたから。
それに甘えた。
「……どうする? 森に行ってみる?」
嫌だけど。
その一言は飲み込んで。
水畑さんは俺の言葉を真剣に考える表情を浮かべ
突如、緊張した表情になる。
えっ?
「……サイト―さん、耳を澄ませてください。何か聞こえませんか?」
そこで水畑さんの、囁くような声。
何だと思いつつ、言われたようにすると
オラァ! 喰らいやがれェ!
……怒号が聞こえた。
小さいけど。
……ということは。
近くに、亡者が居る……!
戦っているのは?
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