地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
嶽下が緑の悪魔2体に向かって突き進む。
発砲して来るが、その銃弾を身体を左右に振って難なく躱し
その嶽下に従っている嶽下のペルソナ・グラシャラボラスの姿が……突如消失する。
その次の瞬間
嶽下を猟銃で狙っていた2体の悪魔が、見えない刃でズタズタに切り裂かれた!
ルガアアアアアア!!
悪魔の絶叫。
見えない何かがその2体の間で暴れまわり、滅多切りで切り刻んでいる……!
これが、空間殺法か……!
そんな殺戮の現場に、嶽下は飛び込み、ナイフを振るい。
見えない斬撃を浴びまくり、瀕死になった2体の喉首を搔っ切った。
その瞬間、2体は塵になって消滅する。
残ったのは大蛇の下半身を持つ二刀の悪魔……
「マ、参っタ……」
そいつが嶽下にカードを差し出す。
勝ち目が無いと踏んだのか。
嶽下は……
それを無視して
そいつの首まで掻き切った。
えっ……?
一瞬、理解できなかった。
だけど
「……悪いな。俺はあれこれ手を出すのは性に合わねえんだよ」
嶽下はそう嗤いを含んだ声で、悲鳴も上げられず塵になって行く悪魔を眺めてて
理解する。
この人、サブペルソナを使って無いのか……!
かなり重要な情報を拾った。
つまり、グラシャラボラスの攻略だけ考えれば、嶽下に勝つことを考えられる……?
だけど
「なぁ、そこからデバガメするのもそろそろ止めねぇか?」
……嶽下のその言葉に、俺たちは凍り付いた。
俺はすぐさま走り出す。
逃げるんだよ!
当然、水畑さんの手を掴んで。
今、嶽下と戦ったらやられるのはこっちだ!
「さ、サイト―さん」
ちょっと俺の決断に対応できず、戸惑いと混乱があったけど。
なんとか、逃走モードに移行することは出来た。
水畑さんの細い手をしっかり掴んで、懸命に走る。
後ろを気にしながら、なるべく角に入り込むルートを選んで。
……頼む。
見失って欲しい……!
そして10分以上走ったかもしれない。
「さ、サイト―さん……!」
水畑さんがバテはじめてきた。
そう感じたとき。
俺はもう嶽下を振り切ったと判断し。
足を止める。
ハァハァ言ってる水畑さん。
「大丈夫?」
俺がそう訊くと、彼女は
「……大丈夫です。危なかったですね」
膝に手をついて息を整え。
俺を見上げて。
微笑む。
「でも、重要情報を色々拾えたんじゃないですか?」
「ああ……」
水畑さんの言葉に、俺は頷いて
「嶽下はサブペルソナを使ってないな」
「ええ……あと、ペルソナは使用するときだけしか出さないスタイルみたいですね」
お互い、気づいたことを口にする。
何が鍵になるか分からないから、念入りに。
「愛用武器がナイフっていうのはやはりただ勝つことを目的にしてなくて、どう勝つかがあの人の拘りってことなんでしょうか?」
「その可能性高いな。……敢えてナイフってのは拘りを感じるよな」
そしてその俺たちの真剣な会話に。
「……罪人たちよ。その罪、裁かれるときだ」
……割って入るものがあった。
俺たちは凍り付いた。
……誰だ!?
弾かれたように目を向けると。
そこには……
暗い青緑色の法衣と帽子で身を包んだ、赤い肌と長い髭を生やした、
そのナリは、日本人なら誰でも知っていて……
「……閻魔様」
水畑さんの呟き。
そう。
それは、閻魔大王……地獄の裁判官・閻魔様だったんだ……!
地獄に閻魔。
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