地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「ごめんなさいっ! ……でも、仕方なかったのッ!」
水畑さんは怯えきっている。
ペルソナを召喚し、包丁を持って迫って来る少年少女のゾンビを撃退する素振りすら見せない。
「何ガシカタナイダッ!」
「何デ僕ラヲ殺シタッ!?」
「許サナイ!」
……ゾンビたちは水畑さんを非難する。
「大嫌イダ! 死ネ!」
「死ンジャエ!」
「殺ス!」
そして包丁を振り上げ、殺到して来る。
水畑さんは……逃げなかった。
だから
俺がその間に割って入り、少年少女ゾンビにみね打ちを叩き込み、包丁を握っている手を砕いた。
……さすがに小学生の姿をしたものを斬り捨てる度胸は無かったから。
俺にぶっ叩かれた少年少女ゾンビは
「ギャア!」
……ゾンビなのに、苦痛で悲鳴を上げる。
そして
「何デ邪魔スルノ!?」
「酷イ!」
「私タチハ殺サレタンダヨ!?」
……俺を口々に非難する。
色々、理解が出来なかったし。
分からないのが、怖かった。
だから俺は……
「水畑さん」
確かめるのが怖かったけど。
「何でこの子たちを殺したんだ?」
訊いた。
真実を……
水畑さんはビクリと震える。
そしてブルブル震え出す。
そのままどれだけ経ったのか
彼女は
「……私は」
……水畑さんは語り始めた。
自分の生前の話を。
それは、とても想像できないような、酷い話だった……
自分は、定職に就かず、万引きと売春で生活費を稼いでいる夫婦の子供として生まれた。
小さいときから、万引きを仕込まれ、小学校6年で発育が進んで来たとき。
そこに売春が加わった。
自分の家ではそれが普通だったので、自分は特にそれがおかしいとは思わなくて。
高校生になったとき。
ある日、売春で補導されて刑事さんに説教されて、真実に気づいた。
「……その刑事さんは、奥さんを轢き逃げで亡くしてて、一人で娘を育てて……だから、私の現状を見逃せなかったらしく、私のオカシイ頭をまともな思考に矯正して下さったんです……」
水畑さんは蹲り、頭を抱えて泣いていた。
泣き続けていた。
そして
「家に帰って、両親を諭そうとしました。でも……」
激昂した両親にボコボコに殴られたらしい。
サツにセンノーされやがって、とか。
育ててやった恩を忘れて、とか。
そして裸にされてベランダに放り出され、寒さに震えていたけど。
深夜、思い立った。
ウチの家族は悪だから、殺すしかない。
生きているだけで、普通に生きている人を傷つけ、迷惑を掛ける。
そして弟と妹も、既に染まってる。
すでに上手に万引きをする方法を兄妹で会話するような人間になってる。
全員……殺すしか……
そう思い……
水畑さんは、決断した……
闇の中、ベランダに放置してあった植木鉢でベランダの窓を破り、包丁を持ち出し、寝ている家族を……
全員、刺し殺し。
そして、その後自分も首を吊ってその生涯を終えた……
ヒロインの真実
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