地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第54話 何しに来た?

「アンタ何しに来たんだ!」

 

 今はコイツの相手をしてる余裕は無い。

 だから

 

「今は取り込み中だ! 後にしてくれ!」

 

 ……我ながらクソ甘いけど。

 

 敵のフェア精神、倫理観に頼るようなことを言った。

 今仕掛けられると本当にマズい。

 

 ミルファを見捨てるか、ミルファの弟妹達を斬り捨てる。

 その2択をすることになる……

 

 いや、それ以前に

 

 対応できずに2択以前にこっちがやられる可能性もあるんだ。

 

 だから、お花畑だと言われるかもしれないが、俺はそういう言い方をした。

 

 今攻めてくるのは卑怯だぞ、というような。

 意味が無いかもしれないが、言うほか無かったんだ。

 

 あと

 

 ……コイツ、開田を倒したときは俺の負傷を治癒してから去って行ったから。

 

 敵を倒すときはなるべく万全で、って精神があるのかもという淡い期待も少しはあった。

 めでたいかもしれんけどな。

 

 俺の言葉に

 

 明智はフフッと笑った。

 

 楽しそうに、いや……

 

 不敵な感じで。

 

 そして

 

「意味不明だね」

 

 そう言って

 

 彼はサーベルを抜き

 

「来い!」

 

 サーベルを握った右手首をガッチリ掴んで

 

「ペルソナッ!」

 

 ペルソナ召喚を行った。

 同時にエネルギーが明智から放射され、彼のペルソナ「ロキ」の姿になる。

 

 そして明智は抜き放ったサーベルを振り上げて

 

 閻魔大王に斬りかかった。

 

 ……えっ?

 

 驚き、一瞬手が止まり、子供たちへの対応が空白になり

 

 ミルファの弟が抜けそうになる。

 咄嗟に俺はみね打ちで殴らずに襟首を掴み投げ飛ばす。

 

「ギャア!」

 

 ミルファの弟の悲鳴。

 俺は

 

「どうしてっ!?」

 

 彼に。

 明智に。

 

 明智は

 

「……この閻魔大王は、出会った相手の罪を指摘し、その指摘内容に反論した者に報いを与えるんだ」

 

 閻魔大王に斬りつけつつ、そう返す。

 

 閻魔大王は(しゃく)で明智の剣を捌いている。

 その閻魔大王に明智はさらに斬撃を加えつつ

 

「知ってか知らずか知らないが、その報いは排除しようとすると強化される。止めるには……」

 

 明智は指を鳴らした。

 

 同時に、明智のペルソナ・ロキの頭部の2本の角の間に光球が発生していく。

 

 小指の先ほどの大きさの球が、ソフトボール大の光の球に成長していく……

 

 至高の魔弾。

 

 ロキの大技……!

 

 俺は自分の右手首を握り

 

「ゲンサイッ!」

 

 俺のペルソナを召喚し

 

「閻魔大王ッ!」

 

 叫び、突っ込ませた。

 俺の叫びに閻魔大王の視線がこちらに向く。

 

「覚悟しろッ!」

 

 そう叫び、斬撃を浴びせる。

 

 ……射程が足りないのに。

 

 俺のペルソナは、自分の半径2メートルくらいの距離が射程だ。

 それ以上は、本体である俺が動かないと届かない。

 

 そんなことは分かってる。

 分かってた。

 

 ……俺の狙いは……

 

 その瞬間、閻魔大王の胴体が輝く光弾で貫かれた。

 

 ……俺がゲンサイを突っ込ませたのは、ロキの大技「至高の魔弾」の時間稼ぎのため。

 

 至高の魔弾を胴体に浴びた閻魔大王は。

 瞬く間に真っ黒に染まり、塵になって消滅していった……

 

 同時に。

 

 ミルファの弟妹たちが停止し。

 全員、灰化して崩れ去る。

 

 一番の危機は……去ったんだ。

 

 一応、だけどな……。




危機は去っていない……?

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