地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
なんて壮絶な話だ。
こんな話、何も言えない。
俺の家は普通も普通。
定食屋。
父親は学生相手の格安食堂を経営してて。
母親はその手伝い。
……父親は仕事に打ち込んでて。
母親は、そんな父親の仕事に対する姿勢に敬意を持ってた。
だからまあ、両親ともに忙しかったけどさ。
家庭は円満だったな。
普通の、何の問題も無い家だ。
そんな家の子供が、こんな話に何を言えるって言うんだ……?
そして俺が何も言えずにいると。
明智さんは
「……でもね。実際のところは違ったんだよ」
フフッと小さく笑い
「……本心は、アイツに僕を母に産ませて良かった。そう言って欲しかったんだ」
だから、自分の能力が最も活かされる犯罪行為で、僕はアイツに尽くしていたんだ。
ずっと、無意識で気づいていないフリをしていたけどね。
……それを閻魔に指摘されて。
最初は暴れたよ。
自嘲の笑みでそう、教えてくれた。
「……そうなんですか」
気の利いたことなんて、何も言えない。
「だからさ、僕は本気で現世に復活なんてしたくないんだよ。キチンと自分の罪のケジメをつけるのと、ワンチャンスを与えてあげたい他の誰かの手伝いをしたいのさ」
……俺は明智さんの言葉を信じた。
今度こそ、この人は嘘を言ってない。
そう、思う。
で、ちょっとだけ気になった。
「あの、ひとついいですか?」
「何だい?」
俺の言葉に、にこやかに明智さん。
俺は
「……10股の話は……?」
しょうもないことかもしれないけど。
なんとなく確かめたかった。
すると
「ああ、あれは知り合いのやらかしたことで、バレンタインの件は僕の願望かな」
ニコニコしながら、教えてくれた。
……そっか。
女の敵は実在したんですね……。
「とりあえず、魔人たちの杖を集めよう」
「そうですね。杖があるとだいぶ有利に戦えますし」
俺と明智さんで、今後の戦いの方針について話し合った。
これからは3人パーティーだ。
そして、街に戻ろうと言うことになった。
その間、水畑さんはずっと黙っていた。
会話にも参加していない。
自分の罪を俺に知られて、辛かったのか。
……俺は彼女の罪を糾弾したけど。
彼女との絆は切りたく無いんだ。
こんなことを言うべきかどうか分からないけど。
好きだから。
色々危ういところはある女の子だけど、根は善良だと思う。
危ないところを何度も助けてくれた。
苦しいときに支えてくれた。
……立ち上がって欲しい。
勝手かもしれないけど、俺は本心からそう思うんだ。
そして……
俺たちが会話に使っていたボロボロの雑居ビルから出て来たとき。
「……おや、お告げ通りでしたね」
その出入り口で。
2人の人間が待ち伏せていた。
……俺の血の気が引く。
そこにアイツが居たんだ。
あの男が……
RPGの司祭のような衣装で身を包んだ初老の男……
メシア教教祖……
松山法政……!
一難去ってまた一難、ぶっちゃけあり得ない。
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