地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
……まずい。
痺れる身体で俺は
詰んだ。
そう思った。
俺は動けなくなったのに、彼女は動けている。
……殺られる。
つい、衝動のままに助けに入って、結果がこれかよ。
馬鹿か……
彼女は立ち上がり、右手の腕輪を確認していた。
取得マッカを確認しているのかな?
マッカとは……
この地獄で流通している通貨の単位だ。
あの怪物……地獄ガイドでは悪魔って書いてたけど……
悪魔を倒すと、止めを刺した人間に加算される。
これで、街エリアで食費、宿泊費、各種買い物の費用を出すわけだ。
だから……
このバトルロイヤルに参加している人間……亡者たちは、安全地帯である街エリアにずっといるわけにはいかないんだな。
お金を稼ぐために、街を出なきゃいけないんだ。
……上手くできてると思ったね。
外に出ると悪魔が居るし、修行やお金を稼ぐために悪魔と戦うと隙になる。
すると必然的に、亡者同士の戦いも発生しやすくなる。
……ああ、でももう俺には関係ないかもな。
彼女はマッカの確認を止めて、近づいて来た。
無論、彼女のペルソナは出しっぱなし。
……つまり。
そういうことだろ?
地獄ガイドはまだ全部読めていないけど、緊急で必要そうなところは読み込んだんだけどな。
無駄に終わったわけだ。
ここで死んだら、俺は一体どこに行くのか……?
今気にしてもどうにもならないんだけど、多少は救いがあって欲しい……
そう、思っていたとき。
彼女は
「ケイローン、この人を癒してあげて」
そう俺を指差しながら言ったんだ。
すると彼女のペルソナ……ケンタウロスのケイローンは
俺に向かって右手のひらを向けて
俺に光を照射した。
同時に、俺の痺れが取れていく……
えっ、と思った。
殺さないの……?
何で……?
俺には理解が出来なかった。
だけど彼女は
「……助かりました。立てますか?」
そう、気遣いをみせて、手を差し伸べて来たんだ。
俺はその手は断って、立ち上がりながら
「どうして……?」
そう、訊ねずにはいられなかった。
すると彼女は
「助けてもらったのに、助け返さないってあり得ないと思います」
そう真っ直ぐな目で俺に言ったんだ。
そして
「……お名前は?」
俺の名を訊ねて来たので、俺は
「
何故か、素直に名乗っていた。
こういうときは、先に名乗れよって言いたくなるはずなのに。
そのくらい、彼女の行動が分からなくて、圧倒されていたってことだろうか……?
「サイトーさんですね。分かりました」
彼女は頷く。
そして
「私の名前は、
笑顔を浮かべ、彼女は名乗った。
ギョッとした。
ミルファって……
キラキラネームじゃん……!
DQNネームと言わない主人公の優しさ。
ここで第1章終了です。
次から第2章。
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