地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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次話から毎日深夜1時に更新致します。


第6話 その名はミルファ

 ……まずい。

 

 痺れる身体で俺は

 

 詰んだ。

 

 そう思った。

 俺は動けなくなったのに、彼女は動けている。

 

 ……殺られる。

 

 つい、衝動のままに助けに入って、結果がこれかよ。

 馬鹿か……

 

 彼女は立ち上がり、右手の腕輪を確認していた。

 

 取得マッカを確認しているのかな?

 

 マッカとは……

 この地獄で流通している通貨の単位だ。

 

 あの怪物……地獄ガイドでは悪魔って書いてたけど……

 悪魔を倒すと、止めを刺した人間に加算される。

 

 これで、街エリアで食費、宿泊費、各種買い物の費用を出すわけだ。

 だから……

 

 このバトルロイヤルに参加している人間……亡者たちは、安全地帯である街エリアにずっといるわけにはいかないんだな。

 お金を稼ぐために、街を出なきゃいけないんだ。

 

 ……上手くできてると思ったね。

 

 外に出ると悪魔が居るし、修行やお金を稼ぐために悪魔と戦うと隙になる。

 すると必然的に、亡者同士の戦いも発生しやすくなる。

 

 

 ……ああ、でももう俺には関係ないかもな。

 彼女はマッカの確認を止めて、近づいて来た。

 無論、彼女のペルソナは出しっぱなし。

 

 ……つまり。

 そういうことだろ?

 

 地獄ガイドはまだ全部読めていないけど、緊急で必要そうなところは読み込んだんだけどな。

 無駄に終わったわけだ。

 

 ここで死んだら、俺は一体どこに行くのか……?

 今気にしてもどうにもならないんだけど、多少は救いがあって欲しい……

 

 そう、思っていたとき。

 

 彼女は

 

「ケイローン、この人を癒してあげて」

 

 そう俺を指差しながら言ったんだ。

 すると彼女のペルソナ……ケンタウロスのケイローンは

 

 俺に向かって右手のひらを向けて

 

 俺に光を照射した。

 同時に、俺の痺れが取れていく……

 

 えっ、と思った。

 

 殺さないの……?

 何で……?

 

 俺には理解が出来なかった。

 だけど彼女は

 

「……助かりました。立てますか?」

 

 そう、気遣いをみせて、手を差し伸べて来たんだ。

 

 俺はその手は断って、立ち上がりながら

 

「どうして……?」

 

 そう、訊ねずにはいられなかった。

 すると彼女は

 

「助けてもらったのに、助け返さないってあり得ないと思います」

 

 そう真っ直ぐな目で俺に言ったんだ。

 そして

 

「……お名前は?」

 

 俺の名を訊ねて来たので、俺は

 

斎藤(さいとう)正史(まさふみ)

 

 何故か、素直に名乗っていた。

 こういうときは、先に名乗れよって言いたくなるはずなのに。

 

 そのくらい、彼女の行動が分からなくて、圧倒されていたってことだろうか……?

 

「サイトーさんですね。分かりました」

 

 彼女は頷く。

 そして

 

「私の名前は、水畑(みずはた)美瑠葉(みるふぁ)です」

 

 笑顔を浮かべ、彼女は名乗った。

 ギョッとした。

 

 ミルファって……

 

 キラキラネームじゃん……!




DQNネームと言わない主人公の優しさ。

ここで第1章終了です。
次から第2章。

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