地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「全くとんでもない亡者だよ! 大体の亡者は金銭感覚ぶっ壊れてるのにさ!」
番台の上で怒りまくってるトリッシュ。
まぁ、勝手に怒ってくれ。
……だいたいさ。
食事スペースのモノの値段については、俺は突っ込んで無いんだからな?
牛乳1本1000マッカ。
アイス1本2000マッカ。
……絶対飲まないし、食わない。
なんて欲の皮が突っ張った商売なんだ。
「ふう」
俺がそんな感じで番台の妖精の欲深さに毒づいていると。
明智さんが隣で脱いで、脱衣籠に服を入れてる。
脱いだ明智さんは……
想像通り、かっこよかった。
痩せ型のガリガリじゃなくて。
動くための筋肉はキッチリついてる。
細マッチョまではいかないけど、弱い身体では無かった。
……下半身は
さすがに男同士でもそっちは失礼なので、意識して見ないようにする。
視界の隅で確認した限りでは、貧弱なサイズには見えなかったけど。
「ああ、あったかい……」
洗い場で念入りに身体を洗い。
大きな湯船に身体を浸ける。
……シャワーしか浴びて無いからな。
こういう、風呂に浸かるのはありがたい。
「隣、失礼するよ」
そこに。
明智さんがやってきた。
隣で湯に浸かる。
「あ、はい」
俺は頭にタオルを置いたまま、スッと目を閉じようとした。
だけど
「斎藤君」
隣の明智さんが声を掛けて来たので
俺は
「何ですか?」
リラックス状態だったけど、意識を向ける。
すると明智さんは
「……君は水畑さんが好きなのかい?」
そんなことを訊いて来た。
えっと……
ちょっと迷ったけど。
俺は
「……はい」
正直に、答えた。
明智さんは
「それは当然、女の子として、という意味だよね?」
「……はい」
少しだけ勇気が要ったけど。
そう返した。
すると明智さんは
「……おそらく、水畑さんも君のことが好きだと思う。だから……」
続く言葉でこんなことを
「自分を優先して、彼女に色々要求するのは止めてあげて欲しいんだ」
……この言葉で。
この人の真意がちょっと読めなくて。
それはどういった? という意味で訊こうとすると
「……強引に身体を求めたりして、自分の欲を満たそうとしないで上げて欲しい」
そんなことを
「本来は、大きなお世話だっていう話だけどね」
事情が事情だからね。
僕も、水畑さんも最終的に君を勝たそうとしている。
だから、これはそのための報酬だと考えてくれ。
「報酬……」
「そう、報酬」
明智さんは笑顔だった。
笑顔のまま、言って来た。
「積極的にデートに誘ってあげて欲しい。そして、徹底して王子さまであろうとしてくれないかな?」
彼女は現世では男性関係で良いことが無かった。
ならばせめて、最後の思い出くらいはあげてもらいたいんだ。
……この人、優しいな。
ひょっとしたら、実父の獅童正義が女性を玩具にする男だったから。
実父を否定したくて、そういう考え方をするようになったのかもしれないな。
だから俺は
「はい。やれる限り、頑張ります」
その言葉で明智さんが俺に願ったことを引き受けたんだ。
水畑さんに、最高の思い出をあげるのか……
やりがいはある。望むところだ。
そしてそう、はじめてだけど女の子を幸せにしたいと俺が強く思ったとき。
ガララと。
この男湯の大浴場に……誰かが入り込んで来た。
「えっ」
……俺はその人物を見て。
思わず声を洩らしていた。
親父の件もだけど、屋根ゴミの件もある。
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