地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
浴場に入って来たのは、鍛え抜いた身体の男……
あちこちに傷のある鋼のボディ……
嶽下だ。
「お?」
嶽下は入って来て即、俺たちのことに気づいた。
そして
「よぉ。こないだは廃墟で彼女と一緒にノゾキしてくれてどうも」
愉しいって笑顔で、俺にそんなことを。
……そこまで気づいていたのか……!
「で、そっちがアケチか? ……なるほど。顔つきに強さがあるな……」
明智さんに視線を向け。
しげしげと、舐めるように見ていた。
頭の中で、シミュレートしているんだろうか……?
明智さんは何をしてくるのか、どうすればそれを攻略できるのか……。
そんなことを
で、その後
「確かお前、コイツを危険視してなかったか? 手ェ組んだのかよ?」
そしてそこで、あまり指摘されたくないことを言われる。
俺はどう返したもんかと悩んでいたら
「……そうだね。手を組んだんだよ。嶽下さん、だっけ?」
明智さんは涼しい笑顔で嶽下にそう返す。
続けて
「僕は生前の生き方を後悔しているし、勝ち残って復活してやり直そうとも思わないんだ」
そう、自分の思っていることを口にする。
そして
「……嶽下さんは何かあるのかい?」
「いや? ねぇけど?」
しれっと、恥ずかし気もなく。
「俺は思う存分殺し合いができればそれでいいんだ」
そう笑みを浮かべて言う嶽下は。
言ってる内容を無視したら、夢を追う少年のような顔に見えた。
俺はその異常性にゾッとしたけど
「だったらさ」
明智さんは
「戦う順番を変えてくれないか?」
「はぁ?」
……前に嶽下と交渉は無理じゃないか、なんて言っていたのに。
交渉するんですか……?
「そりゃまたどうして?」
なんでこの俺にそんなことを言うんだ?
そう言いたげな顔で明智さんに訊ねる。
すると明智さんは
「……実は、亡者の1人に狙われてるんだ……そいつからの不意打ちを恐れて、廃墟エリアと森エリアには行くのを止めようって言ってたくらいで」
明智さんは嶽下に持ち掛けた。
俺たちより先に……
松山を狙ってくれって。
「なるほど……」
嶽下は掛かり湯をして、俺たちの傍に胡坐をかいて座って湯に浸かり
「で、それをして俺に一体何の得があるんだ?」
そう、当然のことを訊いて来た。
嶽下にしてみれば、どっちを先にしてもそれは個人の自由なのだから、聞き入れる理由が無い。
交渉には見返りが必要なんだ。
明智さんはそれを用意出来るのか……?
そう思い、じっと見守っていた。
すると
「松山を排除した後に、僕は君と正面から決闘することを約束しよう」
……あ。
なるほど……
強さに拘り、正面からブチ破ることに拘る嶽下にとっては、十分な見返りかもしれない。
それを明智さんが口にしたとき。
嶽下は一瞬、あっけにとられた顔をしていたが
「……こりゃいいな。好きだぜそういうの」
……破顔した。
「イラつく奴を殺すのは気持ちいいが、価値があると思える奴と戦って勝つのは最高に気分が良いんだ」
言いながら手拭いを頭の上に置く。
笑みを浮かべたまま。
そして
「……いいぜ。まずその松山ってイカレ野郎をやってやる。オマエはその後だ」
そう言い、嶽下は自分の肩を揉み、フーッと気持ちよさそうに息を吐いた。
嶽下の辞書には不意打ちや騙し討ちは無いのです。
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