地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第64話 約束

「温泉気持ち良かったですよ。マサフミ君はどうでしたか?」

 

「うん。温泉は良かったけど……正直ボリ過ぎだろって思った」

 

 ニコニコ訊いてくるミルファに。

 俺は少し嫌な予感がしながらそう返す。

 

 すると少し悔しそうに

 

「あ……そうなんですね。やっぱりあれ、高かったんだ……」

 

 ミルファは言い値で払ったらしい。

 マジかー。

 

 なんとなくさ、そうなるんじゃ無いのかと思ったんだ。

 ミルファは親に搾取されてた女の子だから。

 

 温泉の相場なんて知らないんじゃないのかと。

 自分で温泉のお金を払う機会、無かっただろうし。

 

 銭湯にも行ったことないだろうし。 

 

 そういう人間が、いきなり「温泉代金3万円です」って言われても。

 

 高ッ!

 

 って思っても。

 相場と違う! 安くしろって言い出しにくいかもしれない。

 

 俺だって、サキュバスの館の値段設定が妥当かどうか知らないわけだし。

 向こうでそっち関係でお金を使ったこと無かったからな。

 

「……いくらで温泉入ったんですか?」

 

「500マッカ」

 

 そう、告げると。

 残念そうな顔で

 

「……混浴だったら良かったですね」

 

 えっと……

 

 そんな彼女の言い分に。

 単純だけど、ちょっとドキッとしてしまった。

 

 

 

「じゃあ、また12時間後に」

 

 ヘルタック商店で。

 俺たちは時計を買った。

 

 1つ10マッカ。

 実に安い。

 

 ……普段バラバラの集団行動だしね。

 これからは時計は要るでしょ。

 

 そういう考えだ。

 

「ええ、12時間後に街の出入り口で」

 

 明智さんの去り際の言葉に、俺はそう返す。

 

 今の時計の針は9時を指してる。

 これが1周したら、また明智さんと一緒に外に戦いに行くのか。

 

 マッカも必要だけど、ペルソナカード、あとは魔人を探さないといけないからね。

 

 廃墟に行けないから、旺気(おうき)の杖なしで。

 

 ……しかし。

 

「これまで気づかなかったけど、雑貨が結構置いてたよね」

 

「そうですね。キャンプ道具だとか、携帯食とか……」

 

 あと、浴衣だとか、花火だとか。

 時計を探すときに気づいた。

 

 これまではバトルロイヤルに勝ち残るのに必要な道具や武器ばかり見てたけど。

 他に目を向けたら、結構あったんだよ。

 

 だから……

 

「あのさ」

 

 俺はミルファに

 

「何ですか? マサフミ君」

 

「明日、外での戦いが終わったら、花火しないか?」

 

 花火に誘った。

 夏じゃないんだけどな。

 

 でも、俺は彼女と花火をしたいし……

 

 彼女も、そうであって欲しい。

 

 彼女は……

 

「いいですね。やりましょう」

 

 嬉しそうに返してくれた。

 誰かと一緒に花火をするなんて初めてです。

 

 そうも言ってくれて。

 

 俺は、思い切って誘って良かったと思った。




花火って言っても打ち上げ花火は無理だがね。

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