地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第66話 賢者の時間

「料理できるんだ、すごいな」

 

 別に俺は女の子だから料理出来て当然とは思ってなかったんで。

 純粋に褒めた。

 好きな子の良いところは積極的に褒めたい。

 

 すると

 

「まぁ、マズい料理作ると親に捨てられて殴られて、妹たちもご飯抜きになったので、必要に迫られて、ですよ」

 

 笑顔のままで、重いことを言ってくる。

 俺はマズったと思い

 

「あ、ゴメン。分かんなかった」

 

 詫びた。

 何故彼女が料理出来るのかを推理できないなんて。

 迂闊だった。

 

 結構簡単に想像できることなのに。

 

 だけど彼女は

 

「ああ、別に気にしてません。純粋に……好きな男の子にご飯を食べさせる女の子の経験が出来なかったのが残念だって言ってるだけなので」

 

 そう言って笑う。

 ……彼女は最初に出会ったときから優しかったし。

 誠実だったと思う。

 

 あのとき……この世界に来たときに。

 最初に出会ったのがこの女の子で。

 

 俺はルール上倒さないといけない相手だと知っていたけど……

 

 それでも倒す選択肢を取らなかった。

 彼女が悪い人間にどうしても思えなくて。

 かと言って、見殺しにも出来なくて。

 

 あのときの選択……

 間違ってなかったと思う。

 

「俺は、地獄にやって来て最初に出会ったのがミルファで良かったと思ってるよ」

 

「そうですか……」

 

 俺の言葉を彼女は聞き流すようにそう返し。

 

 そして

 

「私もです」

 

 なんてことない口調で、そう言ってくれた。

 

 

 

 で、寝ることになったけど。

 

 掛け布団を彼女が使って。

 俺は毛布を使い、畳で寝ることにした。

 

 彼女は「別に一緒でも良いですよ?」なんて言って来てくれたけど。

 それは辞退した。

 

 ……そんなもん、100%襲ってしまうに決まってるし。

 好きな女の子が、湯上りで浴衣を着てすぐ隣で寝ているなんて。

 理性が持つわけない。

 

 そうなれば、俺は裸で街の外に放り出されることになるかもしれない。

 それは困るし……

 

 明智さんと約束したから。

 他人と結んだ約束は破りたくない。

 

 ……まぁ、ミルファが俺と同じ布団で寝ることになることを受け入れたんだから、俺とそういうことになってしまうことも受け入れているはずだ、って考え方も出来るかもしれないけどさ……

 

 そういうの、俺の勝手な決めつけかもしれないわけで。

 どうも女の子は、男の性欲の厄介さを理解してない子が多い気がするんだよな……

 

 これまでの人生での一般的な女の子の言動を振り返って出た結論だけども。

 

 だからまぁ、念のためだよ。

 

「本当に、畳で良いんですか?」

 

 ……ミルファが心配そうにそんなことを言ってくるので

 

「別にいいから」

 

 そっけなくそう返し。

 何とか寝ようとする。

 

 ミルファの視線を背中に感じながら

 

 

 だけど……

 

(クソッ、ムラムラする!)

 

 ……隣で、俺に好意を向けてくれてる、俺の好きな女の子が薄着で寝てる。

 それがどうしようもなくムラムラして。

 

 頭の中で、これまで色々見聞きしたシチュの女役を彼女に置き換えた映像が流れていく……

 

 ああもうダメだ!

 

 俺は身を起こした。

 隣の布団を見る。

 

 ……彼女は寝たみたいだった。

 

 俺は……

 

 トイレに行った。

 テレビをつけるのはできんから、トイレに行くしかない。

 

 それにトイレには紙があるから、ちょうどいいし。

 

 

 フゥ……

 

 

 あとは、よく眠れた。




本作、R18ではありませんのでェー

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