地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
俺がはじめてのキスを終え。
そっと離れたとき。
ミルファがポロポロと泣き出した。
流石に慌てた。
何で泣いてるのか分からなかったから。
流石に
俺とキス出来て嬉しかったから。
……そんなわけないし。
あり得ん。
俺はさすがにそこまで思い上がってない。
俺が戸惑ってるのを見て、ミルファは
「あ、すみません」
涙を拭いて、微笑む。
そして
「……マサフミ君にはじめてあげられるものがなーんにも無いんだなって思ったら、悲しくなったんです」
そんなことを言った。
何だ。
そんなことかよ。
「そんなの関係ない!」
ハッキリ言ってやった。
俺は……
「ミルファが良いんだ!」
ミルファで無いと嫌だ!
ミルファで無いと意味が無い!
嘘じゃ無いし、恥じることでも無い。
だからまっすぐ、堂々と言ったんだ。
ミルファは……
信じられないみたいな目で俺を見つめて。
そして
また泣き出して、俺に抱きつき
今度はミルファの方からキスをしてきた。
「嬉しい! 嬉しいよマサフミ君!」
そのとき見せたミルファの笑顔は、これまでで一番可愛かった。
俺の胸が高鳴る。
今、俺とミルファの心が繋がっている。
そう、強く確信できたから。
「私、もっと早くあなたに会いたかった!」
そう言った3回目のキスをする。
……俺もだよ。
もしそうであれば、俺たち……
こんなところにいなかったかもしれないな。
その後。
花火を片付けて。
また、スイートルームに泊まった。
今度は2人分の料金を払って。
……さすがに俺の方に、同衾する勇気が無くてさ。
同衾したら絶対やってしまう予感があったから。
三大欲求を舐めちゃいけないだろ。
俺は童貞だけど、そういう歴史は興味あって色々あって調べていたし。
生前、セックスしたせいで仲が壊れたカップルの話を聞いたことがあったから。
やったら終わるかもしれない……そんなの嫌だし。
ミルファは今、大切な俺の彼女だ。
彼女とのこの関係性を壊したくない。
スイートルームで一緒にお茶を飲んでいた。
部屋の備え付けの御茶碗にお茶を淹れて。
ミルファはすぐ隣に座ってて。
お茶を飲みながら、時折、思い出したようにキスをする。
「好きですよ。マサフミ君」
その度に、ミルファは俺に好きと言ってくれた。
無論、嬉しいけど……
そこに俺は、生前の彼女の境遇が影響していることが見えて。
……胸が締め付けられるように辛くなる。
(ミルファにとっては、これが初恋なのかもしれないな)
ミルファを幸せにしたいけど。
この地獄で、俺にはそれは出来ないから……
「……なぁ」
「何ですか? マサフミ君」
俺の呼び掛けに
優しいミルファの声。
俺は訊ねた。
「ハグしていい?」
抱いていい? だと誤解があるからな。
俺はそういう言い方をした。
すると
「……了解とらなくていいですよ」
えっ、と思ったけど。
彼女の中では、そういうのは無粋なのかもしれないな。
だから俺は彼女を無言で抱き締めた。
彼女は俺より小さくて。
繊細で。
柔らかくて。
そしていい匂いがした。
そして次の日。
「マサフミ君。今日も頑張りましょうね」
先に起きて、布団を畳み。
すでに身支度を整え終えていたミルファが。
寝起きの俺に抱き着いてキスをした。
ミルファに言われて身を起こした俺に。
……寝起きなのに口臭いとか思わないのかな?
まぁ、嬉しいんだけど。
「ああ、ちょっと待って。すぐ支度するから」
そして俺は起き出して、着替え始めた。
ヒロインとイチャイチャしまくる主人公。
……ここにいる間だけの関係なんだよな。
本作を読んでいただき感謝です。
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