地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
第75話 廃墟エリアにて
俺のペルソナも進化したので。
俺たちは狩場を廃墟エリアに移した。
……松山が襲って来ても大丈夫。
そんな自信が出てきたせいだ。
俺のテミスは、目隠しをした姿のペルソナであるせいか。
気配……特に殺気の察知能力が高いんだよな。
だからもし、何も知らずにのこのこ不意打ちを狙ってきたら、返り討ちだ。
それに魔人ゴーストQを狙うこともできるしね。
「焼けてしまいなさい!」
ラクダに乗った、青い女神官みたいな衣装を着た女悪魔。
それが俺たちに手を向けてきた。
その手から、灼熱の火炎魔法が放射される。
でもまぁ、俺は今は火炎が効かない。
炎の中を突き進み、亡者の腕輪に触れる。
「なッ!?」
自分の火炎魔法が通じないことに驚愕している女悪魔。
その顔には焦りがあった。
魔法に絶対の自信があったのかね。
「テミス!」
俺の声に応じて、俺から放射されたエネルギーが中性的な姿の細身の剣士の姿になる。
俺のペルソナ……テミス。
俺はテミスに命じる。
「霜剣乱舞だ!」
『承知した』
霜剣乱舞は氷結の剣。
今、この女悪魔は火炎魔法を使用した。
ということは、氷結が弱点である可能性が高い。
テミスが高く掲げた長剣に、冷気の渦が巻き始める。
女悪魔の顔が強張っていく。
……やっぱりだ。
「喰らえッ!」
そして俺が氷結の斬撃を浴びせようとしたとき。
「参りましたわ!」
……その前に。
女悪魔がラクダから降りて座り込んで、平伏したんだ。
……命乞いされてもなぁ。
今、正直ペルソナカードは要らない。
メインペルソナが進化して、弱点が消えたので。
サブに何をつけるべきか良く分からなくなってて。
取り敢えず、今はメインで電撃攻撃は出来るので。
戦車トールから、ヒーリング能力があり衝撃魔法を使用できる太陽ケツアルカトルに変えた後。
やっきになってカードを集めるのは止めてるんだよね。
明智さんは今のサブのビシャモンテンで特に問題は無いって言ってるし。
ミルファも、超回復魔法メシアライザー、超支援魔法ヒートライザ、ヒーリング能力、そして感覚強化の能力がある女教皇マリアからサブを変える気は無いらしい。
だから今、悪魔を狩っているのは修行目的と、マッカ稼ぎ。
なので命乞いされても……
「悪いけど、今はマッカしか要らないから」
そう告げると
「そんな! 酷いです!」
取り乱し、女悪魔はペルソナカードを差し出して来る。
悪魔にとって最終手段。
カードによると……
恋愛ゴモリー。
……ゴモリーか。
「ゴメン。今はカード集めて無いんだ」
「待って! だったらこれはいかがでしょう!?」
慌ててゴモリーは、ごそごそと懐を探って。
両手で差し出して来た。
……緑色に輝く宝石……
……これ、エメラルドか?
宝石……
俺の中で、ふと思いつくものがあった。
俺はゴモリーからエメラルドを受け取って、見逃した。
「ありがとうございましたわ!」
礼を言った後、ゴモリーはラクダに乗って逃げていく。
俺は受け取ったエメラルドを学ランのポケットに仕舞う。
「マサフミ君、それ、換金するんですか?」
ミルファが俺の選択にやや戸惑いを感じているみたいだった。
宝石なんて受け取ってどうするつもりだろう?
この地獄で何か活用できること、あったっけ?
そんなことを思っているのかな。
俺は
「……廃墟エリアってさ」
独り言のように、言った。
「オフィス跡の部屋に鋏やボールペン、椅子やメモ帳が放置されていたよね」
以前、明智さんと話をするために入った部屋を思い返しながら。
ミルファは
「ええ……オフィスにありそうなものがそのまま放置されてましたね」
唇に人差し指を当てて思い返してそう返して来た。
俺はそれに
「……ヘルタック商店でボールペン売ってたっけ? 鉛筆しか無かったと思うけど?」
そう言ったんだ。
つまりどういうことだってばよ?
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