地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「ミルファ、合体魔法をやってみよう」
「わ、分かりました!」
俺の呼び掛けに。
ミルファが慌てたように応えてくれる。
……合体魔法の発動は、1回試してはいるんだけど。
標的アリでやるのはこれが初めて。
……ドキドキする。
合体魔法とは?
それは……
その種類によって効果が変わる特殊魔法。
誰か1人でも同意していないと発動しないので、そこが厄介な魔法だ。
……だけど。
その厄介さをクリアするだけの価値はある……ハズ。
青い杖……
俺が杖を短く持ち。
ミルファがその余った部分を両手で持つ。
……なんとなくだけど。
俺は空いている左手で、ミルファを抱き寄せる。
なんとなくだ。
別に肩を抱く必要は無いんだけどね。
……ミルファは特に嫌がらない。
じゃ、良いよね……
「いくよ、合体魔法」
呼びかけながらミルファをギュッと抱く。
これでタイミングを合わせる。
ほぼ同時に念じないといけないから。
こういう努力が要るんだな。
……まあ、それが肩抱きでなければならない理由は無いんだけど。
ミルファは
「いきましょう!」
俺に応じてくれて。
合図のために、俺は彼女の細い肩をギュッと掴む。
そのとき
「ペルソナッ!」
声のタイミングがぴったり合う。
その瞬間。
俺たちのペルソナ……テミスとスレイプニルが召喚され。
それが光となり、合わさり……
赤い侍甲冑を身に着け、烏帽子を被った美形の武士の姿になる。
<合体魔法・ヨシツネ召喚>
俺たちの合わさった意志に応え、ヨシツネは抜刀して目の前に存在している大顎の悪魔に突進していき……
<HASSO-BEAT>
その二刀で、滅多切りに切り刻んだ。
その斬撃は、とても素早く
ヨシツネは縦横無尽に飛び回り、四方八方から斬撃を浴びせた。
グアアアアアアアッ!
そして大顎悪魔は一切の防御対応が出来ずに、塵になるまで切り刻まれた。
……すっごいな。
この威力……!
これは間違いなく、俺たちの切り札になる。
そう思い、興奮する。
そして
「マサフミ君……」
俺を傍で見上げるミルファの目は潤んでて。
ドキっとし、別の意味でも興奮した。
俺は……
「欲しいものは手に入れたわけだし、早く街に戻ろうか」
……色々、辛抱たまらないっていうかさ。
街に戻って来た。
……上手く行けばいいんだけどなぁ。
「ヘルタック商店に何の用事が?」
俺が2人に言ってヘルタック商店に来てもらったんだ。
ここのところ、この店にはあまり用事は無いんだけどな。
ミルファは外せないし。
明智さんには立ち会って貰いたかった。
俺のやり方に何か致命的なものがあると困るから。
……店に入る。
店の中は品物が所狭しと並んでる。
奥のカウンターに、ドワーフの店主と雪だるま悪魔のジャックフロストの店員。
「いらっしゃい」
「らっしゃいませホー」
俺はその挨拶に特に何も返さずカウンターに近づき。
「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど、良いですか?」
ごそごそと
……エメラルドをポケットから差し出しながら。
店主は読んでた本を閉じて、エメラルドの石をジロリと見て
「これが何かあるんか?」
そう、返して来た。
……俺は息を吸い込んだ。
馬鹿を言うなって言われたらどうしようかと思った。
けど……
言ったよ。
「このエメラルドで、何かアクセサリーを作って貰えませんか? 出来れば指輪が良いんですけど」
……指輪。
俺はミルファに、指輪をあげたいんだ。
指輪はあげたいでしょうね。
喜んでくれるなら。
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