地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第80話 あり得ないだろ

「お前と会話することなんて何も無いんだが?」

 

 開田の手先から松山の手先にクラスチェンジしたクラゲとする会話なんて何もない。

 だから俺は追い払う一択だった。

 

 暴力禁止だから殴り合いは出来ないけど。

 言葉で追い払う分には何も制限は無いからな。

 

「お前は俺の彼女に凶器を持って襲い掛かった。そんな相手と、手を組むなんて相当難しいのは理解できないか?」

 

 そう、俺は背後にミルファを庇いながら言う。

 ミルファの方はノーリアクション。

 

 まぁ、ミルファは男に寄り掛かって生きて行こうとか考える女の子じゃないし。

 

 ……正直、服の一部でも掴むみたいなリアクションがあったらどうしようかと思ったんだけど。

 夢を見過ぎだ。

 そんな妄想をした俺は、ミルファを分かっていなかった。

 

 そして久保は俺のそんな言葉を受けて。

 

「でもオマエ、明智と一緒にいるじゃんか!」

 

 そう言い返して来た。

 非難めいた口調で。

 

 ……だから何だよ?

 

 イラっとした。

 

 自分からは何もしないのに、色々頑張る他人と同じ扱いを受けたがり、そうならないと

 

 差別された。俺様可哀想。

 

 そう、嘆き。

 恨む。

 

 ……この手の人間のそう言う思考回路は本気で嫌いだし、それが問題であるとは全く思わない。

 

「逆に考えるんだ……何で一緒に居るんだろうね? 強いからかな……?」

 

 俺の言葉に久保は、訝し気な顔をして

 

「……そうなのか?」

 

 そんなことを。

 

 ちげぇよ。馬鹿。

 

 俺は久保の馬鹿さ加減に吐き気を覚えるほどの嫌悪感を持ちつつ。

 

「信用できるからに決まってるだろうが!」

 

 ……思わず声が大きくなった。

 俺は前にお前が仲間入りを打診して来たときに言ったよな?

 

 お前は信用できないって。

 

 明智さんは危ないときに助けてくれたし。

 ジョカに襲われたときは、時間稼ぎを申し出てくれた。

 信用できるに決まってる。

 

 対してこいつはどうだ?

 

 あっちにフラフラ、こっちにフラフラ。

 生き残りたいのは否定しない。

 それは自由だ。

 

 だけど、コイツはその自分の行動に対して何も責任を取って無いんだよ!

 

 だから厚顔無恥にも、以前は仲間入りを打診して来たし。

 そして今は、こうして一方的に会話を持ち掛けようとしている。

 

 そんな奴、信用なんて出来るわけが無いだろ!

 

 だから

 

「……以上。勝手に1人で1分1秒でも長生きすることを考え抜いて生きて行けばいいさ。俺は知らん。アンタの人生だ」

 

 そう言い捨てて、俺は去ろうとした。

 ミルファの手を掴んで、一緒に地獄宿に戻ろうと。

 

 ……あとで「マサフミ君の剣幕、ちょっと怖かった」なんて言われたら嫌だな。

 頭の片隅でそんなことを考えつつ。

 

 だけど

 

「待ってくれよ!」

 

 ……久保のやつ。

 

 俺の前に回り込み。

 

 ……土下座をしてきたんだ。

 

 本気で吐きそうになった。

 ……土下座ってのはね。

 

 奴隷の行動なんだよ。

 

 軽々しく選ぶべき行為じゃないんだ。

 

 やるとするなら……

 それは誰かを守るとき。

 

 断じて自分のためにしてはいけないと、俺は思ってる。

 

「土下座したら何でも通るとでも思ってんの? 終わってるよ。アンタ」

 

 もういいや。

 早く宿に帰ろう……

 

 そして俺がミルファの手を引き、背を向けてその場を去ろうとしたとき

 

「危ねえッ!」

 

 ……突如、明智さんの荒っぽい叫び声がして。

 

 驚く前に、後ろから何かに激しく殴打され。

 

 俺とミルファ、2人はその場をぶっ飛ばされた。

 

 それと同時だ

 

 ドンッ!

 

 爆発音。

 衝撃。

 

 ……え?

 

 

 

 ぶっ飛ばされながら、ミルファを腕の中に庇うことはギリギリ間に合った俺は。

 信じられないものを見た。

 

 そこには久保のバラバラ死体があって。

 

 その少し離れたところに、焼け焦げ、血に塗れ、金属の破片を無数に身体に受けている明智さんが倒れていた。

 

 ……何だ?

 

 何が起こった……?

 

 一体何が起こったんだッッ!?




暴力禁止じゃ無かったの?

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