地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「明智さん!」
まだ塵化していないってことは、生きてるはず!
助けないと……!
どういうわけか俺が見るまで存在していた久保のバラバラ死体はすでに消え去っている。
だから多分、今は腕輪の生き残り人数は5になっているはずだけど……
そんなことはどうでもいい
慌てて駆け付け、倒れている血だらけの明智さんを抱き起す。
「来て! スレイプニル!」
そしてミルファは、自分のペルソナを召喚し。
それを……
「マリア!」
サブペルソナに切り替える。
究極の回復魔法を使用するためだ。
「……う」
明智さんが呻き声をあげる。
まだ息がある……!
「明智さん! すぐ助けます」
俺の言葉に。
明智さんは
「……ま、まずったね」
ハハ、と小さく自嘲気味に笑い。
少し感心するように
「……この手があったか。……爆弾」
そう、言い残し
そして……一瞬で
……黒い塵になり、消えていった……
俺の腕の中から、明智さんの体重が消失する。
サブペルソナ・マリアにメシアライザーを使用させるべく、行動していたミルファが
「そんな……」
絶望的な声を洩らした。
……どうしてだ?
爆弾ってどういうことだよ……?
ここ、暴力禁止なんだろ……?
俺の頭の中で、疑問符が渦巻く。
「……マサフミ君……腕輪の生き残り人数が4人に……」
そんなミルファの言葉で。
俺は明智さんが死んでしまったことを自覚する。
……畜生……なんで……!?
俺の頭の中で、今まで明智さんにしてもらったこと、そこからミルファと一緒に過ごしたことが思い返されていく……
そこで……
一緒に、ヘルタック商店に無いものを探して廃墟を彷徨ったことと
花火を買いに行ったときに、花火が線香花火以外何も無かったことを
そこで、何か繋がった。
花火には火薬がある……
そして確か、花火を分解するのは犯罪……
廃墟エリアでは、ヘルタック商店では手に入らないものが手に入る可能性……。
ひょっとしたら松山は。
花火の火薬から、ここまでの威力の爆弾を作ったのだろうか?
足りない物品は、廃墟で探して。
それで、爆弾を……!
爆弾を作った場合、1つ可能になることがある。
……それは、地雷や自爆特攻などの自動的な遠隔攻撃が可能になる点だ。
「畜生……松山のやつ、花火で爆弾を作りやがったんだ……! それでこんなことを……」
そこに気づいたとき。
俺は思わず口に出していた。
……ミルファとの思い出作りの裏側で、あの狂信者が何をやっていたのかに思い当たって。
「……爆弾?」
ミルファがそれを聞き咎めるように言い
「爆弾ってどういうことですか……? 爆弾があったら、街の中でも他人を攻撃できるってことですか……?」
そう、訊ねて来た。
俺は頷く。
悔しい……
「条件付きだけど……爆弾は攻撃の意志を持たなくても、起爆できるだろ……?」
そこが他の殺傷武器との違いなんだ。
……おそらく。
この街中でも、他人を殴ったりぶっ飛ばしたりは可能だ。
その証拠に、さっき俺たち2人は、後ろから明智さんの一撃を喰らって吹っ飛んだ。
それが許されたのは、ぶっ飛ばしたのが俺たちを爆弾から救うためだから。
これは救助であって、攻撃では無い。
そう認識していたから、出来たこと。
爆弾は、そういう隙を突くことが出来るんだ。
俺は予想を口にする。
「……多分、久保の奴は松山からそれが爆弾であるとは知らされずに爆弾を渡されて……」
俺たち相手に何かして来いって言われたんだ。
そしてそれが上手く行かない場合は、切り札としてこれを起動するように。
そんな感じで。
「そうすれば、久保にとっては松山のお遣いの目的達成のための強力アイテムを起動しただけで、攻撃してる気は無い、となるから……」
俺の言葉に。
ミルファの目に怒りの感情が浮かぶのが分かった。
彼女も許せないと思っているのか……
そう。酷過ぎる話だ。
あいつがいくらクラゲ野郎でも、こんな使い方は無いだろ……!
仮にも仲間として迎えた人間に、こんな真似をさせるだなんて……!
「汚いんだよ……目的が正しければ、何をやっても良いってことかよ……クソ野郎」
俺は地面に膝をついたまま、松山への怒りの言葉を口にしていた。
実際に花火でこれだけ強力な爆弾が作れるのかという疑問は封印の方向で。
創作では、本当のことを調べて書いてはいけない分野があるんですわ。
(推理小説でも、トリック部分に大体敢えて書いていない大穴を設けるんですよ。もし犯罪で模倣されると有害な作品になるので)
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。