地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「人にとっての最高の幸せは、社会に出てヒトに関わり、他人に喜ばれる存在になることです」
その目は真っすぐで。
心から言っている言葉だった。
ミルファ……
しばらく沈黙が下り
「……なんてことを、私を説得してくれた男性刑事さんに言われたんです。受け売りですよ」
少しだけ冗談ぽく微笑み、ミルファは言った。
「私ね、そのとき身体を売るのも社会貢献でしょ、って言い返したんですよ。笑えますよね」
すると刑事さんは「確かにそういう面もあるが」って返してきて
お前さんはそれを自分のために望んでやってるんだな? って言われて
私それには何も言えない自分に気づいたんです。
家計のために、親の命令でやってる。
そう言うことに気づいちゃって。
だって刑事さんはその前に
「俺にも一人娘がいる。女房に死なれたから、俺一人で立派に育て上げないといけない」
「親の立場として、子供から搾取する親は許せない」
って言ってたから。
私が家計のために売春してるなんて言っても、絶対に「それならしょうがないな」なんて言葉は返ってこない。
そう思って。
そこから私は自分のやってることがおかしいと思うことが出来たんです。
……寂しそうなミルファの過去の話。
「……マサフミ君は、いじめっ子を返り討ちにして、やり過ぎてしまったから仕返しされて死んでしまったんですよね」
……そして俺の過去。
彼女と肌を合わせているときに、全部教えてくれって言われたから。
言ってしまった。
正直、そのときに達成感すら感じていたことを。
……それを聞いたとき。
彼女は俺のことを悪くないとは言わなかったけど……立派なことをしたんだとも当然言わなかった。
ただ、黙って聞いてくれた。
……それについて、今……何かあるのだろうか?
彼女の言葉の続きを待つ。
彼女は
「最初は、いじめられている子を助けたいって言う、優しい心が発端ですよね……そこは何も悪く無いです……悪いはずがないですよ……」
優しい声で、俺のやったことを語ってくれる。
そこには俺を認める響きがあり……
「だから、その優しくて勇気ある心を、現世で活かして欲しいです。……それで他の人を救って欲しい……」
そんなことを言われた。
……そんなの……拒否できるわけが無いだろ。
俺は頷いた。
ミルファが望むなら、俺は現世に復活したら環境のせいで悲惨なことになっている人々を救うために自分の生涯を捧げるよ……
それを誓う……君に誓う……!
俺は自分の想いを、心に浮かんだままに口にして。
彼女は何度も頷いてくれた。
そして
「私は、そんな優しくて勇敢な男の人に大好きって言って貰えて……もう、それだけで良いんです」
その言葉を口にしたとき。
そのときの彼女の笑みは少し寂し気で……
俺は
「……ミルファ……」
衝動のままに、自分が彼女に思ったことをそのまま言った。
「俺、君とここで一緒に暮らせるなら、親に二度と会えなくなっても構わないって本気で思ったんだ……」
彼女と一緒なら、俺は何処だって幸せに生きていける。
そこに何の疑問も持っていなかった。
親には申し訳ないけど、どうしてもそうしたかったんだ。
「君をお嫁さんにして、ずっと仲良く生きていきたかったよ……」
搾り出すように俺はそう彼女に告げて
彼女は俺の告白を聞き
「マサフミ君……」
こんなことを言ってくれたんだ。
「私だってあなたの奥さんになりたいよ……でも、あなたには蘇って欲しいから……」
ミルファの声は少し震えていた。
俺は彼女を見つめる。
彼女は
「……指輪くれてありがとう……左手の薬指に嵌めてくれてありがとう……」
涙声でそれを言った。
俺も……あげて良かったと思った。
俺こそ思う。
本当に良かった……嬉しい……。
俺の腕の中で感謝の言葉をくれる彼女が本当に愛おしくて。
俺は彼女を強く抱きしめる。
俺に抱きしめられながら
「もう、その思い出だけで私は十分」
そう言った後。
言った後に彼女は
「でもマサフミ君は……」
こんなことを……
「私の旦那様になりたい……?」
こんな、衝撃的なことを言ったんだ。
その潤んだ目に。
俺の頭は……ひとつしか考えられなくなっていた。
「なりたい! なりたいさ!」
これ以外、返せない。
だって、彼女を俺のお嫁さんにしたいってのは本心で。
ずっと一緒に居たいのも本心で……
俺の返事に彼女は本当に嬉しそうに微笑んでくれた。
そして
「……分かりました」
そっと俺にキスをして。
唇を離した後。
「今から私は、マサフミ君のお嫁さんです。よろしくお願いしますね」
真面目な瞳で宣言した。
彼女が、俺と夫婦になったことを。
「アナタ」
そんな……ミルファが、俺のお嫁さんとして最初に発した言葉。
……それを聞いたときの俺は。
ちょっと、泣いてたらしい。
あとからミルファに……俺の奥さんに聞いたことなんだけど。
ここからは新婚のステージだ!
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