地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
俺とミルファがスレイプニルに跨って、教会から飛び出して。
高みから外を見下ろす。
教会は灯油かガソリンでも撒かれたのかね……?
周囲が燃え上がっていて。
そこから少し離れた位置で、2人の男が戦っていた。
1人はアーミーパンツの傭兵の男……嶽下。
もう1人は司祭の法衣を身に纏った初老の男……松山。
嶽下の未開人が使いそうなナイフに、松山は二刀流で立ち向かってる。
アイツ、宗教関係者の癖に、二天一流でもやってたんか?
すごい、様になってる。
「なかなかやるじゃねえか! だが、俺の獲物を盗みやがったのは許さねえがな!」
「何を言ってるのですか君は!? 神の王国建設を邪魔していることを自覚なさい!」
激しく刃物を打ち合わせ、そして
「セラフ! 蜂の巣にしてやりなさい!」
松山は自身のペルソナを召喚し
そのペルソナの両手のひらから、バルカン砲の銃口を出現させ。
ブイイイイ、という馴染みのない音で銃弾を一斉発射。
地面を穿ち土煙を上げる。
だけど嶽下は全く怯まず
「グラシャラボラス!」
彼のペルソナ……黒い有翼の狼獣人の姿のペルソナ……グラシャラボラスを召喚した。
バルカン砲2門の銃撃を回避しながら、だ。
俺は
「松山!」
上空から言葉を叩きつける
「俺たちの結婚式を邪魔するとはどういうつもりだ破戒僧!」
俺の言葉に
「……何が結婚式だッ! 結婚式とは、神に祝福されし善良なる男女が、神に永遠の愛を誓う儀式!」
松山は般若のような表情を浮かべ。
俺たちを睨み据え、叫ぶ。
「それを邪教徒が真似することが、神への冒涜であると分からんのか悪鬼めッ!」
……なるほど。
何で結婚式で襲ってくるんだと内心思ってたけど。
そういうことなのか。
……神の祝福を受けているのはメシア教徒だけだから。
それ以外の人間が結婚式をするのは、神を侮辱する行為だと。
神棚の上で排便でもされるみたいな。
そんな怒りを覚えたから、攻め込んで来たのか。
……とことん、終わってる。
こんな奴、現世に絶対復活させられない。
「お前たちに愛など無い! あるのは獣の発情と変わらぬ肉欲だけだッ!」
……松山は口汚く罵っている。
俺は意識的に聞き流すようにした。
……ミルファとの愛は、誰にも否定させない。
まともに聞けば、きっと今度はこっちがブチ切れる。
「久保君の献身による裁きからも、しぶとく生き残りおってダニめッッ!」
発狂する松山を前にして
「ミルファ、聞くな。無視しろ」
俺が、スレイプニルの手綱をとってる奥さんに言うと
「はい。分かってます。あなた」
……彼女は不思議なほど落ち着いていた。
人間としての度量は、俺より彼女の方が大きいのかもしれないな。
「よそ見してんじゃねぇぞ○○ガイ坊主ッ!」
そして目論見通りだった。
俺の言葉に平静を崩した松山に
嶽下が必殺攻撃を浴びせたんだ。
松山のペルソナ・グラシャラボラスの姿が消える。
そして次の瞬間、見えない何かの斬撃で、松山が激しい攻撃を受け始めた。
「ぐううううう!」
防戦するが、間に合わず。
何度も斬撃を浴びる松山。
……確か『空間殺法』
斬撃を浴びせている存在が見えないせいで、回避が極めて困難なんだろうな。
嶽下の猛攻に動きを封じられている松山。
その傍に俺たちは降り立ち。
……青い杖……
「ミルファ、終わらせよう」
「はい!」
そして俺たちは1本の杖を握り合う。
……これは夫婦の共同作業だ!
決着……?
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