地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第9話 なんで?

「俺のゲンサイは物理攻撃に特化したペルソナなんだ。攻撃魔法は氷結魔法が使えるけど、それほど得意じゃない」

 

 俺は自分の情報を彼女に開示。

 組むと決まったら、出来ることは共有し合わないと。

 

 ……無論、いずれは戦うことが決まってるから、そこは考えないといけないけど。

 

 だから、弱点の開示はやめておいた。

 ゲンサイは火炎弱点で氷結に耐性がある。

 

 得意分野の開示もやばいと言えばやばいから、早急に対策を打たないとなぁ。

 俺はそれを考えた。

 

 あてはあるんだ。あては……

 

 俺の情報開示を聞いた彼女は

 

「私のケイローンは、治療魔法に特化してます。武器としては弓を使いますけど、攻撃手段はあまり無いです」

 

 ケイローン……

 確かギリシャ神話のケンタウロスの名前だよな。

 

 野蛮人揃いのケンタウロスの中で、唯一善良と言われてる賢者。

 それが彼女の中のもうひとりってことなのか……?

 

 そんな俺の勘繰り。

 それは……

 

「……で、弱点は呪殺魔法。電撃魔法には耐性を持ってます」

 

 この一言で吹っ飛んだ。

 

「えっ?」

 

 何で弱点を開示するの?

 意味が分からなかった。

 

 そんなことをしたら、最終的に勝ち残る方を決めるときに君が困るだろ……?

 

 俺のそんな心境が顔に出てたのか

 

「私、優勝は目指して無いんです」

 

 彼女は笑顔のままで言ったんだ。

 

 ……優勝を目指して無い?

 それって……

 

「現世に復活できなくても良いってこと?」

 

 訊ねると

 

「ええ、はい」

 

 そう言いつつ。

 さっきサービスで運ばれてきた水を飲む。

 

 ええ……

 

「なんで?」

 

 訊かざるを得ない。

 彼女は

 

「この世には、居ない方が良い人間っていると思うんですよ」

 

 そんなことを、笑顔で言ったんだ。

 

 俺はそこに……

 少しだけど、確実に闇を感じた。

 

 だからそれ以上は訊ねなかったよ。

 これ以上訊くのは覚悟が要る。

 

 そう思ったから。

 

 代わりに……

 

「それじゃあ君はどうして戦っているの?」

 

 俺は「だったら脱落すべきでは?」って思った。

 さっき、必死で戦っていたじゃないか。

 言ってることと、やってることが矛盾してるじゃん。

 

 すると彼女は

 

「そういう人間は、私だけじゃないかもしれない。そんな人が、現世に復活したら悲劇です」

 

 ……なるほど。

 筋は通ってると思った。

 

 彼女は……

 

 自分は復活するべきではないと考えていて。

 同様に「自分と同じく復活するべきではない人間の優勝を望んでいない」のか。

 

 そして同時に……

 

 彼女は俺のことを「復活を目指していい人間」って買ってくれたんだな。

 でなければ、あそこで俺を殺さなかったことに説明がつかないし。

 

 それは嬉しかったし……

 同時に俺は彼女のことは信じようと思ったんだ。

 

 そこで。

 

「おまちどう~。味わって食えよ。美味いから。ひじょーに」

 

 この食堂の店主の悪魔が、俺たちの注文した料理をワゴンで運んできた。




地獄に来る人間が、普通なわけ無いんだよ。

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