地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第94話 2体のペルソナ

 そんな……そんな……!

 

 ミルファがやられた……!

 

 どうしてだ……?

 電撃属性の真理の雷を浴びせたのに

 

 ……反射されたのか?

 

 反射されて、即死級のダメージが跳ね返ってきて、即死したのか……?

 

 

 ……ミルファ。

 

 初めて心から好きになれた女の子……

 

 俺の奥さんになってくれた女の子……

 

 もっと一緒に居たかった。

 もっと喜ばせたかったし、もっと幸せを噛み締めさせてあげたかった……

 

 彼女は俺がここにずっといることを望んでなかったから、最後は別れなければならない運命は決まっていたけど……

 

 それは、今じゃないだろ

 

「あ……」

 

 へなへなと。

 

 俺は地面に手を突いていた。

 立てない……

 

 そして

 

「ああああああああああ!!」

 

 絶叫し、泣き喚いた。

 こんなこと、小学校を出て以来1回も無かったのに。

 

 身体が半分無くなったような気持だった。

 

 

「どうだ神罰の味は!?」

 

 そこに

 

「思い知ったか異教徒めぇぇぇ!」

 

 金切り声。

 品性の欠片もない男の声が降って来る。

 

 涙に濡れた顔を上げ、見上げる。

 

 ……松山が上空に居た。

 

 さっきの場所よりさらに高く。

 

 高みで俺を嘲笑う。

 

「卑しい売女の肉袋が死んだのがそんなに悲しいかッ!? こいつは傑作だ!」

 

 そしてそいつが発した言葉は

 

「お前の感じていたのは愛ではなく、ただの発情……妄想よッ!」

 

 とても、とても……

 

「あの淫売も、今頃真の地獄で早速他の亡者相手に股を開いているだろうよッ!」

 

 許せるものでは無かった……

 

 心が冷えていく……

 

「松山……降りてこい……殺してやる!」

 

 立ち上がり、心を奮い立たせた。

 そしてそこからの涙に濡れた俺の言葉に松山は

 

「……ふん。異教徒の分際でいきがりおって……! 望み通りにしてやるわ」

 

 俺1人になったから、安全圏で戦う必要が無いってことか。

 つまり、素の強さで俺を上回ってる自信があるのか……

 

 松山は舞い降りて来る……

 ゆっくりと、神の化身を気取って。

 

 もう俺に残されたものはテミスだけ。

 勝ち目は薄いかもしれないが……

 

 やってやる。

 限界まで……!

 

 そう俺が決意を固めたとき。

 

『あなた、落ち着いて』

 

 俺の脳裏に……

 

 今一番、聞きたい声が聞こえて来た。

 

 ミルファ……

 

 それは幻聴かもしれない。

 だけど……

 

『あなたなら気づけるはず……あの男は、その気になれば反射できる攻撃を躱していたのよ……?』

 

 その声は、俺を宥め

 

『落ち着いて考えて。それが意味するところは……?』

 

 冷静にさせてくれて……

 

『そしてさっき、泣き喚いて隙だらけのあなたを、アイツは一切狙わなかった……どうしてなのかな?』

 

 冷静になれば、俺が気づけることを言ってくれて……

 

『あなたなら分かるはず。信じてる……』

 

 励ましてくれた。

 

『あなたは私の旦那様……私は妻として、ギリギリまで傍に居るから……』

 

 ミルファ……

 ありがとう。

 

 感じる……

 

 君が傍に居てくれることを、俺は感じてる……

 

『……頑張って!』

 

 そしてその言葉に

 

「……ああ」

 

 俺は頷き

 

 亡者の腕輪に触れた。

 

 そして……

 

「来い! スレイプニル!」

 

 俺は呼び出した。

 

 ……()()()()()()()()()

 

 

「な……何ィ!?」

 

 舞い降りて来る松山の動きが止まった。

 この異常事態に、今度は向こうが混乱している。

 

「何で1人で2体のペルソナを同時に召喚してるんだッ!? メチャクチャだッ! そんな馬鹿なことがッ!?」

 

 ……1人じゃない。

 2人居る……!

 

 お前には分からないだろうがなッ!

 

 俺はスレイプニルに跨り、テミスを引き連れ舞い上がる。

 

 ……この戦いを、バトルロイヤルを終わらせるために!




次回、決着のとき。

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