地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「あ、悪魔の手先めっ! 打ち滅ぼしてくれるわ!」
松山は迫って来る俺に明らかに動揺し、その両手から輝く光弾の連打を撃ち込んで来た。
だけど、光弾は軌道が直線的。
立ち向かうなら起こりを見落とさなければ、回避はそんなに難しくなかった。
グングン距離が詰まって行く。
俺は握っているスレイプニルの手綱を強く握る。
ミルファ……
君から借りた力を駆使して俺はアイツを倒す……!
アイツはその気になれば反射できる攻撃を、わざわざ回避して見せた。
それは何故……?
それは……
多分あのときは、反射できなかったんだろう。
というか……
松山のアバタールは、相性を任意で切り替えることが出来るんだと思う。
おそらく「物理反射モード」「魔法反射モード」
この2種類。
それは意識したら切り替え即可能だけど……
ひょっとしたら、1回切り替えるとある程度の時間、スイッチできないのかもしれないな。
あくまで憶測だ。仮説でしか無いけど……
でも、アイツが反射をした後、会話や距離置きをして、戦闘を休止していたこと。
あれは明らかに不自然だ。
俺たちを嬲りたいなら、回復不能のダメージを与えた後でも出来るんだし。
だから俺は……これに賭ける!
松山と俺の距離が詰まって行く。
7メートルが5メートルになり
5メートルが3メートルに。
そして……
「松山ッ! 覚悟しろッ!」
松山の表情は見えない。
フルフェイスの兜……仮面がその表情を隠している。
だけど……
松山の激しい動揺……焦りが伝わって来た。
これで決める!
「テミス! アカシャアーツで斬り付けろ!」
『御意だ。任せろ主よ』
テミスの右手の長剣と、左手の天秤が光になり
融合……
長剣は両手持ちの大剣に変化し
テミスはその剣を大上段に構えた。
その、テミスの高く掲げた剣が青く輝く。
テミスの最大の大技「アカシャアーツ」
万物を斬り捨てられる究極の斬撃……
テミスは両手で握ったその大剣を、袈裟の軌道で松山に叩き込み
その斬撃に合わせるように
「……真理の雷!」
俺は同時に真理の雷を発動させ、松山に直撃させた。
物理反射と魔法反射は同時発動できず、そして切り替えには決断がいる。
その状況で、物理と魔法を同時に撃ち込み……!
「お……おのれええええええええっ!」
松山の絶叫。
テミスのアカシャアーツの斬撃。
それが叩き込まれる一瞬早くにスレイプニルの電撃が反射され、スレイプニルが消滅した。
スレイプニルは俺のペルソナじゃない。
俺の奥さんから借りたものだ。
……ありがとう。ミルファ。
本当にありがとう……!
そして間を置かずに
アカシャアーツの輝く斬撃が、松山のアバタールの紫色の甲冑を斜めに分断し。
「……呪われよおおおおおおお!!」
そして断末魔の叫びを残して。
松山を黒い塵に変えたんだ。
スレイプニルが消えたから俺は落下する。
落下しながら、思う。
……終わった。
何もかも。
ミルファ……ありがとう。
君が居ない世界は辛いけど……
俺は君が望んだとおり……
他人を救うために生きるよ……!
そう思ったとき
『お前が勝ち残ったか。斎藤正史よ……』
声が、聞こえた。
勝ち残った主人公は……?
本作を読んでいただき感謝です。
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