地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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エピローグ
第97話 帰還してからの俺


 気が付いたら、自分の家の机の前に座ってた。

 何だか、数十年くらい座っていなかった気がする。

 

 俺の机の上にはA4の紙があり。

 そこに色々書きこんでいた。

 

『蟲山わからせ計画書』

 

 ……こんなものに情熱を燃やしていたなんて

 

 そこには、いかにして意図的な流布を疑われず、蟲山の過去の罪を流布できるか。

 その計画が書かれていた。

 

 どうかしてたよ。

 俺はその計画書を即座に破り捨てた。

 

 ……手帳に書くと、証拠として残してしまいかねない。

 目的を達したら、焼却処分しやすいように紙に書いたんだよな。

 

 くだらない。

 

 ……本当に。

 

 

 

 その後、俺の高校生活が戻って来た。

 

 表面上は楽しい毎日。

 

 だけど……

 

(ミルファ)

 

 夜、眠りに落ちる前に。

 地獄に残して来た奥さんを思い、涙が出る。

 助けてあげたくても、どうしようもない。

 

 どうか、どうか

 

 一刻も早く、ミルファの罪が濯がれますように……

 

 

 

「斎藤君、好きです」

 

 そして。

 3年になる年のバレンタインデー。

 

 俺は女子から告白を受けた。

 今日のためにチョコレートを作って来たって言う子から。

 

 ……性格は良さそうに見えた。

 あまり派手な子じゃ無かったから。

 

 俺は

 

「えっと」

 

 何で俺を?

 そう訊いた。

 

 俺は自慢じゃ無いけど、義理チョコ以外貰ったことが無かったんだ。

 だから信じられなかったんだけど。

 

 女の子は顔を赤らめて

 

「……斎藤君、本当は優しいって去年の夏頃に気づいて。そこからどんどん好きになったの」

 

 本当は優しい、か。

 

 ……その辺が本来の俺の評価だったんだろうな。

 気が付いてなかったけどさ。

 

 俺は要は、内心怖がられてたんだ。

 特に敵対的に振る舞わわず、周囲の和を乱さないように振舞うから叩き出されなかっただけで。

 

 でも……

 

 去年の夏頃といえば、俺が現世に帰還したころ。

 俺は……

 

 ミルファを救えなかった気持ちを埋め合わせるように、周囲の人間に優しくしていた気がする。

 誰かに優しくすることで、ミルファを大事にしたような気になってたんだ。

 

 ミルファは別れ際に

 

 自分のことは忘れて欲しい。

 

 ……そんなことを言っていた。

 だったら、この子の告白を受け入れるのが彼女の意に沿う形になるのかもしれない。

 

 ……だけど

 

「ゴメン。そのチョコレート、受け取れない」

 

 俺は頭を下げて、断った。

 

 ……女の子は絶望的な表情を浮かべている。

 

「……チョコレートだけでも受け取って貰えないの?」

 

 食い下がるけど

 

「……ゴメン」

 

 詫びる。

 

 俺は……

 

「君の告白をOKすると、君を誰かの身代わりにしてしまいそうなんだ。あまりにもそれは君に失礼だから、ダメなんだ」

 

 正直に言った。

 残酷な行為かもしれないけど、見える石には躓くわけにはいかない。

 

「……他に好きな人が居るってこと?」

 

 俺は彼女の言葉に頷く。

 そして

 

「君が夏ごろから俺が優しくなったと言ってたけど、きっとそれと無関係ではないよ」

 

 そう言って、もう一度謝った。

 

 彼女は

 

「……斎藤君にそこまで想われている女の子、羨ましいなぁ」

 

 そう言って、俺の返事に納得してくれた。




主人公、生涯独身コース。

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