地獄ペルソナ~地獄でバトルロイヤルする8人のペルソナ使いたち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
『あんた何を言ってるわけ? それセクハラだよ常識無いの?』
『くだらねー恋愛脳の馬鹿か?』
『典型的猿の発想』
そのコメントに不快になった視聴者が、次々と批判コメントを書き込んでいる。
俺はちょっと考えた。
ハンドルネームのことだけじゃなしに。
対応誤ると、この子がどうなるか分からんな。
そう思ったから。
幼いから訊いてしまっただけかもしれないし。
さすがに酷いだろ。ここで自己責任で突き放すのは。
だからまぁ
「そうですね。ちょっと昔、入籍寸前までいったけど、死別した女性がおりまして」
そう、事実を言った。
言葉を選びつつ、言える範囲で。
「この状態で別の相手を求めると、その人の代用品扱いしてしまいかねないので、結婚は諦めてます」
……まあ、これで。
負け惜しみだとか、作り話乙とか。
言ってくるならしょうがないし、どうでもいい。
他人の評価なんて正直どうでもいいし。
すると視聴者の
マジですか?
悲恋ですね。
誠実ですね。
みたいな。
賞賛コメントがいくらかついた。
ありがたくはあるかな。
無論、無ければ嫌なわけではないんだけどな。
そして問題の人物、スレイプニルは
『ぶしつけな質問をしてしまい、申し訳ありませんでした』
俺のコメントのあと、そんなコメントを残し。
それ以後、発言をしなくなった。
……対応、本当にこれで正しかったのかな?
それだけ思ったが。
最終的には忘れた。
「テミスサイト―先生にお会いできて光栄です!」
……何か色々あってさ。
数年ぶりにもう1冊本を出すことになった。
内容は、人間関係で俺が大事だと思ってることをまとめた話なんだけど。
今回もまた俺の本を出してくれた出版社が
記念サイン会をしてみませんか?
そんなことを言い出してさ。
今日、都内の大手書店の前のスペースで、俺の本を買ってくれた人にサインをしてる。
無論、本にだ。
「本を買ってくれてありがとう。あなたの人生が豊かになることを祈ってます」
そんなことを言いつつ、俺は何冊もサインをした。
たまに
私の名前を一緒に書いて欲しい。
そんな要望を出して来る人もいる。
俺が漫画家だったら、ここでキャラ絵を求められている可能性もあったんだよな。
……ただの口が達者なオッサンで良かったよ。
そしてどのくらいの本にサインをしただろうか。
「私の名前も先生の名前の横にお願いします」
そんなことを言ってくる人が来た。
俺は、またか、と思いつつ
「お名前は?」
そう訊ねた。
そして
「……サイトウミルファで」
……え?
その瞬間、俺の思考が停止した。
その名前は……グァーッ!
次回、最終回です。
本作を読んでいただき感謝です。
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