ブルアカ5.5周年おめでとうございます!水着パンデモ!ゲヘナ編告知!今年の夏は
マコト様がストライカーで使えるのが嬉しいです。
イブキ⋯⋯、友達を取っ替え引っ替えするのか⋯⋯悪魔め。
ちょっとしたほんの些細な問題と、新たな出会いがあった明くる日、私は希望を胸いっぱいに膨らませ清々しい気分でD.U.地区を訪れていた。
心機一転、白を基調として紺と金の差し色が映える連邦生徒会の制服を身に纏い、連邦生徒会の本部があるサンクトゥムタワー前に立つ。いや、何も転校したわけではない。この制服は持ち主からちょっと
登校中行きずりの人に挨拶をしながら何食わぬ顔でサンクトゥムタワーに侵入する。D.U.地区に入ったときから感じていたことだが、ここはアビドス自治区とは比べ物にならないほど行き交う人が多く活気がある。キヴォトスの行政の中心である連邦生徒会本部は尚のことであり。
「生徒会長!調停室宛にトリニティの首長からゲヘナの自治区侵害に対する苦情が6件、今月でもう28回目です!」
「昨日ヴァルキューレとSRTが作戦中に衝突があったらしく、防衛室長が何とかしろとおっしゃってます!」
「光輪大祭の予算で体育室と財務室の揉め事が銃撃戦に発展しました!」
「生徒会長大変です!首席行政官が熱を出して倒れました!」
「山海経が発生源と思われる禁止薬物はどうしますか!?」
「保健室がボイコットして登校していません!」
さながら戦場のような喧騒に包まれていた。その騒ぎの中心にいるのは、明るい青空のような髪に特徴的な桃色のインナーカラーを入れたやけに見覚えのある少女、『連邦生徒会長』その人であった。それより何故彼女はもう連邦生徒会長をやっているのだろうか。今は私と同じ一年生だった筈。砂漠で砂遊びしていた私とは大違いである。
それにしても、その様はまるで池にエサを投げ入れられた魚の群れのようだ。口を開けて我先にとエサ求める姿は滑稽だが、それよりも彼女たちに集られるエサの有様の方がよっぽど愉快な気持ちになる。彼女は次々と魚たちの救いを求める声に毅然とした態度で応えてなお食い尽くされないのは流石は超人といったところだが、大変苦労しているようで胸がすくスッとする。ユメ先輩が死んでしまったのも、砂漠化で借金に苦しむアビドス自治区に救いの手を差し伸べてくれなかったとも思うからだ。まあ、八つ当たりなんだけどね。だからもっと苦しめ、そして先生と赤ちゃんごっこをしろ。なんて腹に一物も二物も抱えながら、さも深刻そうな顔をして私はその群れに加わった。
「レッドウィンターで昨日またクーデターがあったそうです!今度の書記長は前給食部副部長だそうです!」
「ハイランダーがまた計画にない路線を敷いてます!交通室長が勝手に許可を出したみたいで」
「アビドス砂漠の中心に正体不明の巨大な怪物が現れたとの噂が!」
「雷帝の作品が中小自治区の抗争に使用されているみたいです」
「クロノスがまた連邦生徒会長の適当な記事を書いていますよ!」
「レッドウィンターには私名義で祝辞を送っておいて下さい。内容は前と同じで良いですよ」
「交通室長には私から聴き取り調査を行います。一時半から時間を空けておくようにしてください」
「アビドスは……対策を考えます、今から私の部屋まで来るように」
「ゲヘナ学園に確認しておきます。間違いないか調査は続けてください」
「クロノスの言うことは無視すればいいです!」
次々と処理される陳情に思いつきで適当な話を混ぜ込んで揶揄ってみると、彼女は私の発言に対応するその瞬間、私の方をチラリと見た視線が心なしか鋭くなり、他の諸問題とも違ってその場で対応するのではなくついてくるように指示を出した。少しはっちゃけ過ぎたか?もしかするとバレたかもしれない。その後も次々と挙げられる問題に指示を出していく彼女を尻目に、一旦身を引こうと考えて。
「そこ!逃げようとしないでください。あまり時間はないのですから」
指差し言い付けられて体が固まる。どうやら完全に目をつけられてしまったらしい。態々変装をしてまで連邦生徒会に潜入した理由はもちろん彼女に会うためだ。本当は人気の無い所で背後から、わっと驚かせてやろうかと思っていたのだが、ここで逃げたら尚のこと格好がつかないだろう。私は腹を括って大人しく彼女についていくことにした。決して屈したわけではない、まだギャフンと言わせる策は幾つも用意しているのだから。
「どうぞ入ってください」
彼女に促されて連邦生徒会長室に入る。一面ガラス張りのだだっ広い部屋の中央に彼女のデスクがあり、隅の方に辛うじて応接スペースや資料があるだけのもの寂しい部屋だ。私が入室し連邦生徒会長がその扉を閉めると、彼女は徐に銃を取り出し突きつけてきた。私はそれに怯え困惑した表情を作る。
「れ、連邦生徒会長?」
「もう、演技は結構です。何者ですかあなたは」
彼女の眼光が鋭くなる。本当にちょっと恐ろしい。誤魔化すようにいつも通りニコニコ笑みを浮かべて、声真似をやめた普段通りの声で応える。
「……やっぱりバレてましたか、自信なくしちゃいます」
「本物の彼女はどうしました?」
「ふふふ、今頃は暗い覆いの下で、深い眠りについていることでしょう……。か、掛け布団の話です。ちょっと寝坊するように睡眠薬盛っただけですから」
少し冗談を口にしただけで殺気が私を射殺さんばかりに向けられる。慌てて訂正したが決してビビったわけではない。ないったらない。連邦生徒会長は私に銃を向けたまま携帯を取り出すと、番号を打ち込みどこかに電話をかけだした。
「もしもし?私です」
『れっ、連邦生徒会長!?お゙っ、おはようございますっ!』
電話の向こうから聞こえてくるのは、私が今変装している本人の声。
「お身体に問題はありませんか?」
『えっ、はい、げんきです!』
「そうですか、あなたの部署には私から話を通しておきますので、ゆっくり来ていただいて構いませんよ」
『いっ、今すぐに行きます!』
「いえ、あまり早く来られても不都合なのでゆっくり来てください」
『すみません、すみませんっ!』
「それでは登校中お気をつけて」
『ヒィッ——』
その電話は向こうの悲鳴を最後に切れた。なんと言うかこう、この女はコミュ障なのだろうか。気を遣ってトドメを刺すその有り様は、苦言を呈さずにはいられない。
「可哀想に、怯えてたじゃないですか」
「……あなたがそれを言います?」
ごもっともである。
「それにしても、大した変装技術ですね?奇星チカゲさん。顔も声も本物と見紛う程です」
「おおあたーりー!……もうちょっと悩んでくれたっていいじゃないですか」
「あのとき、アビドス自治区の話題を出されなければ分かりませんでしたよ」
当然のように言い当てられて驚いたが、確かにバレて当然である。アビドスの窮状に手助けしてくれなかった彼女に対するちょっとした嫌味のつもりでしかなかったが、アビドスは連邦生徒会に議員を送っていないのだから、アビドス自治区を気にする者なんていないのだろう。それか彼女が連邦生徒会の生徒全員の仕事内容を覚えているか。どちらにせよ、私のミスでした!
「ちょっと揶揄ってやろうと思っただけです。まさか私が誰かまで言い当てられるとは思ってませんでしたが」
「あの自治区に残ったたった3人の生徒ともなれば、覚えもあります」
参った、あまねく奇跡には存在していない私の存在まで認知しているのだから、彼女は本当に超人ということだろう。それはそれで、そこまで知っておきながらアビドスを助けてくれなかったことに何も思わないでもないが、所詮遊び感覚でしかなかった私には言えたことではない。何はともあれ、正体まで知られてしまったのならもうこの姿で揶揄うことは出来ないだろう。さっさと本題に入ろうと勝手知ったるように椅子に座ると、彼女も少し呆れたように対面に座る。
「それで、要件は何でしょうか?」
「あなたを助けに来た、と言ったらどうします?」
「助けに来たですか……、助けてくれではなく」
連邦生徒会長は私の言葉に少なからず困惑していた。多額の借金を抱え、生徒会長まで行方不明になったアビドス高等学校が、そんなことを提案する理由が全くもって理解出来ない様子である。
「連邦生徒会長、あなたは人に助けられた経験はありますか?」
「勿論。連邦生徒会として多くの人に——」
「それはあなたの手足でしかないでしょう。私が言いたいのは、自分ではどうしようもなく手詰まりな状況に助けてくれる存在はいるのかということです」
「……」
「例えばそうですねぇ、あなたにとって最も頼りになる大人、……『先生』とか」
「っ、何故それを」
私が『先生』の存在を匂わせた途端、彼女はまた警戒を露わにする。だが先程とは違って絶対的な余裕はなく、動揺を隠しきれていない。良かった、これならこの世界線に『先生』が存在することは間違いないだろう。もし先生が居なかったら別の方法を用意せねばらならいところだった。例えば……ユメ先輩を
「何故というのは禁則事項になるので言えません。でも、私がその存在を口にできるということは、あなたが何をしようとしているかもお見通しというわけです」
「予知夢、或いは未来視の類いですか」
「厳密に言えば違いますが、似たようなものです」
連邦生徒会長は警戒を残しつつも、すぐに一方的に知られていることの焦りを隠して私の真意を探りにかかった。
「それで、何が目的ですか?」
「何って……世界の破壊を防ぐため、世界の平和を守るため、じゃあ駄目ですか?」
「何ですかそれ」
「愛と真実の悪を貫く、ラブリーチャーミーな敵役のセリフです」
「はぁ」
このキヴォトスが滅亡しないため、というつもりで言ってみたのだが、彼女は納得していないようであった。何か裏があると疑いながらも、すっかり奇人変人を見る目である。
「でもまあ、あなたが知りたいのはこんなことじゃないですよね。態々こんなことを言いに来た私にとっての利益」
「ええ」
連邦生徒会長は至極真面目な顔で、私を見定めるようにこちらを見つめている。ちょっと緊張してきた、自分を鼓舞するためにドラムロールを鳴らす。ドゥルルルル……ジャン!
「私の目的は、梔子ユメの復活です!」
「それは……」
私が放った言葉に連邦生徒会長が見せたのは、酷く正気を疑うような、憐れむような表情だった。
「不可能だと言いますか?いいえ、出来ますよ。先生の力さえあれば。それに、それなりの方法は用意していますからね」
「……厳しいことを言いますが、先生はそのようなことをされる方ではありません」
「分かってますよ。それじゃ『先生』らしくないですからね。でも、先生がユメ先輩を助けたいと、助けられると思わせられれば別です」
詰まるところ救世主たる先生に助けたいと思わせれば救うことが出来るルールを利用するという話なのだが、連邦生徒会長はそんな妄言を一蹴せずにその妥当性を考えている。
「さて取引です連邦生徒会長。この世界が碌でもない結末を迎えない為に、私が先生の救世を手助けしてあげましょう。一から十までとはいきませんがね、それだと先生の物語でなくなってしまう。だから致命的な間違いが起こらないくらいなら問題ないでしょう?そのかわり、私のやることを要するにコソコソとした暗躍を邪魔しないでください」
これこそが、この日私が連邦生徒会長に会いに来た理由だ。連邦生徒会長が不確定要素を排除する可能性、逆に言えば私たちの計画に連邦生徒会長が不確定要素になる可能性を潰しに来たのである。それなりに大舞台にするつもりだからね。
「……先生は、どこで間違えるのですか」
思わず、といったように連邦生徒会長は私に尋ねてきた。
「それも言えません。ですが、あなたの選択は間違いでは——ゲホッ、ッ」
ずっと核心に触れないように慎重に話してきたが、それでも徐々に気持ち悪さが募っていた。そして流石に決定的に話し過ぎたのか一気に吐き気が込み上げてくる。
「少し、お手洗いをお借りしてもいいですか?」
「ええどうぞ、ここを出て右手の方にあります。くれぐれも余計なことはしないように」
「分かってますよ。——それと!ここに私の荷物を置いて行きますけど、勝手に中を見たりしないで下さいね!見るなよ、絶対に見るなよ?私言いましたからね?」
鞄の中には、主にこれから私たちが何をするのかを記したものがある。それはざっくりとした概要でしかないが、事のあらましを伝えるためには少なからず未来の出来事に触れていた。つまり予言の書である。もしそんなものを私が自らの意思で見せようとすればどうなるか。あ、やばい吐きそう。
「……ご丁寧にどうも」
その後、私はトイレに駆け込んでいっぱい吐いた。nice boat.
さて、私が真っ赤で血生臭い花を摘みに行ってから約十分後、何食わぬ顔で連邦生徒会長の部屋に戻りノックをする。
「⋯⋯どうぞ」
「失礼します」
再びその部屋に入室すると、連邦生徒会長は先程と変わらない姿勢で待っていた。私の鞄も
「大丈夫ですか?」
「稀によくあることです」
「成程、そういう制約ですか」
追求されても困るが、彼女は余計な詮索はせずに連邦生徒会長らしい顔をして話を続ける。
「奇星チカゲさん、あなたのやろうとしていることは分かりました。ですが、本当にいいのですか?」
「何がです?」
「あなたが酷な役割を背負うことになるということについてです。失うものは多く、その上得られるものは不確かです」
死者蘇生なんて外法に青春を賭けるのだからそうだろう。そのうえ、本当に上手くいくのかは誰にも分からない。その未来は完全に未知の領域なのだ。それより、さっきから態度が軟化している気がする。もしかすると憐れまれているのかも知れない。悪いけどそういうのは好きじゃないんだ。
「分かってますよ、そんなこと。ただ私がハッピーエンドを諦めたくないからです。それに、新しい仲間もいますからね!」
「仲間?」
「じゃじゃ馬、野次馬、
「……大丈夫なんですか?それ」
彼女はこれまでに一番心配そうな顔をした。だがまあ、少なくともウチの大人たちよりはよっぽど信用できるし、彼女たちもそれぞれ理由があるのだ。だから大丈夫、きっとたぶんおそらくメイビー。
「ちなみに私はダークホースですよ!」
「はぁ、それは良かったですね」
もはや適当にあしらうような生返事が返ってくる。まるで心配して損したと顔に書いてあるようだ。彼女も気が抜けたのか、少し顔から険が抜けていた。
「正直、先生を巻き込むことに不安はあります。私の蒔いた種にも、あなたのやろうとしていることにもです」
「連邦生徒会長の場合、蒔いた種というよりは摘まなかった芽でしょう?」
「随分とお優しいですね。その優しさを、少しくらいあなたのお友達にも向けてあげた方がいいのでは?」
「あーあー!聞こえなーい。必要なことなんだもーん」
どこか得意げに諭されて私は耳を塞ぐ。仕方ないだろう、ホシノちゃんがホルスで私がセトの役割になるのだから。それに『あの日』の恨みつらみだって無いわけではない。やるからには徹底的にだ。クスクスと笑う連邦生徒会長のしたり顔に腹がちょっとムカつく。
「逆に聞きますが、連邦生徒会長こそこんなこと認めても良いんですか?」
「本音を言えばやめてほしいです。しかしあなたのやろうとしていることは、私が摘まなかった芽の後始末で、なによりこんな未来の方がずっといい」
「でも、その後も先生に降りかかる火の粉はまだまだありますよ?」
「ええ、ですがその時はチカゲさんも力になってくれるでしょう?なにせ、上手くいけばあなたは先生に感謝しても仕切れない大恩ができるのですから。だから使えるものがあるなら何だって利用します。そういった幾つもの力を合わせることが、奇跡に繋がるのだと思いますから」
要するに、私もやることやったら先生を手伝えということだ。まあ異論はない、あれこれやってユメ先輩を生き返らせたというのに、世界が滅びましたでは本末転倒である。
「全てが終わったら、私は先生に怒られるでしょうか?」
どこか不安そうに、まるで独り言のように連邦生徒会長はそう溢した。
「そうなったら私も付き合いますよ」
「そこまであなたに頼るわけにはいきません。それに、恐らくあなたは私より先に怒られることになるでしょうから」
「んふふ、それもそうですね」
お互い微睡むように会話する。もしかしたら疲れてるのかもしれない。また余計こと口走るまでに帰るとしよう。
「連邦生徒会長、今日はありがとうございました」
「こちらこそ、色々と助かりました。あなたにとってより良い結果になることを願っています」
「いえいえ、あなたの夢と私の夢を合わせて最高のハッピーエンドを目指すんですよ!それでこそ、私たちのブルーアーヴォェ……」
目指すべき未来の意気込みを、意気揚々と語ろうとして口から血反吐が垂れてくる。
「あの、もう一回お手洗いをお借りしてもいいですか……」
「……お身体には十分気を付けて下さい」
nice boat.
ブルアカは最終回で暴走した連邦生徒会長を先生が泣きながら調理して連載終了。ちなみに本作は最終回で暴走したチカゲをホシノが泣きながら調理して連載終了。
バッドエンドいる?のアンケート結構意見が割れてて面白い。そんなんいいから早く続き書け?それはそう。取り敢えずこの章が終わるまでアンケートとろうかな。
バッドエンドifいる?
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いる
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いらない