自分の場合
アイマスシリーズの曲聴く→ミリオンライブの存在を知る→アニメ公開の告知見る→ミリシタをインストール
といった流れでした。
それでは第8話をどうぞ!
二人のサインをもらったところで百合子が話を振ってくる。
「幸哉くんはここ来るの2回目だったよね」
「そうだよ。一般人なのに来ることになるなんて」
「助けてくれたお礼に劇場を案内してあげようと思ってるけど、いいかな?」
「お礼なんてそんな…そこまでしなくても」
「私がしたいの!あの時叫んでくれなかったら…」
「杏奈たち…アイドルやめてた…かも…」
「そういうことだから…ね。プロデューサーさん、いいですよね?」
百合子は天宮プロデューサーに伺いを立て、それに彼女は頷いた。
「今永くんは百合子ちゃんたちの命の恩人だから……いいよ。でも危ない所には行かないように!」
彼女は答えは決まったと了承する。未来も懇願してきた。
「私からもお願いっ!」
「うん……、わかった。案内、よろしくお願いします」
根負けしたのか承諾した。
翼や恵美、奈緒など知っている者たちもいるだろう。
彼女たちにまた会いたいと思っているのも事実であった。
プロデューサーは仕事があるとのことでその場を離れた。
4人は連れ立って廊下を歩く。
その時、向こうから歩いてくるスーツ姿の男が見えた。
「おや、お客さんかな?」
「
未来が挨拶をした。 男―霧生も返事を返すと、幸哉の方に視線を向けた。
「そこの彼は誰なのかな」
霧生が質問する。質問に対して元気よく未来が答えた。
「幸哉くんは私のプロデューサーさんの親戚で、百合子たちを助けてくれた人なんです!」
「助けた?ああ、先日の事件でか」
話に相槌を打ちながら返答していた。
霧生は幸哉に向き直って言った。
「我が事務所のアイドルを助けてくれてありがとう。勇者くん」
「勇者くんじゃなくて幸哉くんですよ」
百合子が訂正する。霧生は笑いながら、
「失敬、失敬。忙しいのでこれで。楽しんでくださいなっと」
おどけた口調を残して去っていった。何とも珍妙なファーストコンタクトだった。
「未来、さっきの霧生さんという人は誰?」
「霧生さんは、プロデューサーさんたちの先輩なの」
「そうなんだね。でもなぜ僕を『勇者くん』なんて呼んだんだ…?」
「あの時の幸哉くん……勇者みたい……だった…」
「勇者なんてそんな……ただ逃げてって叫んだだけなのにな」
「でも、2人を助けたことには変わりないから!ね?百合子!」
「う、うん!?そうだね!?」
先ほどから百合子と杏奈が自分のことを熱っぽい目で見てくる。
その視線に、幸哉が気づくことはなかった。
控室の前のドアを百合子がノックする。
「失礼します」
ドアを開けるとそこには先日会話を交わした馬場このみと百瀬莉緒の姿があった。
「あら?百合子ちゃん。こんにちは」
「こんにちは、このみさん。今は幸哉くんに劇場を案内してるんです」
「そうなの……ってこの間はありがとう♪ちゃんとオトナとして
見てくれて」
幸哉の方を見て言う。この間の「同僚の方ですか」発言が余程気に入ったようだ。
「いえいえ、どういたしまして」
「ねえねえ、今日はどうして来たの?教えてほしいな♪」
莉緒も加わる。問いに杏奈が答えた。
「杏奈たち……助けてくれた……から、お礼……してる……」
「助けてくれた……ってあのイベントのこと?」
イベント、とはあの日、刃物男のせいで中止になったイベントのことだろう。幸哉が謙遜するように
「はい。実はそのイベントに行ってました。助けたってより逃げてって言っただけなんですけどね」
「それでも仲間を助けてくれたことに変わりないわ。私からもありがとう」
「私からもお礼に……サービスしちゃおっと♪」
そう言うと莉緒は腰をくねらせ、空いた胸元をこちら側に見せつけてくる。
「……!」
「あわわ……」
「きゃあっ!」
「莉緒ちゃん……」
このみが莉緒の方を見る。
「なーに?姉さん?」
「お礼とはちょっと違うんじゃないかしら」
「えぇ!?」
無理もない。幸哉は胸元を見ないよう顔を背け、未来や百合子は顔に朱が差し、杏奈は恥ずかしそうに俯いていた。
「自信あったのに……」
通用しなかったことに莉緒は落胆する。
「まあ、気を落とさないで……それじゃあ馬場さん、僕たちはこれで」
「このみでいいわよ。未来ちゃんたちにもそうしてるでしょう?」
「そうですね。このみさん、ありがとうございました」
「どういたしまして」
そう言って控室を出る。
控室を出て、廊下を歩いていると足元に野球ボールが転がってきた。
「おーい!投げてくれよ!」
声の方を見ると、緑髪の活発そうな少年が手を振っている。足元のボールを掴み、緩やかに放り投げる。
「サンキュな!」
お礼を述べたが百合子が近づいて言う。
「
「だーいじょうぶだって!今仕事でいないし」
ヘッドホンを首にかけた少女が心配そうに言う。
「スバル〜……。だからロコはテルしたじゃないですか…。なのにコリドーでキャッチボールなんて……」
「ロコだって乗り気だっただろー」
「ディスアグリーしたはずです!」
ぷんぷんしているヘッドホン少女―ロコを気にせず、昴は振りかぶって投げようとした瞬間、
「何してるの?」
昴の肩に手が置かれる。ゆっくり首を後ろに向けるとそこには―琴葉の姿があった。
「またやったのね?野球」
「いや違うんだって!これはキャッチボールで」
「危ないことには変わりないでしょ?」
じりじり詰めてくる琴葉。観念したように昴が声をあげる。
「投げてないから許してくれよ〜!」
「まあまあ、彼も反省しているみたいだし」
幸哉が取りなそうとする。しかし昴は、きょとんした顔をする。
「オレ、女だぜ?」
「今オレって言って」
「だから女なんだって!」
少年かと思ったら少女だったようだ。慌てて頭を下げる。
「ごめんなさい!」
「いいって別に!後名前教えてくれよ」
「今永幸哉。中2だよ」
「オレ、
「ロコです!」
両者が自己紹介をする。
「まだ話は終わってないよ?」
琴葉が昴の方向を見る。
「琴葉さん、許してあげてください。悪気がなさそうなので」
幸哉は仲裁に入ろうとする。琴葉もそれを聞いていたのかふうと息をつく。
「今回は許してあげるけど…今度やったら」
「わかってるって!もうしない!約束する!」
「ソーリーです!」
昴とロコが謝罪してその場を去っていった。それを見てほっとする一同。
不意に琴葉が口を開く。
「私のこと、名前呼びしてくれたんだね」
「はい。未来からそうしてほしいって言われました」
「そうなんだ……。そういえば奈緒ちゃんたちが今いるけど会いに行く?」
「そうですね、挨拶してきます」
「みんな喜ぶと思うな。私はこれからお仕事だから……いってらっしゃい」
「行ってきます」
―――
琴葉たちと別れた後、四人は会話しながら廊下を歩いていた。
「幸哉くん、この間レッスンに来てくれたんだよ」
「へぇ~」
「レッスン前の準備体操だけやったけど、体力ないことが分かっちゃって」
「大丈夫だよ!私だって運動、そんなに得意じゃないから」
「杏奈も……苦手……幸哉くんと同じ……」
「やっぱり未来はすごいな……。元気で明るくて……」
自分と比べてしまう幸哉。明るく元気な未来と、訳ありで暗い性格の自分。思わず顔が曇る。その表情に気付いたのか、百合子が心配そうにこちらを見る。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない!」
「そう?ならよかったぁ」
ほっとした表情を見せる百合子。どうやら心配させてしまったようだった。
しかし、事情を話したところでどうなるのか。それだけが心配事であった。
――――
目の前のドアの向こうから声が聞こえる。そのドアをノックして開ける。
「おっ!幸哉〜!久しぶりやん」
出迎えたのは奈緒だった。その他にもアイドルと思しき人物が二人、部屋の中にいた。
「お久しぶりです」
「なんや今日はえらいモテモテやなぁ〜」
幸哉の後ろには未来、百合子、杏奈がいる。それで「モテモテ」という評価をされたのだろう。
「そういう訳じゃなくて……百合子たちが助けたお礼にここを案内してもらってて」
「なんや、名前で呼ぶようになったん?」
「そう決めたんです。改めてよろしくお願いします。奈緒さん」
名前を呼ばれた瞬間、奈緒の表情がぱあっと明るくなる。
「やっったぁぁ!!ようやく名前呼びやああ!!」
「奈緒、めちゃくちゃ嬉しそうにしてるね」
「もしかして知り合い?」
黄色いマッシュカットの女性とマゼンタの髪に黄色いメッシュの女性がそばにいる。その会話を聞いた奈緒が二人に紹介する。
「二人はまだ知らんかったやんな。幸哉っていうてプロデューサーさんの親戚やで」
紹介を受けて幸哉もそれに付け足して名乗る。
「今永幸哉です。未来たちと同じ14歳。よろしくお願いします」
「14歳なんだ!アタシ、福田のり子。趣味は格闘技とバイク!よろしくね!」
マッシュカットの女性―のり子が名乗る。次はメッシュの女性が
「アタシは
歩は名乗り終えるとくるりとターンしてポーズを決めてみせた。周りから「おぉ~」と感嘆する声があがる。
ひと仕切り紹介を終えると、歩が疑問を幸哉にぶつける。
「『お礼』っていうけど、何のお礼なんだ?そこんとこ気になってさ」
「この間のイベントの件で助けてくれたからって、劇場を案内してくれることになったんです」
「イベントって、もしかして中止になったやつ?」
「それです。刃物を持った人が……ほんとに怖かった……」
「でも助けたってことは、犯人とやり合ったってことじゃない!?」
「いやちゃうやろ!普通に警察呼んだやんな!?」
「そうですね。追い詰められて刺されかけましたし」
のり子の発言に奈緒が突っ込み、幸哉の発言に歩が恐る恐る聞いてくる。
「刺されかけたって……怪我とかしてないの?」
「特に異常はなかったですね」
「ほんとに?」
そう言ってのり子が近づき幸哉の体に触れようとする。
近づくのを察したのか、急に怯えた表情になり、
「ひっ……!」
後ずさりして、のり子から離れた。
「えっ……どうしたの、いきなり?」
「やめてください……こないで……」
体がガタガタと震え、荒く息を吐き出している。
尚も怯える幸哉を尻目に歩たちが慌てふためく。
「やばいってこれ、どうしたらいいのさ!?」
「とりあえず救急車や!番号は……ええと……!」
「どうしよ杏奈ちゃん……」
「こんなの……見たこと……、ない……」
その間にも発作を起こしたように震えている幸哉を見て皆が何もできずにいたその瞬間、
「待ってください!」
未来が大声をあげ、幸哉へと近づく。
「待ってって、一体何を!?」
のり子が声をかけたその瞬間、未来はぎゅっと幸哉の両手を握りしめた。
「大丈夫。怖くないよ。私たちは味方だから」
泣く子供をあやすように、ゆっくりと語りかける。相手の顔を見て自らの思いを真っ直ぐに伝えた。
「絶対にひどいことしないよ。約束する」
「やく……そく……?」
「うん。約束」
「わかった……」
怯えた顔は徐々にやわらぎ、落ち着きを取り戻した。
幸哉と他の全員が落ち着きを取り戻したのを見て、体を離す。
ふう、と深呼吸して息を整え、のり子に向き直る。
「すみませんのり子さん。急に取り乱してしまって」
「こっちこそごめん!」
「急に触ろうとするのはあかんやろ。幸哉は繊細なんやから」
「なんでそう見えるの?」
「こん中で最初に会うたのは私やから……やなくてなんとなくや」
「なんとなく!?」
いつものように掛け合いをしていると百合子が口を開く。
「ねえ、幸哉くん。よかったらなんで取り乱したのかを教えてほしいな」
皆が真剣な表情になる。その表情を見て真実を話さんと口を開こうとした瞬間、
ぐるるる…となかなかに大きな腹の虫が鳴いた。
「あっ……」
幸哉が腹に手を当て、皆を見る。
「お腹空いてたんやな〜。もうお昼やしご飯作ろか」
「何作るの?」
「たこ焼きや。これならみんなで食べれるやろ?」
「奈緒さんのたこ焼き……、食べてみたいです」
「こう言ってることやし、さっそく準備や!」
奈緒はやる気に満ちた表情で部屋を出て、幸哉に未来、他のアイドル達もそれについて行く。
劇場での2度目の昼食が幕を開けようとしていた。
コリドー corridor
廊下、回廊のこと。今回は「廊下でキャッチボールなんて」というニュアンス。
ロコとか杏奈は話し方に特徴あるので書くのは大変だったりします。
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次回のお話も楽しみにお待ちください!