「(ねぇ、リムル。僕とこの国の王様だったらどっちの方が強いと思う?)」
「(え!?なや、悩むなぁ。
でもミシェル……今の容姿だとミミさんか。
ミミさんのが強いんじゃない?
だってほら、鋼の錬金術師のホムンクルス達召喚できるんでしょ?)」
そう来たか。
確かにそれを言われると、対処の仕方はいくらでもある。
リムル自身はガゼルに対して勝てるかどうかだいぶ悩んでるみたいだけども。
ぶっちゃけ僕の技をコピーしたらあっという間に勝てると思う。
さすがの強者ガゼル・ドワルゴだって
僕に「自害しろ」って言われたら死んじゃうから。
この世界の絶対遵守がどこまで通じるか分からないけど、
僕の洗脳ってルルーシュ並に強いと思うから。
しかも僕の意志で好きに解除できるし。
「(この口調で話してる時はミシェルでいいよ。女口調の時はミミでよろしく)」
「(なるほど、わかりやすい違い)」
とりあえずリムルの質問に答えようか。
「(さっきのリムルの質問だけど、
確かに彼等を召喚したら数の利でこちらの方が勝つんじゃないかな。
ある意味
五分だね。ガゼル・ドワルゴが賢者の石の存在に気付いたら何人かやばいね。
でもプライドにはさすがにすぐには勝てないと思うから、
不意打ちであの王を飲み込んだらこちらの勝ちじゃないかな。)」
「(ぶ、物騒だなぁ)」
「(君がホムンクルス達の話をしだしたからでしょ。僕が聞いたのは僕個人の力量の話。)」
「(それ聞いちゃう?そりゃ君の方が強いんじゃない?
だってホムンクルス達従えちゃうぐらいだし。
実力隠してくれて助かるけど、
大賢者から教えて貰ったけど君大抵なんでもできるんでしょ。
この裁判だって本当だったらなかったことにぐらいはできるんじゃないかーって
さっきさらっと解説してくれてたよ)」
「(大賢者はさすがになんでもお見通しだね。
そうだね、ここにいるドワーフ達全員を洗脳して
裁判事態なかったことにできるけどそれするとカイジン達に悪いでしょ。
何のためにベスターに怒ってくれたのか分からなくなっちゃう。
だからリムルだってあえて僕の能力使わないんだろうし)」
「(うん。洗脳してなかったことにーとか、
改変とか洗脳系は俺の趣味じゃないから。
本当にやらないといけなくなったらやる必要はあると思うけど
今回はやる必要ないかなって。
ここは場の流れに任せるのが一番いいと思ってしてないよ。
あまりに酷い裁判内容だったら最終手段に出るけど)」
「(俺の趣味じゃないってハッキリ言われるとちょっと傷つくけど、
そうだね。リムルらしいか。うん。
カイジン達を助けるのはあまりに裁判が酷い内容だったらね)」
と、話していたら。
こちらに一切発言権がないのをいいことに代弁者があることないことを言いまくり。
ツッコミどころ満載の裁判になったのだが。
「王よ!この者達への厳罰を申し渡し下さい!」
ベスターが王に対して厳罰を直接申し出たのもあり、
ガゼル王が、どこか寂しそうな表情をしながらカイジンにその気持ちを問うた。
「カイジンよ」
「……は!」
「久しいな、息災か?」
「は!王におかれましても、ご健勝そうで何よりでございます」
「よい。それよりも、戻ってくる気はあるか?」
その言葉にベスターが驚く。
「恐れながらも王よ。私は既に主を得ました。王の命令であれど主を裏切ることはできません」
「……であるか」
そうしている間にも、会話が続いて行った。
やはりガゼル王はこちら側の事情をだいぶ把握しているらしい。
ミミの方をちらりと見たあと、
恐ろしい少女達とスライムだな
(リンはミオの姿のまま捕まって、リムルはスライムのまま捕らえられている)
という表情を少し見せたが、王の威厳をそのままに振舞った。
「判決を言い渡す。カイジン及びその仲間は国外追放とする。今宵日付が変わって以後この国に滞在することを許さん。以上だ。余の前より消えるがよい」
そうして、王の一喝で裁判は閉廷した。
やっぱりガゼル王は強者だ、とリムルは感じ取った。
途中から王とミミ(ミシェル)の対決になったような気もするけど。
睨み合いのあとの寂しそうな表情等は特にそうだ。
逆鱗に触れぬように采配を下したような。
そんな気配も感じ取った。
リムル達が去ったあと。
ガゼル王はリムルが作ったフルポーションをベスターに見せ、
いかにこの技術が素晴らしいか問い、
お前の行いがあの魔物への繋がりをたったと話、
ベスターが反省の態度を見せたところで王宮への立ち入りを禁じた。
そのベスターも去ったあと。
「暗部よ。あの魔物の動向を監視せよ。……スライムもそうだがあの青髪の少女と金髪の少女にも気をつけろ。特にあの青い少女には近付いてはならぬ」
「は!」
「決して気取られるなよ」
「この命に変えましても」
そうして、暗部の者が姿を消したあと。
ガゼル王はリムル達が去っていくのを見て安堵した。
できればあんな風に睨み合いなどせず、友好関係を結びたいと思うばかりであったが。
あのスライムの存在感はどう見ても暴風竜ヴェルドラを思い浮かべるし、
青い少女なんてまるで一つの国そのもので
「なんでも全て私にお任せ」って顔してるのが腹立たしいし、
あの中で唯一弱そうだったのが金髪の少女だったが、
何れも何を考えてるかは一切把握できなかった。
特に青い少女は入国時金髪の少年であったようであるし、
姿を自在に変えれる存在ならば
気配もいくらでも誤魔化せようと察してガゼル王は己と力量を測るのをやめた。
何度戦闘風景を想像しても
いつの間にか自分で首を跳ねている姿が容易に想像でき、
青い少女には近寄らぬようにしようとガゼル王は誓ったのであった。
もし戦えるとしてもあのスライムぐらいだろうと。
やっとドワルゴン編終わった!長かったーー!