「3人はリン様のスキルだそうだ」
「え、魔物じゃないんっスか?!」
「リン様のスキル『
「つまりこの方々はリン様とリムル様直属の眷属のようなものなのね」
「素敵だわ」
ゴブリンたちの眼差しが眩しい。
リンのスキル、俺も使えるからミシェル達まとめて俺の眷属扱いになってるよ。
まぁ、その方が都合良くて楽ちんだけど。
サリエルからの視線が痛い。
『(俺別に君の眷属になったわけじゃないし)』感が全開!
ミシェルはまんざらでもなさそうだけど、表情が複雑そう。
やっぱ2人は俺よりリン派なんだなと思うよ。
そこはちゃんとリンのスキルしてて嬉しいとは思うけどね。
ちやほやされてアイは嬉しいらしくニコニコしてる。
そこは義光とまた違うんだなぁ。
義光は義光で、スキルを人間にしたこと怒ってたし。
なんなら俺知らねえからなって怒ってアイが『じゃあ妾がその辺どうにかするからめんどくさい作業は任せとくのじゃ』って義光押しのけて表に出てきたんだよな。
『
ってツッコミを入れたらアイが真顔で、
『ある意味非常時じゃけどな油断してたらミシェル達をすぐスキルに戻そうとするし、妾を使いたがらないし。魔素消費しすぎで消滅の危険まであるのにやらないのはハッキリ言って異常ぞ』と話した。
確かに。
リンにとってスキルを使わないことは、ある意味毒をずっと体の中で飼っているようなもの。
毒を排出するためにスキルを使う。
そういう意味では防衛プログラムしてるのか、と納得した。
「よし。自己紹介大体終わったか?」
「終わりましたリムル様!」
「じゃあ大事な話、第二弾だ。見ての通り、俺たちは大所帯になった。そこで、なるべくトラブルを避けるためルールを決めようと思う」
1つ、仲間内で争わない。
2つ、進化して強くなったからと言って他種族を見下さない。
3つ、人間を襲わない。
「以上だ。最低この3つは守って貰いたい」
さて、反応はどうだろうか。
打ち合わせした訳じゃないから、アイ達の反応も気になるけど……あれ?そこは別に不満ないんだな。
サリエルとか、嫌がりそうなのに。
嫌がったらどうしようとか考えてたけど、全然大丈夫そう。
色々ゴブリン達の質問に答えてっと。
ルールの次はゴブリン達の役割分担を決めて。
うん。俺は基本口だけ番長でいいや。
君臨せずとも統治せず。いい言葉だな〜。
いずれ人間の街にも行ってみたいし、俺の指示がなきゃなにもできないも困るもんな。
と、丸投げしてみた訳だが。
「ねぇ、リムル。僕錬金術の知識があって、建物とか全般材料があればなんでも作れちゃうけど、どうする?というか、ごめん。既に何軒か作っちゃった。あまりにも家造りが大変そうで、つい」
ゴブリン達があまりにも四苦八苦してる様子を見かねてミシェルが鋼の錬金術師よろしく、ポンと手を合わせただけで家を造り上げちゃったらしい。え、ミシェルさんってそんなハイスペックなんですか?
「僕はこれでも一応、鋼の錬金術師の世界に転生したことがあって。その時使ってた能力そのまま再現してるんだよね」
「マジか。鋼の錬金術師って、あの鋼の錬金術師?」
「そうそう。僕のポジションはエルリック兄弟の長男だったかな。向こうでの2つ名は空想の錬金術師。一応これでも国家錬金術師だったんだよね」
「うっそ、いいな!羨ましい!じゃなくて、そんな大事なこと、なんで言わなかったんだよ!?はやく言いなさい!明らかにオーバースペックだから!やりすぎ!!」
今日一番の声が出た。
まさかミシェルも転生者として各地を飛び回ってた記憶があるなんて。
どんな偶然。
それがリンのスキルとして発現って、どんな経緯でミシェルはリンと縁ができたんだろう。
「僕はね、義光がミオとして転生してから一番最初にできた友達なんだ。それからずっと僕が死ぬまで2人の騎士をしてきた。」
――なんか重い!ねっとりというか、なんというか……。
「色々あって国の宰相をするはめにもなったけど、だから僕、義光よりもその辺の経験は豊富かな。君はね、リムル。わりと僕達の世界では有名人なんだ。人気者だし。だから僕は君のこと、嫌いじゃないよ」
有名人?どういうこと?
というか、国の宰相もしたこともあるってハイスペックすぎるだろ。
や、やりにくい……。
こちらの考え全て見透かされてるみたいで。
……ハイスペック建物作っちゃったの全然反省してないよ、どうしようこのバケモン。
これが多分、義光がミシェルを召喚したくなかった理由だなきっと。
俺だと手に負えなくなるから。
ありがとう義光。色々考えてくれて。
でも自分の身を犠牲にしてまですることじゃないから、これぐらいはどうにかしてみるよ!
「ミシェル様のおかげで助かりましたリムル様!分からないところなど進んで教えてくれまして」
お?リグルドから好印象、というかすっかりミシェルまで様付け。それでいいのかい皆。
「なんなら俺も錬金術教えて貰えたっスよ!ミシェル様の話聞くの面白いっス!」
「君ほんとに飲み込みはやいね。錬金術師なれるんじゃない?」
「もしなれたら壊れたところとか一瞬で直せるように?!」
「なれるよー。錬成陣と物の仕組みと地殻運動エネルギーを使うコツさえ覚えたら。あ、あとで錬金術について書いた本渡してあげれるけど、読む?僕の記憶を頼りに、大賢者に作ってもらったのだけど。皆にも分かるように調節してくれた本だから、分かりやすいと思うよ」
「うおお!!読むっス!」
ゴブタが凄い燃えてる。
え?そんな簡単に錬金術の知識広めちゃっていいのミシェルさん。
思わずさん付けしちゃったけど、というか大賢者いつの間にミシェルとそんなに仲良く。
スキル扱いだから俺とパスが繋がってるミシェルも大賢者を使えるのか。
大賢者俺の許可なくそんな凄い技術許すなよ!確かに作業効率よくなって楽かもしれないけどチートすぎるだろ!
《告。錬金術による家造りは非常に効率よく、衛生面にもいいため広めました。また道路など道の整備も行えますがどうされますか?》
「そこまでやるか。」
《この応用で水道管や下水なども作れます。発電所も作れるようになるでしょう》
「待て待て。確かにできるならやった方がいいけど、それ全部ミシェルがやるのか?」
《そうなります》
「それ凄い負担なんじゃ……」
ミシェルの意見は。
「リムルとリンの魔素が続く限り僕何体でも分身できるけど、どうする?」
「忍者か、ハイスペック過ぎるだろだろ。」
というか、当たり前のように話に入ってきたし。
唖然としてるとミシェルが自分の出自をぽつぽつ話してくれた。
「僕、最初の人生だと精霊だったんだよね。」
「え、そ、そうなんだ」
「精霊でも人工精霊の類いなんだけど、今世はスキルを経由にスライムを媒介にしてて。その影響で今世も前世と同じように何体でも分身できるみたいなんだよね。人間の時より楽かも。創造主のリンが常に傍に居てくれるし、吸血しなくていいし、常に魔素っていうエネルギー補給できるし、気楽かな」
「あ、そう……。というか、吸血?種族が人間だと吸血しないといけないって、どういうこと?確かに君も耳長だけど……」
「僕という概念は全てリンの「イメージ力」から来てるんだ。人工精霊という扱いになる。逆に言えば、僕はそれがないと生きていけない精霊だった。今もね。リンがいない世界では自分でイメージ力を補填するために気に入った血液の吸血が常に必要でね。前の世界では大変だったよ、本当」
心底大変だった、という感じで話すミシェル。
前の世界って、鋼の錬金術師の世界だよな。
あの世界で、吸血???マジ?
国家錬金術師だったみたいだけど、そんなことしたら捕まらない?
死者でない?大丈夫?
「って、絶対今思ったでしょ。無差別に吸血なんてしてないから大丈夫」
俺の心読まれた?ナチュラルに読むよな本当!
「じゃあ誰の血液で生きてたんだよ。大変だったのはわかるけど、余計気になるわ」
「言わないとダメ?」
「とりあえず引かないから言いなさい」
「……弟の血液吸って生きてました。あと、後半は賢者の石を使って生きてたよ。ラストと賢者の石を共有してね」
「なんか凄いこと言ったね。リピートアフターミー?」
「2回も言わせないでよ。仕方ないでしょ、生きるのに必死だったんだから」
お、弟ってもしかしなくてもエドワード・エルリックのことだよな……。
エルリック兄弟の長男って言ってたから。
罪悪感はあるのね。2回目言うの渋られちゃったよ。
ラストってハガレンのあのラストさんだよね?
大賢者に聞いたらあっちの大罪とはまた違う大罪シリーズらしいし、色欲繋がりできっと縁が強かったんだろうな。
「もしかしてラストさん召喚できたりする?」
「できるけど危険だからしないよ?」
「あっはい。」
できるんかい!とツッコミたかったけどあまりに真顔で危険だからできないと言われて何も言えなかった。
そっか、やっぱり危険か。
やりたい放題のミシェル君でも自重はしてくれてるんだね。
「原作見たことあるならわかるよね?(なんなら他のホムンクルスもスライムを媒介に召喚できるけど、危険なんだよね。グリードに大総統……ラースも危なっかしい)」
「すみません……」
そんな話をしてると、異変が起きてしまった。
ミシェルのおかげで、村がほとんど完成した時のことだ。
《告。一定の魔素量を一度に大量消費したため、『
「……俺なんともないけど?!というか、ミシェルもだけど他のスキルは大丈夫なんだね?」
《次にリンが目を覚ますのは3日後です。現在、『
や、やっちまったー!
便利だからってリンに頼りすぎちゃった。
ごめんよ、リン。俺が迂闊だった。